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東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

お金の使い方に、その人の価値観が表れる

2025-05-25 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆さん、こんにちは。24期の今村信哉です。

今回は、「お金の使い方」について考える機会が続けてあったので、そのことについて書きたいと思います。
「投資・消費・浪費」といった一般的な分類とは異なる視点で整理してみました。

① どこにお金を張るか

先日、Facebookで「稼プロ!」のコスパが優れているという趣旨の投稿をしました。
どこに自分のリソース(時間とお金)を投じるべきか、という文脈での話です。

「コスパ」という言葉を使うと、「稼プロ!」の根幹である三意(誠意・熱意・創意)とは相反する印象を持たれるかもしれません。が、何事も決断の際には冷静な分析が必要です。特に、会社のお金の使い道を助言する中小企業診断士であれば、なおさらです。

ただし、これはあくまで決断のための思考プロセスです。
決断した後は、損得だけで動くテイカーの姿勢ではいけません。
「お金の使い方」には、決断後の姿勢や行動も問われるのだと思います。
選んだ道を正解にしていくという行動と思考も含めて、重要なのではないでしょうか。

② 誰かのためにお金を使う

先日、「人を大切にする経営研究会」で、アンシェーヌ藍というフレンチレストランに行く機会がありました。
料理はとても美味しく、ぜひおすすめしたいお店です。
アンシェーヌ藍

このレストランの運営母体である社会福祉法人藍では、「ファクトリー藍」として藍染商品などを製作・販売しています。アンシェーヌ藍でも一部商品が販売されており、食事前にTシャツを一枚購入しました。

藍染をご存じない方のために簡単に説明すると、日本古来の染色方法で、植物の藍を使って染めます。ひとつひとつ仕上がりが異なり、作り手の想いやセンスが感じられるのが魅力です。

こうした商品を買うことは、単なる消費ではなく、誰かの想いや社会の取り組みに共感し、応援する「お金の使い方」だと感じました。
良い買い物ができたと思います。

③ お金の選択肢を見直す

また、最近、東京商工会議所の担当者から「経営セーフティ共済」の案内を受けました。
診断士の一次試験やFPの勉強で学んだはずなのに、この一年、すっかり忘れていました。小規模企業共済も同様です。NISAも、診断士試験の勉強をしていた無職時代にやめたままになっています。

実は、そうした将来の備えを後回しにして、車を買おうとしていました。(行動力やフットワークも自分の強みだと思い、それを体現したかったのです。今思えば、自分への言い訳ですね)

どの選択肢にも一長一短があり、要検討ですが、根本的な問題は「手元のキャッシュを正確に把握していなかった」こと。現実を直視してみると、実際に選べる選択肢は意外と限られていることに気付かされました。

 

一見、とりとめのない話のようですが、「お金の使い方」という視点で振り返ると、その人の価値観や生き方が如実に現れてくるように思います。

何が正解かはわかりませんし、その後の行動次第でもありますが、「生きたお金の使い方」「粋なお金の使い方」を心掛けていきたいものです。

そして、プロコンとして信頼を失わないようなお金の使い方を、これからも意識していきたいと思います。

 

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NPO法人におけるエンドゲーム

2025-05-24 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは。事務局(23期生)の曽我です。今回は、NPO法人に関する話題の中でも、「エンドゲーム」という考え方についてご紹介したいと思います。

私自身、NPO法人の支援に関心があり、勉強しているところですが、先日「NPO法人におけるエンドゲーム」という言葉を聞きました。まるで映画のタイトルのように壮大な印象を受け、意味が気になって調べてみました。

「エンドゲーム」とは、NPOが最終的に目指す“理想の終着点”を示す概念です。

つまり、「自分たちの存在が不要になるほど社会課題が解決された状態」を目標とする考え方です。Stanford Social Innovation Review Japan(SSIR-J)に日本語訳の論文が掲載されており、詳しく解説されています(https://ssir-j.org/endgame/)。また、令和5年度外務省NGO研究会の報告書では、6つのエンドゲームのタイプが次のように紹介されています。

①組織・事業規模の最大化(可能な限り活動をスケールすることでミッションを達成)
②レプリケーション(複製・再現:自分たちのプロダクトやモデルの有効性を実証したうえで、それを実行してくれる他の組織を見つけることで、ミッションを達成)
③行政施策への導入(介入策の有効性を実証し、行政に同様の介入を働きかけることでミッションを達成)
④オープンソース化(研究開発に投資し、新しいアイデアや介入策を生み出したり、改善・改良を加えたりする。アイデアや介入策の普及に努め、他組織にリソースを提供していくことでミッションを達成)
⑤商業化(自団体の非営利組織で実効性を実証したものを、市場の原理で普及させることでミッションを実現)
⑥実現可能ゴールの設定(期限付きや特定に実現可能なゴールを設定し、ゴール達成後に解散する)

