中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

留学生・・・学歴のイメージと現実のギャップ!

2011-01-05 19:10:19 | 中国
私の卒業大学は、今はなき、大阪外国語大学です。2008年に国立大学の統合で、なんと大阪大学に吸収された形になりました。国立大学と言えば同じですが、やはり「阪大」と「大阪外大」では、偏差値、認知度、総合力で差異があるわけで、もう24年前に大阪外大を卒業した私が、現阪大です!とはおこがましくて言えません。ある学生団体の機関紙にOBとして紹介された時に、私が阪大OBになっていて、しかも私一人しか関西の大学は紹介されていない・・・そんなケースもありましたが、阪大のOBの方には、「失礼しました~」って感じです。

また、同じ大阪外国語大学でも、英語学科と私の専攻ポルトガル・ブラジル語学科では、受験段階の偏差値にも大きな差があります。国や言語で差別をしているわけではありませんが、やはり人気言語、実用言語などその時々の社会のニーズで競争率も変わり、合格ラインも変わってくるわけです。

ただ、そのような日本人の中での違いに比べると、留学生枠に関してはさらに学歴のイメージと現実のギャップは大きくなります。外国語大学の日本語学科を例にとれば、世界中から留学生が来るわけですが、彼らが国立大学とは言え、総合的な共通テストを受けるわけでもないですし、一部私立大学に至っては、お金の問題で入学の可否が決まる場合もあります。また、少子化の影響で、マンモス私立で中下位の大学は、積極的に中国人も含めた留学生獲得を推進していて、多少情報や資金的余裕がない中国の地方の苦学生が、奨学金制度を利用して、夢の日本に留学してくるケースもあります。いざ、入学してみると、日本人の間での偏差値はこんなに低いのかと後悔したところで時すでに遅し、就職活動をしてみると、外国人のハンディがある上に学歴ではねられる・・・・某有名大学に入った留学生より、実は彼らのほうが全然優秀だった・・・と言うことも多く見受けられます。

国士舘大学の21世紀アジア学部、最近はわかりませんが、2、3年前に卒業した中国人留学生の中には、非常に優秀な学生を多く見かけました。片や、面接に来た某有名大学の留学生が、基礎学力からして日本の大学の偏差値イメージにまったく及ばない・・・そのようなケースもあります。逆も真なりで、北京大学に入学できる中国人はごく一部のエリートですが、留学枠なら普通の高校からでもすぐに入れてしまいます。血のにじむような受験戦争をしている中国国内と、留学枠の事情は別次元なのです。

漢和塾で開発した、J-Pass(Japan Business Pass)=日系企業適応能力資格は、日本語力や、日本のビジネスマナーはもちろんですが、どちらかと言うと、中国語、中国の一般教養、文章力など、基礎学力が露呈される項目を中心にチェックをする適正試験です。学歴のイメージと、上手な日本語に惑わされる前に、まずは留学生の母国語での実力、偏差値をしっかり見極める・・・優秀な留学生がいます!と登録だけして売り込みにくる人材紹介会社を信用する前に、人事の担当者が理解しておくべきことがあります。是非、ご相談ください!