メーカーさんのセミナーでは決まって
直近四半期(3か月間)の補聴器工業会データを分析した
プレゼンが行われます。
実は、補聴器業界
ここ4四半期、つまり1年間
全メーカーの補聴器出荷台数が
前年割れを起こしています。
・高齢者の数は増加
・景気は上向き
・補聴器の性能は年々向上している
と下がる要素がないにもかかわらず、です。
あるメーカーさんでは
全メーカーの補聴器出荷台数(50数万台)に
匹敵する数の「集音器」が補聴器に台頭してきているのではないかと
推測されていました。
補聴器と集音器。似て非なるものですが
あきらかに異なる点は「価格」です。
集音器の価格・・・3,000円~70,000円
補聴器の価格・・・50,000円~500,000円
※1台あたりの価格
価格の手ごろさから
「まずは集音器で…」と
始められる方は多くいらっしゃるでしょう。
また、ネットショッピングや新聞の通販でも
手軽に購入できることから
きこえに困っている当人はもちろん
その家族や身近な方から代理購入で
プレゼントされることもあります。
補聴器の購入対象となる高齢者の方々は
収入が限られています。
当店で補聴器を購入に来店されるお客様も
「年金生活だから…」とよく言われます。
できれば安く抑えたいと思われるのは当然でしょう。
補聴器も集音器も
きこえが不自由になった方が使用する上で
小さな音を大きくする働きは同じです。
補聴器は、その方の「きこえの状態」に合わせて
「音」を作ることができますが
集音器は、個人個人の聞こえに関係なく
「全体的」に音量を増幅します。
カンタンに例えると
百均で販売されている「既成の老眼鏡」と
メガネ屋さんできちん視力を測って作った
「あなた専用の老眼鏡」の違いです。
補聴器も集音器も
その人その人によって
使う「目的」があります。
「常時、使っていたい。」
「テレビを見る時だけでいい。」
「人が集まるような集会のときは必要。」
といった具合です。
集音器も限られた環境下や
一定の時間内だけで使用するのであれば
期待通りの性能を発揮することもあります。
ご自身の「目的」に合わせて
選ぶことが必要です。