特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その3・ 光速がいつもCとして観測されるカラクリ

2022-11-05 01:10:20 | 日記

さて前のページでは長さ1Cの腕の原点とX端の時刻が0.8秒ずれている、X端が0.8秒過去にある事を見ました。

そうしてこの0.8という数字はMM干渉計がX軸方向に進んでいる速度0.8Cでも出てくる数字です。

さてこれは偶然でしょうか?

ういき(英語版)によれば長さがLで移動速度がVである場合、棒の先端の時計の時刻のずれは以下の様に計算できる、とされています。(注1)

ずれ時間差ΔT=L*V/C^2

例題ではV=0.8C、L=Cでしたから

ずれ時間差ΔT=C*0.8C/C^2=0.8 となり、0.8秒ずれる事がここでも確認できます。


さてこの時にX軸方向に伸びた腕の長さはローレンツ短縮で本来の長さの60%に短くなるのでした。

それでこの時の状況をX軸を腕の長さ、Y軸をずれ時間差ΔTとしてプロットしますとその座標点は(0.6,0.8)となります。

但し腕の長さはC=1の単位系でY軸単位は秒です。

そうしますと

0.6^2+0.8^2=1

何のことはない、半径1の円周上にこの点はある事が分かります。

そうして1と言うのはX軸方向に伸びたMM干渉計の腕の長さでもあります。

つまり長さ1の棒が速度0.8Cで移動するとその長さは60%に短縮したように見えますが、実は時間軸方向に棒の先端が53.13度 原点を中心として回転しているのであって、腕の長さは本来の1のままなのです。(注2)

この回転した棒のX軸への射影が0.6であり、現在時刻でしか棒を観察できない我々の目には「棒の長さが60%に短縮したように見える」という次第であります。


こうして実はローレンツ短縮割合ΔLと棒の先端の時刻のずれ分ΔTが結びついている事が分かるのでありました。(注3)


注1:Special relativity : https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Special_relativity?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

Thomas rotation から以下一部訳出

『図4-2bでは、同じロッドが速度vで右に移動するロケットのフレームから観察されています。ロッドのフレーム内で同期しているロッドの左端と右端にある2つの時計を想像すると、同時性の相対性により、ロケットフレームの観測者はロッドの右端の時計を観測します(見えません)。時間的にLv/c ^ 2だけ前進し、それに応じてロッドが傾いているように観察されます。』

注2:X=0.6、Y=0.8 従ってATN(0.8/0.6)を求めればよく、ウルフラムによれば答えは53.13度となります。

実行アドレス : https://ja.wolframalpha.com/input?i=atn%280.8%2F0.6%29

注3:腕の長さをCとしてC=1の単位系を使えばローレンツ短縮割合ΔLと棒の先端の時刻のずれ分ΔT(秒)については

ΔL^2+ΔT^2=1 が常に成立している事になります。

ちなみにこの腕の長さの場合では移動速度を光速Cで割った値がそのまま棒の先端の過去方向への時刻のずれ分ΔT(秒)となります。


PS:相対論の事など 記事一覧


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