中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

適正診断テストの英語・中国語版・・・ちょっとその前に!

2011-01-17 19:16:29 | 中国
今朝の新聞でしたか?適正診断テストの英語・中国語版を開発して、言語が違っても同じように適正がわかるテストが可能になるとの記事が載せられていました。確かに、現在は日本での留学生の採用ニーズも高まり、中国現地でも、中国人の採用には皆さん頭を悩ませているところ・・・一見、有益な情報に思えるでしょう。

しかし、久々にちょっとその前にです。先日は戦わないこと、磨くことと言うコメントをして、他の人のすることを批判してきたことに反省したばかりですが、やはり大新聞、大企業とは言え、明らかに問題のあることには意見しないわけにはいきません。もちろん、このブログでは数百名の方にしか届かないわけで、自己満足もいいところですが、経験から話せる分析ですので是非言わせてください。

私どもの会社、漢和塾では、私以外は全員中国人です。社員はもとより、講師も含めると、1,000人以上の採用テスト、面接をしてまいりました。以前にも、学歴、日本語能力だけでは判断してはいけないとコメントしたように、できる限り、彼らの実力を客観化できる仕組みは必要だと思い実践してきました。また、適正診断についても眼力に頼らずにできないものかと、私の前職出身者が提案してきた適正診断を弊社中国人向けに実施したのは、もう5年も前のことでした。

結果はびっくり。診断テストの担当者が出してくれた分析によると、弊社の管理職候補で採用した中国人の回答は、何一つ信頼できるものではなく、平たくいうと「嘘つき」です!と言うものでした。さすがに青くなって、中国人社員を呼び出して、いくつかの設問に関してどのように答えたのかを問うと、ある重要なことがわかりました。それは、適正試験を受ける以前の考え方、心構えの前提がずれていることです。例えば、何事にも積極的でスピードがある!と言うところを長所にあげたなら、多少、急ぎすぎる嫌いがある!と言う設問にも肯定はするでしょう。彼女の答えは、長所的なものには肯定を、短所になるかも知れないことはすべて否定したものですから、矛盾だらけ、何の信憑性もないデータになったのです。

考えてみれば、自分が試されるかも知れないテスト、あるいは本来テストと言われるものについて、「できない」「できないかも知れない」と言う答えは存在していない可能性があります。日本人ならではの感性で、多少素直に答えようとする心理を分析してつくられたテストを、単純に言語だけ変更してもあまり参考にならない。同じような設問を、何千、何万と分析してこそ、また新たな適正診断テストが開発される日も来るでしょうが・・・

当面は、感性を磨きながらも、質問のパターンを開発する・・・地道な作業を数多くこなすことかも知れません。