■ 一人綴り

イロイロやってますが、停滞中。(モノが出来たらアップする感じですから...。)更新はしますが数が減るかも。

■ HDTV信号処理LSI

2008年06月23日 | ○ Audio-Visual

 一般ユーザーからすると、電化製品と言うと製品で、決してLSIなどでは

ないと思うのですが、その製品の中には物凄いテクノロジーが詰め込まれて

います。ゲームなどを見ると、ハードウェア・ソフトウェアの双方で、物凄

い事になっていますし、パソコンに搭載さている、チップセットなども強力

な性能になっていますし、モバイルを見てもハードウェア性能が高くなって

おりオートでノーマライズしてくれる


 ・ ドルビーモバイル


なんてテクノロジーや、720Pのエンコード・デコードなども近々可能でモバ

イルでもHD(720P)が可能と言う話もありますし、モバイルプロジェクタなん

て言う20世紀ではSFの世界のような話も現実の製品として存在しています。

 そんなデバイスの世界ですが、米国ハワイ州ホノルル市にある


 「 ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ 」


にて17~19日までの会期で行われていた


 「 VLSI 2008 」


にて地上デジタル放送などの高品位TV(HDTV)に対応した信号処理LSIの講

演が行われていたようです。

 HDTVと言うと、2011年の7月からシフトする地上デジタル放送にて要と

なるモノで、(とりあえず、UHFアンテナで放送を受信し、チューナーで

映像を引き込めば、通常のテレビでもSD解像度で地デジは楽しめます。)

ある種、コンシューマもそうですが、プロダクションや放送局などの業務

において重要になってくるモノではないかと思います。

 今回の講義では、そのHDTV関連のLSIが紹介されていたようです。

ルネサス テクノロジと日立製作所が、消費電力が256mWと低い


  「 HDTV用H.264 High Profile対応の符号化復号化LSI 」


を共同で開発し、その概要を報告していたようです。

 このLSIは、1,920×1,080画素のフルHD画像(フレーム)を1秒間当たり30

フレームの速度で処理できるモノで、動作周波数は162MHzとなっています。

 エンコード速度は、

  フルHD画像(1,920×1,080画素) : 36.6フレーム/sec
  VGA画像(640×480画素) : 249フレーム/sec


となっており、消費電力は256mWである。デコード速度は、

  フルHD画像(1,920×1,080画素) : 39.8フレーム/sec
  VGA画像(640×480画素) : 268フレーム/sec



で、消費電力は172mWとなっているようです。

 動的にクロックを止める機能を盛り込んだことで、消費電力を前世代品と

比較した場合、


  ・ エンコード時 ▼9%
  ・ デコード時 ▼14%



と減らしたようです。

 なお、標準デジタルTV信号(SDTV信号)を処理するのに必要な動作周波

数は54MHzとなっているようです。

 開発したコーデックLSIは29個ものCPUコアを内蔵しており、ソフトウ

エアの変更によってさまざまなデジタルビデオ規格に対応できるようで

す。

 LSIの内部は画素(ピクセル)を処理するブロックとストリーミングを処

理するブロックに分かれており、ピクセル処理ブロックは2個の符号化復

号化マクロで構成されており、入力画像のマクロブロックを並行してパイ

プライン処理するようです。

 その中核となるのは


  ・ 3個のCPUコア
  ・ ローカルメモリ
  ・ 共有命令メモリ


で構成される画像処理ユニット


  「 PIPE(Programmable Image Processing Element) 」


で、3個のCPUコアはそれぞれ


  ・ ロード処理
  ・ メディア処理
  ・ ストア処理


に対応しており、同時並行に動作します。このため少ないクロックサイ

クルで数多くのデータを処理できるとのことです。

 ストリーミングを処理するブロックは


  ・ 2ウエイのVLIWプロセッサ
  ・ 3,220bitのCABAC用コンテキストフリップフロップ


で構成されていおり、162MHzの動作周波数で40Mbpsのストリームを処理

するようです。

 ファームウエアも開発済みで、


  ・ H.264のエンコード/デコード用
  ・ MPEG-2のエンコード/デコード用
  ・ MPEG-4のエンコード/デコード用


がある。ソフトウエアの大きさは6.6~20.7KBの範囲となっているようです。

 また、NTTサイバースペース研究所は、地上デジタルのHDTV放送局用機器

に向けた


  「 H.264 High4:2:2 Profile対応のエンコードLSI 」


を開発し、その概要を発表しています。


 LSIの名称は


 「 SARA/E 」


で、

   Super Advanced Real-time CODEC Architecture
    for H.264 professional implementations


の略となっています。

 「 SARA/E 」は標準デジタルTV(SDTV)のD1(720×480画素、30fps)信号

をリアルタイムでエンコードでき、同LSIを6個使用すると高品位TV(HDTV)に

対応します。

 NTTの関連会社であるNTTエレクトロニクスが、「SARA/E」を6個搭載した

HDTV(1,920×1,080画素、30フレーム/sec)用リアルタイムエンコーダモジュ

ールと、このモジュールを内蔵した1Uタイプのラックマウント型HD/SD両対

応リアルタイムエンコード装置を開発済みで、東京放送(TBS)とその系列局

がこのエンコード装置を導入することを決定しているようです。

 「SARA/E」はHighプロファイルに4:2:2色空間の情報を追加した


 「 High4:2:2フォーマット 」


に対応しているため、膨大な画像データを扱う必要がありますが、フレーム

メモリとして72MbitのDRAMを内蔵するとともに、32bit幅の512Mbit Mobile

DDR SDRAMを外付けすることで対応しています。

 「SARA/E」の内部は

 
  ・ 64bit RISC CPUコア
  ・ 2個のビデオ符号化コア
  ・ ビデオインターフェイス回路
  ・ 画像解析エンジン
  ・ マルチプレクサ
  ・ マルチチップ構成用画像データ転送回路
  ・ メモリインターフェイス


などで構成されているようです。

 2個のビデオ符号化コア(「M-CORE」と「C-CORE」)はいずれも


 「 32bit RISC CPUコア 」


を内蔵しており、M-COREにはほかに


 ・ 動き予測/動き補償エンジン
 ・ イントラ予測エンジン
 ・ エントロピ符号化エンジン
 ・ ループフィルタ


などを搭載しているようです。

  

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