私なりに解釈すると、⑥のゴールの実現、つまり「社会課題が解決され、組織が解散できる状態」が究極のゴールです。とはいえ、現実にはそこに至るのは簡単ではありません。そのため、

・自団体でスケールして課題を解決する(①)
・他者の力を借りて解決を目指す(②〜⑤)

という選択肢に分かれると考えられます。

他者に頼る場合でも、

②他のNPOや団体に委ねる
③行政に働きかける
④誰でも使える形で知見を公開する
⑤民間企業に委ねる

というように多様なアプローチがあるのです。

この考え方は非常に興味深いと感じました。民間企業の場合、利益の最大化と事業の継続が前提ですが、NPO法人の場合は「社会課題の解決」が目的です。そのため、自団体の活動に固執せず、社会にとって最善であれば、行政や企業に役割を引き継ぎ、自ら撤退・解散するという選択肢もありうるのです。

ここで、具体的な事例をご紹介します。

【事例1】認定NPO法人フローレンスの「おうち保育園」

2010年、フローレンスは待機児童問題の解決に向け、「おうち保育園」という小規模保育をスタートさせました。当時行政は一定規模以上がないと保育所を認めず、保育所に適した場所が少なく、保育所が不足しました。そこでフローレンスは小規模保育で実績を積み上げて行政に働きかけ、マンションの1室でも実施可能な保育所の制度化を実現しました。これは、「③行政施策への導入」の好例です。
さらに制度ができても実践ノウハウが不足していたため、「②レプリケーション」に取り組み、全国小規模保育協議会を立ち上げてノウハウを共有しました。
結果として、待機児童問題は今では地域差はありますが、「⑥実現可能ゴールの設定」、つまり問題解消への道も見えてきました。

【事例2】認定NPO法人フローレンスの訪問型病児保育

2005年にフローレンスは病気の子どもを家庭で保育する訪問型サービスを開始しました。これは保護者の「子どもが熱を出すと仕事を休まざるを得ない」という当時の悩みに応える画期的な取組でした。
ただ自団体だけの取り組みではインパクトが小さいので、「②レプリケーション」や「④オープンソース化」も試みましたが、なかなか広がらず、「①組織・事業規模の最大化」、つまり自団体での展開に注力した時期もありました。
最終的にはベビーシッター会社が利益が出るとみて参入し、「⑤商業化」によって普及が進み、今では広く知られるサービスとなっています。

NPO法人にとっての「エンドゲーム」という考え方、いかがだったでしょうか?この視点を持つNPO法人が増えることで、より多くの社会課題が持続的に解決されるのではないかと感じています。私も今後、NPO法人を支援する機会があれば、エンドゲームを意識した支援を心がけていきたいと思います。

 

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中小企業製造業の連携体制

2025-05-23 12:00:00 | 24期のブログリレー

こんにちは。24期生の山口です。

24期のブログリレーも今回を入れて、残り3回となりました。
この1年間、私はブログコンセプトとして、以下の3つを軸にしてきました。
・診断士として、やりたい領域のネタであること
・何らか知識向上につながりそうなもの
・実践に活かせそうなもの
今回は、「診断士として、やりたい領域のネタであること」を意識して、書かせて頂こうと思います。

24期の診断実習は、製造業でした。私は、製造業を中心に支援をしていきたいと考えているため、とても貴重な経験となりました。
今回の診断先に限らず、中小企業製造業の課題は、さまざまと推察します。技術があっても受注に結びつかなかったり、人的リソースが十分でなかったり、高齢化が進行していたり、財務面で苦労していたり、色々な厳しい状況の中、やりくりされている会社も多いのではと思います。

販路開拓や新規取引先開拓は、製造業に限らず、時間と労力はかなり掛かると思います。トップ営業に依存している会社は、トップの負担も大きく、目先の対応に追われ、成長戦略の立案・実行にまで手がまわっていない会社もあるのではないでしょうか。

昨今、大手製造業でも自前主義をやめ、他社と連携してビジネスを展開している企業も多いと思います。外部の技術やノウハウを活用し、新しい技術開発や新しい製品化・サービス化を実現するオープンイノベーションに取り組んでいる企業もあると思います。その一方、技術分野だけでなく、ビジネス分野でも他社との連携を行っているケースもあるようです。

京都に「試作ネット」という連携体があります。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
京都のものづくり企業50数社が参加し、ワンストップで試作をサポートする体制が整っています。2001年設立以来、相談実践は8000件にも上るとのことです。
仕組みとしては、依頼内容に応じて、参加企業の中から最適な企業を選定し、なんと2時間以内に見積りを返す仕組みが構築されているそうです。
(参照URL:https://kyoto-shisaku.com/)

