春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ。
先週、ある音響メーカーさんが来店されました。
近くの九州大学の音響設備のため福岡に来られていたようですが、当店のホームページやこのブログをご覧になっていたようで、足を延ばして訪問してくださいました。
たまたま、こちらのメーカーさんの防音室(聴力測定室)を採用していたこともあって、何か縁ですかね。(笑)
補聴器も広い意味では、「音響機器」。
補聴器業界のことや、当店の「音場ルーム」についての有意義なアドバイスなども頂きました。
当店の告知や宣伝は、福岡県内に限定されていますが、改めてHPやブログなどインターネットの情報は、範囲が広いと実感しました!
さて、本日は「アナログ的フィッティング(その3)」です。
現在の補聴器は、90%以上がデジタル補聴器なので、周波数ごとの音質調整(利得調整)が可能となりました。
メーカーさんにもよりますが、チャンネル数(周波数ごとのイコライザー)が多チャンネル化しているので、微妙な周波数での利得を調整できます。
上図は、シーメンス社の8chタイプの補聴器の調整画面ですが、数字の部分の利得調整が、右側のイコライザーで加減します。
この多チャンネル化に伴うイコライザー調整で、全体的な音質を大きくイジることなく、微妙なハウリングや利得過多による響きの調整を行うわけです。
では、パソコン調整でなかった時代のフィッティングではどうやっていたかというと…。
『音響ダンパー』というものを使います。※耳かけ型補聴器のフック部分に取り付けます。
『音響ダンパー』とは、1,000Hz付近にできた補聴器の音響特性のピークをフィルターをかけて減衰します。
音響ダンパー各種
また、シーメンス社には『スターダンパー』というシリコン製のダンパーがあります。
※シリコン樹脂の断面が「☆型」になっているため
スターダンパー(シーメンス社製)
この「スターダンパー」は優れもので、長さや入れる位置を工夫すると、かなり細かい特性変化を調節できます。
いかにも補聴器屋さんの腕の見せ所といった具合です。
また、オーダーメード補聴器の場合は、レシーバー部分のチューブ口に「スポンジ」を挿入すると、高音が吸収されて「響く」音質をソフトにすることが可能です。
アナログ的(原始的)な調整方法ですが、微妙なさじ加減の調整で、補聴器使用者の方にとっては、大きな音質改善につながることがあります。
補聴器屋さんでは、パソコンソフトによる調整以外にも様々なフィッティングの創意工夫があるものです。
本日は以上です。
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