こんにちは。19期の遠藤孔仁です。
夕立ちという表現とは似つかわしくない豪雨が降ることも多く、帰宅時にハラハラしながら様子をうかがうことが多くなりました。
9月から11月の3か月予報ではしばらく暑い日が続くそうですが、ますます四季の移り変わりを楽しむことができなくなってきていますね。
さて、先週はお休みを頂きまして、家族旅行に出かけました。一番下の娘の2年越しの希望を叶えるために、USJを中心とした旅程としました。大学生の息子と高校生の娘も一緒に来てもらうために、それぞれの希望も取り入れ、実現することができました。USJ以外に行く場所も子供たちに任せていたこともあり、自分では普段行こうと思わない場所に行くことができて、新鮮な体験をすることができました。
往復の新幹線では、夏休みの課題図書として選んだ『いい子症候群の若者たち~先生、どうか皆の前でほめないで下さい~』を読みました。これは金沢大学教授の金間大介氏が自身の教育体験と研究を通して得た10代~20代の心理を研究データも踏まえて解説した本となります。
大学講義における若者たちの席の座り方を心理状況を踏まえて解説するところから入り、自身が担当するゼミ生の発言や行動からみられる心理状態からくる状況ごとの行動を解説したものとなります。前半は若者の行動特性を面白おかしく解説していますが、後半はそのような若者を作り出した要因も示唆しており、個人的に読み応えのあるものでした。
その中で、特に印象的だったのは、若者の社会貢献に対する意識でした。様々なメディアなどからみる若者像は、社会貢献に対する意識が高く、そのような活動に積極的であり、同じ印象を私自身も持っておりました。プロボノなどに参加した場でもそうした若者を見かけることもあり、個人的な実感としても同じような印象をもっておりました。
ところが、この本を読み進めていくと、社会貢献に関する章があり、そのスタンスが思っていたものと異なることに衝撃を受けたのです。仕事と異なり、社会貢献活動自体がボランティアの活動であるため、具体的な成果を求められる(追及される)ことがなく、相手の求めに応じて自分のできる範囲で対応することで感謝され、自分の自尊心を満たしてくれるからこの活動を選択しているというのです。
この話を読んだとき、SDGs教育などの成果により若者の社会貢献活動に対する意識が深まっていいるものと考えていましたが、それよりも大きな誘因として「自信のない自分が成果を求められず感謝される場」というものがあり、それ故に社会貢献という活動を選択している視点がもてました。
今回の経験を通して、当初その論理的妥当性があるとして信じていたものであっても、実態としては一側面を写したスナップショットであり、その実像を完全に反映していないこと、そして、何よりもきちんと自分の足と目で現場を見ることが必要であるということを改めて感じました。
試験や実務従事などの場では、現地・現物・現場を自分の目で見る必要があるという提言をしており、その重要性を理解したつもりでおりましたが、一次情報に触れることがないと本当の要因にたどり着くことが難しいし、ミスジャッジとなりかねないという三現主義の意義に改めて気が付くことができた体験でした。
実は自分のためにそれを求めた結果としての社会貢献だったとしても、それはwin-winでよいのでは、と思います。
物事は直接的に見えることと実態が異なる場合がありますので、まず1次情報に触れ、多面的に見ることが必要ですね。