多数の参加企業の中から、最適な企業をどのように選定しているのか、個人的に興味を持ちました。ネットの情報を見る限りでは、Webフォームから依頼すると、即座に当番企業の担当者にメールが配信され、その担当者が内容に応じて、企業を選定して連絡しているようです。さすがに完全自動化されているわけではなさそうでした。ただ、見積もり返信まで2時間とはしっかりした体制が取られていないとなかなか難しいだろうと思います。8000件の相談実績は、その証ではないかと感じました。

また、複雑な依頼内容については、当然、企業間で詰めの調整は行われ、コミュニケーションもしっかりとり、希望通りの試作品を短期間でできる仕組みは、スピードを重視している企業にとって、非常に有効ではなかと感じました。

一方、東京にも同様な仕組みが存在しないか気になり、調べてみたところ、1つの事例として、太田区にI-OTAという仕組みが目に留まりました。このI-OTAは、大田区、産業振興協会、民間システム企業、I-OTA合同会社の4社が連携して仕組みを構築し、2018年からスタートしたものだそうです。

大田区には、古くから多くの製造業事業所が集まり、「仲間まわし」といわれる中小製造業の連携体制があるそうです。この「仲間まわし」にデジタル技術を導入し、令和のデジタル受発注マッチングの仕組みとして再興したとのことです。
(参考URL:https://i-ota.jp/about/)

中小企業1社単独では、なかなかDX化を推進することは難しいと思います。I-OTAは、高度な技術、技能、経験などの現場力を備えた中小企業同士がこの連携体に参加し、お互いのリソースを補完し合うことを目的にしているということで、中小企業が共に成長して行ける機会が広がるのではと期待を感じました。

診断士として、中小企業の成長を支援していくにあたり、このような連携体ともうまく協業していくこともありかもしれないと感じました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

 

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事故の4要因

2025-05-22 12:00:00 | 24期のブログリレー

みなさん、こんにちは。稼プロ!柴田(23期)です。

私はある会社でチーフ・コンプライアンス・オフィサーを務めています。

大切な従業員を守る、という観点で労働安全も守備範囲です。

日本全体の2023年の労災事故死亡者数は755人で過去最少を記録しました。一方で、休業4日以上の死傷者数は約13.5万人と2020年以降増加傾向にあります。

原因は、少子高齢化による就労者の高齢化と外国人労働者の増加と言われています。高齢者はどうしても身体機能が低下しますし、外国人は指導・教育を含むコミュニケーションの難しさがあります。

安全への取り組みに魔法の杖はなく、現場が一つひとつの事故やヒヤリハット事例に真摯に向きあい、原因を追究して改善する地道な活動の積み重ねが求められます。

事故の原因究明では、トヨタの「なぜなぜ分析」が有名です。何故を5回繰り返して真因にたどり着くことを目指す素晴らしいものですが、使う側にも高度なレベルが求められます。

実際にやってみるとわかりますが5回はなかなか続かないものです。5回に拘りすぎて、最後は「会社の組織設計や人事制度、企業風土に問題があった」などという具体性に欠けた結論になり、却って再発防止の取り組みが遅れてしまったという話も耳にしたことがあります。

先日、中央労働災害防止協会が主催する労働安全セミナーを受講した際に、別のフレームワークを教わりましたのでシェアします。人、設備、作業、管理の4つの視点から事故の原因を探るというものです。

例を挙げてご説明します。

1.人間的要因

事故当時被災者の体調に問題はなかったか?

高齢等で身体機能の低下はなかったか?

2.設備的要因

作業で使用した機械・道具類に故障はなかったか?

安全停止装置等、ヒューマンエラー対策が装備されていたか?

3.作業的要因

日常的に行う通常作業だったのか?

作業が複雑等、作業内容そのものに問題がなかったか?

4.管理的要因

教育・訓練の不足

規程・マニュアル等の不備・不徹底

この4つの視点は、労災事故以外の原因究明にも応用できそうなフレームワークだと思いましたのでご紹介しました。ご参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

柴田純一

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「こち亀記念館」のマーケティング戦略

2025-05-21 12:00:00 | 24期のブログリレー

皆様、こんにちは。24期の森谷です。

お天気ニュースでは、全国に先駆け九州南部が梅雨入りしたとのこと。今年の梅雨は、降水量が多く、平均気温も高めで、蒸し暑い日が続きそうです。熱中症や食中毒にはくれぐれもご注意ください。

