春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

補聴器を決めるまでに・・・

2013-06-12 13:37:47 | ブログ

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

今日の福岡は30℃を超え、湿度も70%。

暑いですね~。

これからもっと暑く、ムシムシしてくるかと思うと・・・過酷な夏になりそうです。(恐)

 

 

昨日は、先月中旬から補聴器を検討されているお客様が、3度目の来店でした。

過去2回、補聴器の貸出試聴行い、機種的な相性、メーカー的な相性をじっくり1週間程度ずつ試していただきました。

ご本人も今回の来店で、購入する補聴器を決定し、発注してもらおうと思っておられました。

 

 

ご予算の範囲内の機種で試していただいていたのですが、『予算を上げると、聞こえがもっとよくなるのではないか?』と思われ、1ランク上げ、さらに1週間試聴となりました。

ご本人曰く、「3回目の貸出までしてもらって、なかなか決められず申し訳ないです。」とおっしゃいました。

 

 

私は、笑いながら、「今後数年間、付き合っていく補聴器を決めるわけです。私の口車に乗って買ってはいけませんよ。」とお伝えしました。

お試しいただいた機械については、その機能や調整状態について、わかりやすく一生懸命お伝えしますので、場合によっては私の気迫に押されて、お客様は衝動買いしてしまうかもしれません。(笑)

 

 

補聴器は、電化製品のように購入後、故障するまで使い倒すものではありません。

購入後も、補聴器屋さんでメンテナンスや再調整を幾度となく行っていきます。

買ったばかりの補聴器は、それほど大きな効果を生み出さないかもしれませんが、調整を行っていくことで、お客様仕様の補聴器に精度を高めていくことが可能です。

 

 

できれば一生世話にはなりたくないものですが、きこえに不自由があると、そうはいきません。

家族を含めた周囲の方々と、円滑にコミュニケーションをとっていくために、補聴器は役立つツールの一つです。

ただし、少々お値段が張るのも事実。

 

 

購入する補聴器に失敗や「買わなきゃ良かった!」という後悔が生まれないようにするためにも、納得いくまで検討された方が良いでしょう。

通信販売の場合、一定期間使用した後、納得いかなければ返却することも可能です。

しかし、この場合補聴器屋さんで試す時のように、担当者との方とのやりとりはありません。

 

 

補聴器は、『対面販売』が基本。

業界やお医者さんも、認定補聴器技能者資格をもった補聴器屋さんでの補聴器購入を推奨しています。

補聴器ときこえのエキスパートが、お客さんの補聴器を通した数年間をサポートしてくれます。

少々、不親切な言い方かもしれませんが、納得するまでトコトン悩みましょう!(笑)

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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補聴器屋さんを探す

2013-06-11 11:26:42 | ブログ

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

台風が近付いています。

天気予報では、明日あたりから天気が崩れそうだとか・・・。

天気が良すぎるのもなんですが、大崩れすると老齢者の方々の足に影響しますので、困ったもんです。

今日の福岡はムシムシしていて、「スコール」があるかも・・・。

九州は、温暖化の影響もあると思いますが、夏場の気候はまさに「亜熱帯」。

夕方頃、急に稲光とともに瞬間的なゲリラ豪雨に見舞われることもあります。

洗濯物やお布団を干したまま出かけられないですね。(笑)

 

 

さて、本日は「補聴器屋さんを探す」について取り上げましょう。

 

 

一般的に、補聴器屋さんの広告(地域での認知度拡大)は、紙媒体でのものが主となります。

 ・新聞広告

 ・折込みチラシ

 ・リビング誌などのフリーペーパー

 ・病院、デイケアサービスなどからの紹介

 ・ホームページやブログなどインターネットを活用したもの

 

 

とくに当店のような新規店では、地域での認知度が低いので、継続的に広告活動が必要になります。

来店されるお客様には、お茶を飲んでいただきながら、「カウンセリングシート」を記入していただきます。

難聴の状態やご希望の補聴器タイプ、ご予算などのお客様情報を記入していただくことが目的ですが、一番最後の質問事項に「当店をお知りになった媒体は?」というものを設けています。

 

 

色々な媒体を活用して広告活動を行っているのですが、お客様がどのような媒体で当店を見付けられたかを分析することが目的です。

チラシや新聞広告をうった時などは、「チラシを見た」とか「新聞広告で」というご回答をいただきますが、最近よくご記入いただくのが、「ホームページで」とか「インターネットで検索して行きつきました」というものです。

 

 

最近来店されるお客様の3~4割程度が、当店のホームページを検索されたお客様です。

ご家族(娘様、息子様、お孫様など)の場合がほとんどですが、ご本人が自身で調べられていることもよくあります。

先日は、つくば市の娘様がインターネットで調べられ、「近くに補聴器の専門店があるわよ。貸出試聴もしていただけるみたいなので、行ってみたら?」とアドバイスされたお母様が来店されました。

 

