博報堂発行の雑誌「広告」。定期購読するほどではないけれど、書店で見つければ必ず手に取り、たびたび買って読んできた。
「広告」という名前だけど、広告に関する記事はほとんどなく、よい意味で浮世離れしたカルチャー雑誌というか、昔ベネトンが出していた「COLORS」みたいな感じだった。
だった、と書いたのは、「20172月号」から制作陣と内容がフルリニューアルされ(リニューアル自体は過去何度かあった)、全く別のテイストになったからだ。巻頭に謳われたコンセプトにはこうある。
正直に言おう。
わたしたちは雑誌づくりの経験を持たないズブの素人集団である。
本業は、広告ビジネスに携わるアドマン。
お得意様の課題を解決して世の中に発信する広告ビジネスの特性上、わたしたちは一人称で語ることに慣れていない。
だからこそ、あえて「一人称」で、自分の体験を自分の言葉で伝える雑誌づくりを目指そう。
雑誌を通して伝えたいテーマは「天然知能の底力」…なんのこっちゃ、である。
わからない。わからないから、探しにいく。
『広告』からいちばん遠い世界へ。
いざ、冒険の旅へ出航!
ということで連ねられた記事は、「自分の体験を自分の言葉で伝える」つくりにはなっているが、表紙から察せられるとおり「学生のミニコミ誌」みたいな熱と勢いとノリになっていた。読ませる文章だけど、そこから考えさせられることがないというか、一読した後とりあえずソファテーブルに置いて、とはならず、すぐ古紙袋に入れてしまう読後感というか。
昔に比べてだいぶ安くなったのはその辺を作り手が意識しているからか、どうなのか。
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“昔ベネトンが出していた「COLORS」”と書いたけれど、「COLORS」は今でもイタリアから発行されている。
http://www.colorsmagazine.com/
ただ、日本語版がなくなって久しいようだ。
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「騎士団長殺し」が再配達手続きを経てようやく手元に届いた。
明日から没頭だぜ!(今日は子供の相手)