さて、私の地元・亀有に、今年3月「こち亀記念館」(以下、記念館)という観光施設がオープンしました。先週土曜日に初めて訪れてみたのですが、今回はその体験記とともに、記念館のマーケティング戦略を考察してみたいと思います。

■「こち亀記念館」とは

「こち亀」は、週刊少年ジャンプに長年掲載されていた国民的マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の略称です。亀有の派出所に勤務する破天荒な警察官・両さんこと両津勘吉が巻き起こす騒動を描いたドタバタコメディーは、多くの人に愛されています。

この記念館は、「両さんが自分の勤務する派出所の上に、勝手に自分の記念館を作り、自身を永久名誉館長に任命した」というユニークな設定で、来館者は大原部長の指示に従い、逃げた両さんを追いかけるように館内を巡るという、体験型の展示になっています。

■「こち亀記念館」体験記

館内に入ると、漫画で見た懐かしい複製原画や貴重なパネルが所狭しと展示されており、まさに「こち亀」ワールドを全身で堪能することができました。作者である秋本治先生が記念館オープンのお祝いに描き下ろした原画や、先生が他の漫画家から贈られた多数のサイン色紙の展示もあり、その貴重さに深く感動しました。

さらに、木魚を叩くリズムゲームや、大原部長の顔を完成させる福笑いといった、思わず夢中になる体験型ゲームも用意されています。中でも、両さんの独身寮の再現スペースは、生活感あふれる細部まで作り込まれており、時間を忘れて見入ってしまいました。

館内には、きらびやかな金色の御神輿や、亀有香取神社の法被・提灯などが展示された、亀有の歴史や魅力を伝える情報発信スペースもあり、作品と地域に対する作者の深い愛情を感じることができました。

■マーケティング戦略に必要な3つの要素

ここで話題を変え、最近読んだマーケティング関連の書籍をご紹介します。

・「森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像」(著者:中山玲子)

・「確率思考の戦略論 どうすれば売上が増えるのか」(著者:森岡毅、今西聖貴)

これらの書籍で紹介されている森岡毅氏は、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のV字回復に大きく貢献し、現在はコンサルティング会社「刀」の社長を務めています。書籍によると、森岡氏が提唱する「数学マーケティング」では、消費者が商品やサービスを選択するプロセスを分析した結果、マーケティング戦略の重要な要素は以下の3つに集約されるとのことです。

1.プレファランス(Preference:選好性):競合と比較した際の、商品やサービスの相対的な魅力度・好感度。

2.認知(Awareness):商品やサービスの存在がどれだけ消費者に知られているか。

3.配荷・距離(Availability & Distance):商品やサービスが消費者の手に届きやすいか、利用しやすい状況にあるか。観光施設であれば、アクセスしやすい場所にあるか。

「刀」では、これらの要素に基づいた需要予測システムを構築し、クライアント企業のマーケティング戦略に活用しているそうです。

■「こち亀記念館」のマーケティング戦略分析

それでは、上記の3つの視点から記念館のマーケティング戦略を分析してみましょう。

  1. プレファランス:

「こち亀」は連載終了後も、全201巻という圧倒的なボリュームと長年にわたる人気により、幅広い世代に根強いファンを持つ強力なIP(知的財産)です。このブランド力そのものが、他の観光施設と比較して高い来訪動機となり、強い選好性につながると考えられます。体験型の展示内容や、作者の貴重な原画展示などは、ファンの心を掴む独自の魅力といえます。

  1. 認知:

作品タイトルに具体的な地名である「亀有」が含まれていることは、作品と地域が深く結びついている証拠です。記念館が亀有に立地することで、「こち亀」ファンにとっては聖地巡礼のような特別な体験価値を提供することになり、広範な認知獲得に大きく貢献すると考えられます。

  1. 配荷・距離:

亀有駅は、複数の路線が乗り入れる北千住駅からわずか2駅というアクセスしやすい立地にあります。都心からのアクセスも比較的容易であり、遠方からの来訪者にとっても負担が少ないと言えます。さらに、記念館は亀有駅から徒歩3分という好立地に位置しており、交通の便の良さは大きなアドバンテージとなります。

以上の分析から、記念館は強力なプレファランス、作品タイトルによる高い認知度、そして駅近という良好な配荷・距離という3つの要素をバランス良く兼ね備えており、多くの来訪者を集める潜在能力を十分に持っていると考えられます。

今回の訪問を通して、記念館は単なる展示施設ではなく、「こち亀」という国民的コンテンツと亀有という地域を結びつけ、新たな観光需要を創出するマーケティング戦略が巧みに実行されていると感じました。

このブログを読んで「こち亀記念館」に興味を持たれた方は、ぜひ亀有まで足を運び、両さんの魅力あふれる世界観を体験してみてはいかがでしょうか。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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