東北ナメんな！

「そりゃ無謀だ！」
お世話になっている店長さんに一昨日お伺いした際そう言われてしまったのは
まあ仕方ないってほど
今回の東北出張はすさまじいルートで回っている。

まずは北海道で一週間過ごし函館から弘前に入り、また青森へ戻り
そこから秋田、酒田、鶴岡を回って山形市内入り。
昨日は山形で2店舗回って夕方郡山に入り、夜のうちに岩手は盛岡へ移動。
そして今日は盛岡→北上ときてそこから石巻へ。仙台から夜に福島入り。
明日は福島回って夜にいわきへ移動し
日曜日にいわき、水戸を回って夜に東京へと戻る。
このルートを全て公共交通機関を利用して回るのである。

僕からしたら慣れっこの当たり前になっているが
車社会山形在中店長さんからしたら「絶対嫌！」ありえんとのことだった。
すっごくよくわかる。そう、こんなややこしいルートありえんのだ。
とにかく時間がすごい。
店長さん曰くの
「列車での酒田から山形ってだけで立派な一日旅行になっちまう。
途中乗り継ぎ駅は列車を必ず1、2時間待たなきゃならんし
その時間を利用してどこか営業回ろうにも
仕事になる店がある町は無ぇし。
スゲー効率わるいべ！」である。
ホントその通りである。東北ナメんな！である。

「東京の人は、例えば秋田から山形なんてすぐだろうと思ってるからよ。
軽く考えて来て痛い目にあうんだ。
新潟から山形なんて軽く行けるなんてよ、よぐ言えたもんなのよ。
その距離からしたらほれとんでもなくなげーから」
むかしむかし、当社先代社長が
東北だろうがなんだろうが1日で複数県は回れ！新潟から山形に入れ！
と言っていた話をした時の店長さんの反応である。
「それをやっちまうキミもキミ。
出来なきゃそれ以上言われないのに、やっちゃうんだもんな～」
確かに。無理難題言われたら絶対やったる！と、やりとげてしまうのが僕である。

「大阪人のうちの社長はレベル違いますよ。
東北のそれぞれの県の距離感うんぬんつうか
そもそも関東の次は北海道て
東北はひとくくり、東北県、でまとめて考えられて
っちゅうか、ほとんど無いものとみなしたりしてますから…」
それを言ったら店長さん
「ったくよー」と爆笑しておられたのを今でもはっきり覚えている。

レンタカーを借りればいいのだが
仕事中なにか事故を“起こして”しまったら
会社に大きな迷惑をかけてしまう。
公共交通機関なら例え事故にまきこまれても交通機関の責任だ。
時間もよめていい部分もある。予定が組みやすい。

「しっかしとんでもねぇ長距離間の移動で経費もスゲーだろうに」と店長さん。
今回は仕方なかった。全ての予定は先方あわせだ。
ホントは青森から八戸経由で盛岡と進みたかったが仕方ない。
そしたら台風が太平洋側を通過。僕は日本海側にいたからツイていたわけだ。
経費もまあ、どのルートでもかかるっちゃかかる。
ただ、まあ確かに強行っちゃ強行
かなり強行スケジュールである事に間違いはない。
“落ち着きのないスケジュール”だと我ながら思っている。

先週いた北海道では今や雪。今日行った盛岡は初霜が観測された。
結局短パンで駆け巡った今回の出張も
短パンのまんま、あと二日で終わろうとしている。

東北ではいつも駆け足だ。
ギリギリのスケジュールで
列車に乗れなきゃアウト、乗れたらバンザイ
一か八かのかけの連続でもある。
だからかえって商談が貴重さを増すし
営業としての効率の良い時間の使い方が学べる。

僕が帰ったあと
東北は寒さが増してゆくだろう。

めけめけ～。

写真。石巻線のマンガ列車。