水瓶

ファンタジーや日々のこと

あんたがったどっこさ

2014-12-11 20:03:40 | こころ旅
ちょっと遅れてしまいましたが、先週のこころ旅は熊本県でした。
正平ちゃんが驚かして飛ばしたスズメが沢山いた薮、あれひょっとしてイグサかなあ。
近所の畳屋にくまモンののぼりが立ってて、それに「熊本の畳」と書いてあって、
調べたら、熊本はイグサの生産量日本一なんだそうです。へええー。

あんたがったどっこさ 肥後さ 肥後どっこさ
熊本さ 熊本どこさ 船場さ 船場山にはタヌキがおってさ
それを猟師が鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉でちょいとかぶせ♪

ついでに調べたてみたら、この手まり歌は、本当は肥後発祥ではないんじゃないかと言われているようです。
そういえばこの歌詞だと、肥後で歌われたものというより、
どこか別の場所で出身地をたずねた時に、肥後の人が答えた形になってるようですよね。

小国辺りの風景が独特だなあと思ったら、牛を放牧するために山を焼くんだと地元の人が言っていました。
肥後牛が有名だそうで、検索するとひたすら肉の画像が。。。
すごくおいしそうなんだけど、今はやや牛寄りの心情なので………ンモオオオー!!!

宮本常一さんによると、熊本は石橋がすばらしいそうで、山間部の深い峡谷に見事な石橋がいくつもかかっていて、
それらはほとんど東陽村種山の石工たちの仕事だったそうです。
種山の石工たちはすぐれた架橋技術を持っていて、鹿児島の方まで行って石橋を造ったりしていたけれど、
大工事のあった時には、その技術が他にもれるのをおそれられて、
村に帰る途中で暗殺されてしまったとか、いや、それが実はひそかに命を助けられていて、
また他で橋を造っていた、なんて伝承が残っている名工もあるそうです。
エジプトのピラミッドにも似たような話ありますよね。
技術そのものは大切にされても、技術者は祖末にされていたことを物語ると宮本さんは書いていました。

「仏像のようなものさえ、作者の名のわかっているものはほとんどない。ただ黙々としてこれを刻みつけたにすぎない。それが芸術的にすぐれているとしても没個性的であるのが日本の仏像の特色であるとされているが、作品を残すだけで、作者の名を残すことが目的ではなかったからである。そしてそのような伝統は容易に消えなかった。(生きていく民俗)」

そういえばなぜか、国宝とかになっている、素人目にもずば抜けて見えるような仏像でも、
かなり昔に作られたせいもあるんでしょうけれど、誰が作ったんだろう、とかあまり気にならないかも。
でもしいて、誰が作ったんだろうと考えると、個人が作ったというよりも、
そうした物を必要として、可能にした背景や技術、個人の力をはるかに超えるもの、
その時代の文化が作った、というのが一番ぴったり来るのかも知れません。
いつの時代にも、個々にすぐれた天分を持った人はいても、
他にもさまざまな条件がそろわないとできないような物は、日本に限らずあるんじゃないかと思います。
そういう物が長い時を越えて、国境を越えて、残されてゆくんでしょうか。

ちなみに、大工や石工や左官などの職人たちが、職能神として信仰していたのが聖徳太子なんだそうです。
太子講って聞いたことありませんか?お寺の建立とか積極的に進めてたからかなあ。


肥後牛の人形のアップ。真ん中辺りに角と目?
牛らしい独特の雰囲気がよく出てますよね。ここから、ここから。

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