 

ご本人がインターネットで調べられている場合、かなり補聴器について事前に情報収集されていることが多いです。

 ・補聴器の価格

 ・補聴器のタイプ

 ・補聴器メーカー

 ・店舗(担当者)のサービス・特徴

 ・貸出試聴ができるかどうか

ホームページを隅から隅までお読みになっているお客様もあり、ご本人からすると実際にお会いするのは初めてなのに、初めてではないような感じもあるようですね。

 

 

当店の場合、補聴器の販売以上に「アフターメンテナンス(調整)」に力を入れており、ホームページにもそのことを謳っています。

来られたお客様は、「購入後の調整が重要なんですよね。」とか「きこえのリハビリトレーニングができるんでしょ?」とおっしゃる方も・・・。

 

 

傾向としては、ご自身自ら補聴器に関する情報や補聴器屋さんの詳細を調べられているので、補聴器装用に前向きな方が多いような気がします。

仕事上必要な場合であったり、家族とのコミュニケーションをもっとスムーズにしたいというご希望をお持ちです。

 

 

今後は、こうしたITを駆使して、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を活用した難聴者が増えてきます。

こうした方々の情報収集に役立てるよう、補聴器やきこえに関する情報を発信していかなくてはなりませんね。

 

 

 

 

 

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補聴器の日

2013-06-08 13:05:13 | 補聴器業界

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6月6日は、「補聴器の日」でしたね。

朝、新聞を見ると折込チラシに、あるメガネチェーン店さんが補聴器の単独チラシを入れておられました。

新聞紙面を細かく見ると、特に補聴器に関する記事もなく補聴器屋さんやメガネ店さんが広告を出していることもありませんでしたね。

 

 

当店は、5/25、5/30、6/2と3回、3媒体に、「6月6日は『補聴器の日』です!」と広告・告知をいたしました。

出勤時に、車のFMラジオ放送では、

 「今日は何の日かご存知ですか?」

とパーソナリティーさんが質問をぶつけていたので、

 「補聴器の日!」

と車内で答えました。

しかし、ラジオでの答えは・・・

 「ロールケーキの日」でした。

特に、北九州ではロールケーキが有名で、町おこしのイベントでは、50mの巨大ロールケーキを100人で巻き、1,500人に配るということでした。(笑)

まだまだ、補聴器業界としては、定着していないですね。

 

 

しかし、東京では大きなイベントが行われています。

日本補聴器工業会主催で「補聴器ライフスタイルフォーラム2013」という催しがありました。

実際に補聴器を付けている各世代のユーザーが、補聴器を付けて生活を楽しんでいることをアピールしています。

 

 

イベントには、ドン小西さんが審査員で参加されていたようで、活動的な補聴器ユーザーのみなさんに、「素晴らしいエンターテイメント力!」と評されています。

 

 

 

 補聴器を使用されている方の大半は、「周囲に補聴器を使っていることを知られたくない。」と目立たないものを求めたり、隠そうとされたりされます。

まだまだ、補聴器が一般に認知されていないからでしょうね。

 

 

補聴器は、持っているだけでは意味がありません。

使ってこそ役に立つものです。

補聴器自体は、その価格が高いことがクローズアップされてしまいます。

しかし、20万円の補聴器を購入しても、5年使えば、1日当たり110円。

電池代を含んでも1日当たり、130円程度でしょう。

10年使えば、1日当たり70円です。

毎日、タバコを1箱吸う人、ビールを晩酌する人に比べれば、かなりの低コストです。(笑)

タバコやお酒は、場合によっては周りの方に迷惑となることがありますが、補聴器は周りの方も楽になる可能性があります。

 

 

人は、『嗜好品』にはお金を使うかもしれませんが、『必需品』に投資しないことが多いかもしれません。

きこえの生活を豊かにする『必需品』に、前向きに投資していただきたいですね。

 

 

 

 

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アナログ的フィッティング(その4)

2013-06-05 18:38:41 | 補聴器の調整

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今週は天気が良すぎて暑いですね。

まだ6月になったばかりだというのに・・・

今年も暑い夏になるでしょうね。

 

 

本日は、「アナログ的フィッティング(その4)」です。

 

 

補聴器屋さんが、補聴器のハウリング処置を行う際、いくつかの方法があります。

ハウリングとは、補聴器と耳の穴とのあいだに「隙間」があり、一度補聴器が増幅した音が「隙間」から漏れてきて、さらに増幅を繰り返すと起こる現象です。

メガネ店さんなどの兼業店さんでは、パソコン調整で高音域の利得を下げる調整を行います。

 

 

難聴者にとって必要な利得を聴力の状態(オージオグラム)から計算して補聴器が出しているわけなので、高音域の利得を落とすと、言葉の聞き取りにも影響してきます。

オーダーメード補聴器や耳かけ型の補聴器のイヤモールドの形状に不具合があれば、メーカーに送って再作(型直し)をする必要があります。

補聴器メーカーさんでは、購入後4ヶ月以内であれば、オーダーメードの再作は無料。

1~2回程度再作を行えば、ほとんどの場合、ハウリングを止めることが可能です。

 

