里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「犬吠埼」

2023年02月26日 | 水墨画:風景他
画仙紙 半切1/3  

怒濤の波しぶきを上げる犬吠埼を描いてみました。
激しい波しぶきを表現するため、ドーサ液を利用しました。
ドーサ液は膠(にかわ)の薄い溶液に少量の明礬を溶かしたもので、白抜きするために用います。
前もって波しぶきの上がる部分にドーサ液を吹き飛ばしておきます。
これまでも何度かドーサ液を用いて描いていますが、加減が難しい。今回は少ししつこ過ぎたかもしれません。
犬吠埼は、関東最東端に位置する銚子の太平洋に突出した岬です。
犬吠埼を訪れたのは7、8年前になるでしょうか。6月だったと思います。
怒濤打ち寄せる波を想像していましたが、当日は穏やかな海でした。
白亜の灯台が印象的で、思った通りの画になる風景です。
ただ、イメージにあるのは穏やかな海ではありません。何分、犬が吠えるような激しい海から犬吠の名がついたのだろうと思い込んでいましたから。
実は、当地には義経伝説が有り、義経が奥州に逃れるとき愛犬が主人を慕って鳴き続けたという言い伝えからきていると言います。
しかし、一度頭に刷り込まれたイメージはなかなか払拭できないものです。
寒風吹きすさぶ厳寒期ならこんな風景が見られるのではないでしょうか。


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