上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

‘옷을 입다’と‘옷을 걸치다’ (おもしろ語彙の世界)

2023-12-09 | 言葉の使い方
まず簡単なクイズからやってみましょう。次のカッコの中の適当な語を選んでください。
・조금 추워서 코트를 어깨에 (입어서・걸쳐서) 나갔다. 
〔ちょっと寒かったのでコートを肩にひっかけて外出した〕
・임금님은 실오리 하나 (입지・걸치지)않은 부끄러운 모습으로 민중 앞에 나타났다.
〔王様は一糸まとわぬ,あられもない姿で民衆の前に現れた〕
・동생이 교복 상의를 아무렇게나 (입은・걸친) 모습으로 학교에 갔다.
〔弟は制服の上着をだらしなく引っかけて学校に行った〕
・왕자 역할을 맡은 남자아이가 중동 지방의 긴 전통 의상을 (입고・걸치고) 등장했다.
〔王子の役を演じる男の子が中東の長い伝統衣装を着て登場した〕

‘옷을 입다’と‘옷을 걸치다’は,どちらも「服を着る」という意味ですが,ニュアンスが異なります。
‘입다’は,シャツやズボンなど,腕や足を入れる,ボタンやファスナーをかけるなどある程度の注意と時間が必要で,手間がかかる衣服に使われます。
‘걸치다’は,前開きのベストやジャケット,カーディガンなど,腕や足を入れる手間がそれほどかからない服などに使われます。長い服などにも‘걸치다’が使われます。
つまり,‘옷을 입다’は,服を着る動作そのものに対する表現であり,‘옷을 걸치다’は,服を着る動作の難易度に対する表現であると言えます。

服装がきちんとしているかどうかも重要な基準になります。ボタンをきちんと留めてファスナーを上げたら‘입다’と言えますが,そうでない場合は‘걸치다’と言う方が自然です。
同様の理由で,古代ローマ人が着ていた「ローブ」や中東の人が着ていた「クフタン」のように,ボタンやファスナーがなく長く伸びる服は‘입다’よりも‘걸치다’がより自然です。長い冬のコートも同様です。

具体的には,次の3つの基準が挙げられます。
長さ:長い服には‘걸치다’
着脱のしやすさ:着脱しやすい服は‘‘걸치다’
服装のきちんとさ:きちんとした服装は‘입다’

“한잔 걸치다”という表現があります。「軽く一杯ひっかける」という意味です。
このことからもわかるように‘걸치다’は「ひっかける」「羽織る」という意味です。
“의자에 엉덩이를 걸치다” という表現もあります。「椅子に腰かける」という意味です。
背もたれに背中を預けて尻を深く突き出して体全体を支えるのではなく椅子の端に軽く座った姿です。
‘걸치다’は“옷을 옷걸이에 걸다.(服をハンガーにかける)というときの‘걸다’から派生した言葉です。

クイズの答え
・조금 추워서 코트를 어깨에 걸쳐서 나갔다. 
・임금님은 실오리 하나 걸치지 않은 부끄러운 모습으로 민중 앞에 나타났다.
・동생이 교복 상의를 아무렇게나 걸친 모습으로 학교에 갔다.
・왕자 역할을 맡은 남자아이가 중동 지방의 긴 전통 의상을 걸치고 등장했다.

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