 

しかし、何年か経過した際、再作は有料となり、大体3万円程度かかります。

両方なら6万円近く・・・安い補聴器が買えてしまう金額ですね。

 

 

ここで補聴器屋さんが行う「アナログ的」処置は、二通りあります。

その一つ目は、「ベントチップ」調整です。

 

 

閉塞感がないように開けている通気用の穴「ベント」が音漏れの原因なので、この穴を埋めれば、音漏れが軽減されてハウリングを止めることができるわけです。

但し、完全に塞いでしまうと閉塞感が出てしまいます。

 

 

「ベントチップ」とはシリコンチップで、穴の大きさに応じて数種類あります。

補聴器屋さんは、ハウリングと閉塞感のバランスをとりながら、適切な「ベントチップ」を選んで処置していきます。

 

 

二つ目の処置は、「肉盛り」です。

昔、オーダーメード補聴器のシェルの材質が、モノマー/ポリマーの高分子樹脂だった頃は、同じモノマー/ポリマーの粉末を、瞬間接着剤と混ぜ合わせてシェルに上塗りし、乾燥したのちに研磨してシェル形状を耳に合わせていました。

現在は、補聴器メーカーさんでシェルに使う樹脂が変わっているので、モノマー/ポリマー樹脂では剥離(はくり)してしまいます。※現在は、UVシェルやレーザーシェル

設備の整った補聴器屋さんでは、UV(紫外線)で硬化する樹脂をシェルに上塗りし、UV照射器で硬化したのち研磨されます。

 

UV照射器

 

 

こういった処置は、ほとんど補聴器屋さんのアフターサービスで行われるため、無料で行ってもらえるか、かかってもメーカーさんで再作するよりも格段に安い料金です。

 

 

お客様が大事に使われている補聴器を、少しでも長くいい状態で使っていただけるよう、補聴器屋さんは様々な手法をとったフィッティングを行っていきます。

パソコン調整に弱い補聴器屋さんでは、こうしたアナログ的フィッティングで腕を見せているところがあるかもしれませんね。(笑)

 

 

 

 

 

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アナログ的フィッティング(その3)

2013-06-04 17:05:48 | 補聴器の調整

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先週、ある音響メーカーさんが来店されました。

近くの九州大学の音響設備のため福岡に来られていたようですが、当店のホームページやこのブログをご覧になっていたようで、足を延ばして訪問してくださいました。

たまたま、こちらのメーカーさんの防音室(聴力測定室)を採用していたこともあって、何か縁ですかね。(笑)

補聴器も広い意味では、「音響機器」。

補聴器業界のことや、当店の「音場ルーム」についての有意義なアドバイスなども頂きました。

当店の告知や宣伝は、福岡県内に限定されていますが、改めてHPやブログなどインターネットの情報は、範囲が広いと実感しました!

 

 

さて、本日は「アナログ的フィッティング(その3)」です。

 

 

現在の補聴器は、90%以上がデジタル補聴器なので、周波数ごとの音質調整(利得調整)が可能となりました。

メーカーさんにもよりますが、チャンネル数(周波数ごとのイコライザー)が多チャンネル化しているので、微妙な周波数での利得を調整できます。

 

 

上図は、シーメンス社の8chタイプの補聴器の調整画面ですが、数字の部分の利得調整が、右側のイコライザーで加減します。

この多チャンネル化に伴うイコライザー調整で、全体的な音質を大きくイジることなく、微妙なハウリングや利得過多による響きの調整を行うわけです。

 

 

では、パソコン調整でなかった時代のフィッティングではどうやっていたかというと…。

『音響ダンパー』というものを使います。※耳かけ型補聴器のフック部分に取り付けます。

『音響ダンパー』とは、1,000Hz付近にできた補聴器の音響特性のピークをフィルターをかけて減衰します。

 

音響ダンパー各種

 

 

また、シーメンス社には『スターダンパー』というシリコン製のダンパーがあります。

※シリコン樹脂の断面が「☆型」になっているため

 

 

スターダンパー(シーメンス社製)

 

この「スターダンパー」は優れもので、長さや入れる位置を工夫すると、かなり細かい特性変化を調節できます。

いかにも補聴器屋さんの腕の見せ所といった具合です。

 

 

また、オーダーメード補聴器の場合は、レシーバー部分のチューブ口に「スポンジ」を挿入すると、高音が吸収されて「響く」音質をソフトにすることが可能です。

 

 

アナログ的(原始的)な調整方法ですが、微妙なさじ加減の調整で、補聴器使用者の方にとっては、大きな音質改善につながることがあります。

補聴器屋さんでは、パソコンソフトによる調整以外にも様々なフィッティングの創意工夫があるものです。

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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