中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

友達の友達は友達か?・・・facebookの危うさ!

2011-10-07 22:15:02 | 私事
アップル社のスティーブ・ジョブズ氏死去のニュースが世界中を駆け巡っています。私が初めて、Macを買ったのは今から14年前のことでしょうか。理屈で動くはずの機械なのに、機嫌が悪くなったり、ちょっと不思議な感覚でした。通勤途中には、iPodで、大好きな周傑倫の曲ばかり聴いています。

そんな彼の名言で、「Stay hungry.Stay foolish.」が日本のメディアでも取り上げられていますが、これを「ハングリーであれ!馬鹿であれ!」と訳している論調に多く出会います。ちょっと違和感を感じます。Stayとは、留まる意味には違いないですが、これは、ハングリーでなくなっても、ハングリーの気持ちを忘れるな!馬鹿ではなく十分賢い人でも、馬鹿をやる気概も忘れるな!との意味だと私は解釈しました。ハングリー精神だけで仕事されたらたまったものではないですし、遊び心は別にして、馬鹿な人が増殖しては社会は進化しません。いずれにしても、彼が世の中に生み出したもの、それは「楽しむ」と言う本能にひたすら忠実なプロダクトだと思います。

マイクロソフトのビル・ゲイツは別格として、日本のメディアでも、facebook(以下fb)のマーク・ザッカーバーグや、日本代表として孫正義氏がジョブズ氏と比較されて登場します。が、ふと最近、友達から誘われて始めたfbについて、一抹の不安を感じました。mixiなるものが持て囃されて上場までしてしまったのはついこの前。fbは、実名でコミュニケーションできることが最大のメリット!とのことですが、ある日、うちの妻がポロっと言った言葉にハッとしました。「別に本当の友達なら、そんなの関係なく連絡するし、本当に連絡したければ何とかなるわよ」と・・・実際に、福島在住で震災以降に連絡が途絶えていた親友とも、最近ちゃんと連絡がとれたようです。ビジネス活用というのも怪しくて、良いものは継続的にヒットし、大したことなければ、それなりの範囲でしか広まらない・・・ロングテールとて同じことで、スモールビジネスの可能性がほんの少し広がった程度でしょう。

何よりも友達の友達がつながっていくわけですが、大事な友達を、知り合いレベルの人、さらにその先の「赤の他人」にまで知らしめる必要などないはずです。 fbの創始者は、優秀なハッカーだったようですが、そもそも政府や大企業がハッカーに投資をする国、その向こうにはサイバーテロをも可能にする頭脳が蓄積されているような気がします。中国は、自分の家の屋根まで覗けてしまうgoogleに始まり、fbにも規制をかけています。が、冷静に考えると、国防上、そして国家機密の観点から、そのような処置をとるのは、米国と拮抗する大国としては当たり前の戦略だと思います。fbは同窓会名簿を作成するのには便利な機能ですが、FBIやCIAにとっては、聞き込み、洗い出しの手間が省け、まさに標的のグループを一網打尽にしたり、洗脳したりすることも可能です。

痛く消極的で、新しい時代に完全に乗り遅れたような発言をしていますが、ジョブズ氏の生み出した価値と比べて、fbは本質が違うような気がするのは私だけでしょうか?なんだか胸騒ぎがします・・・