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大人虎変 > 君子豹変 > 小人革面 大人虎変 > 君子豹変 > 小人革面 は、『周易』の第49卦 の 解説 に登場する言葉だが、このことばは一般的には、 「過則勿憚改」(あやまてば、すなわち、あらたむるにはばかるなかれ) の意味で使われることが多いようだ。 子曰:「君子不重則不威。學則不固。主忠信。無友不如己者。過則勿憚改。」 (君子、重からざれば、すなわち威あらず。学べば、すなわち固ならず。忠信を主とせよ。己に如かざる者を友とする無かれ。過ちてはすなわち改むるに憚るなかれ。) とあるように、「まちがったら、わるびれずに、いさぎよく改めろ」というほどの意味で使われる。 もっともあざやかに変わるのが「虎変」、「虎変」ほどではないがみごとに変わるのが「豹変」。 これに対して、「つまらない人間」(というけど、ごく普通の人 -- 小人)は、ちょっと顔色を変えるだけで、何も改めようとしないものだ。 ・・・ などと解釈されている。 けれども、『周易』を見るかぎり、そのような解釈はない。ただ「小人は、君主に従順にしたがうということだ」と記述されているにすぎない。君主がかわれば、次の君主にも素直に従うことと解釈すべきではなかろうか。まあ、人民はしたたかだから、いつの時代も「従順」に見せかけて、「うわべ」だけで服従してきたのかもしれない。 また、為政者の側から言えば、「民は依らしむべし。知らしむべからず」 であり、「民」は無知蒙昧なので、為政者が代わっても、その都度その都度、すぐにてなずけることができる ・・・ ということではないか。 それはさておき、「豹変」 という言葉は、いつの間にか悪い意味に使われるようになってしまった。今まで行ってきたこと、言ってきたことをケロリと忘れて変節する。 今まで与党としてさんざんなことをしてきて、野党になったとたん、自分たちが行ってきた結果である現状を批判するなんて・・・。昨日言っていたことと違うじゃないか。図々しくも豹変したな。 ・・・などという時に使う。 しかし、それは本当の使い方ではない。 「誠意をもって天命を改めれば吉」 という、すなわち 「改革を断行しよう!」 という意味にもとれる、 革 (澤火革)たくかかく 離下兌上 の卦の解説なのでした。 |
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