中曽根康弘内閣で行なわれた国鉄の民営化は大成功だった。
成功の最大の理由は、分割したこと。
分割すれば、全国一本の労働組合が潰れる。
労働組合を潰すことこそ、民営化成功の絶対条件。
・・・・・・・・・・・
よく練られた案といえるが、それでも完璧ではいかなかった。
たとえば、九州にはドル箱の新幹線がなかったため、不採算部門の中国地方とまとめられなかった。
仕方なく九州だけでまとめた結果、IR西日本には非常に強い組合が残ることになってしまった。
そうならなければ、福知山線の悲惨な事故も、あるいか回避することができたかもしれない。
・・・・・・・・・・・・・
NTTは東西に分割されるようになったが、この程度では、あるべき分割とはほど遠い。
その結果、最近になって、au、ソフトバンクが力をつけてくるまで、NTTの寡占状態が続いた。
このIT時代に、不十分な分割民営化による寡占の弊害が与えた悪影響は計り知れない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地域分割してしまったら各地域の郵便貯金や簡易保険の事業は成り立たなくなる。
これが、間違いなのだ。
むしろ逆に、地域を活性化させるためにこそ、地域分割が必要だったのだ。・・・・・・・・
郵貯の地域分割によって、地方分権への動きは、一気に進んだはずだ。
だが、郵政民営化では、地域分割がされず、強力な労働組合が残り・・・・・・・
旗振り役になっている国民新党に・・・・8億円もの資金提供が行なわれ・・・・・・
また、日本郵政公社労働組合が民主党の強力な支持母体であることも忘れてはならない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
亀井静香が主導した中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)は、きわめて筋の悪いものであった。
返済が厳しい中小企業に対し、金融機関にできる限り条件変更に応じさせようというものだが、
このような法律は不要である。
返済が厳しいときは、債権を日本銀行が買えばいい。
これならリスクがなくなり、金融機関も中小企業から「貸し剥がす」といったことがなくなる。
(松下幸之助が描いた21世紀の日本 PHP)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます