中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国における人材採用と教育の課題!

2011-01-24 19:20:17 | 中国
漢和塾・上海(現地法人)を設立したのは、2008年8月。いわゆる金融危機(金融テロ)が勃発する数ヶ月前のことです。銀座に漢和塾を設立してまだ3年目の時点での、中国への進出は、普通の方から見れば、時期尚早、無謀と呼ばれることもありましたが、結果的には、私にとっても、会社にとっても、そして私どもが研修をご提供する先の企業の方にとっても有益なことではなかったかと思われます。

小所帯で、資金に余裕があるわけでもない段階で、14万米ドルもの資本金をつぎ込むのは、かなり覚悟のいることでしたが、幸いにして、20%ルール(初期投資段階は資本金の2割、2年後に残金8割を払う)を利用して、まずは現地法人設立を実現できたのです。が、昨年の8月に、その2年後が来てしまい、10万米ドル以上の資金をつぎ込むことになったのですが、2年前のレート1$116円で計算していたものが、円高(ドル安)のおかげで86円で投資ができたのは運がよかったと思うようにしています。

そんな漢和塾・上海ですが、当初は中国語の研修を現地でも継続して可能なようにする!と言うのが設立理念でしたが、実際に自分自身も会社を設立してみて、痛切に思うのは、中国人の採用と教育の課題の多さです。

採用については、以前、J-Passでも触れましたが、ここ中国でも日本のできるスタッフを採用する日系企業は多いですが、実際には、母国語の能力や実際のスキルを見極めるのは至難の業です。さらには、日系企業の企業文化が特別とは思いませんが、組織で働く概念なども理解できる素養があるかどうかが難しいところです。

中国人採用におけるポイントを3つあげますと・・・

 ①日本語能力の良し悪しで判断しない!

 ②学歴に惑わされず、母国語の能力を見極める!

 ③中国人の採用担当者に全面的にはまかせない!

と言ったとことでしょうか?もちろん、他にも、日本の適正診断テストをそのまま訳して導入しないことだとか、面談の時に、嘘・誇張を見抜くことなどがありますが、まずは上記の3つは基本中の基本です。

また、中国人にマナー研修などを本社からスタッフが来て教育するケースがありますが、日本語のできる中国人でも、日本人から日本語でいくら作法を教わっても、腑に落ちなければ何の意味もありません。ここは、日本のことを理解、体感した中国人の、しかも憧れを持てるような人物から母国語の中国語で説明する必要があるでしょう。漢和塾・上海では、私も日々努力している事例を、現地総経理の方々と共有していきたいと思います。