壊れかけのスイッチ。

昨晩は楽しい夜だったのに、悔いがのこる夜でもあった。
当ブログでもお世話になっている店長さんと、店長さんのご友人トメさんと
山形の夜をヤイヤイ満喫したのである。
山形県人のおふたり。土地のお話含め、濃い話題てんこ盛りで
かなり楽しい食事会が催された。
なのに僕ときたら、仕事の事など気掛かり＆引きずり
完全テンションスイッチOFF気味となり
話にぐいぐい食い込めず、聞きに徹するので精一杯となっちまった。
多少なりとも気をつかわせてしまったろうなと悔やんでいる。
が、良い勉強になった！
勉強？なにを？
仕事と遊びは“分けて考えるなんて野暮”だということをだ。
それと、僕の無知っぷりをあらためて知る良い機会でもあったり
実際近い将来の町作りというものに対する考えが自分は中途半端だった
ということにも気付かせていただけた。
ざっくばらんな座談食事会でも、時にしてざっくばらんになれない
ろくなことが言えないほどにスイッチをコントロールできない自分。
まだまだまだまだお子様で、まだまだまだまだ勉強が足りないなとマジで感じた。
それはある意味、今の自分にとっては良かったことだろう。
身の丈を知り、また今日から成長に勤しむ！
店長さん、トメさん、お世話になりました。と、個人的お礼をば。

そんなわけで昨晩は串揚げ屋さんでお食事をした。
このお店がうまいのなんのだった！
コースで頼んでいただいた。
子持ち昆布の串揚げからはじまり、最後のほたての串揚げまで絶品だった。
全てぜいたくの極みて感じだった。
あんな串揚げ食べたのははじめてだ。
「素材の旨みを活かした」とよく聞くフレーズがあるがまさにそれ！である。
活かされ尽くされていた。うますぎた。
山形の地酒の利き酒もさせていただいた。
水がうまけりゃ米もうめぇし、そりゃ酒も抜群である。
うめぇうめぇと、ぐいぐいいってしまう。

お話は全てが楽しいものだった。
今の世代と未来のこの国と町をとりかこむ周辺のお話がとても興味深かった。
原発の問題、若者の意欲の問題、そして国の税収と高齢化の問題
僕の会社が来年から立ち上げる事業と関係のある話だっただけに
お聞きしていてとても参考になったし刺激にもなった。
それと即身仏のお話。
修行僧のミイラて単純なものでなく
自らミイラになるべくして、なろうとしてなった修行僧が即身仏だという事。
誰でもがなれたわけではない。
選ばれし僧の、その中でも強靭なる精神の者
というより我々の想像をはるかにこえた精神の修行僧だけがなり得る。
食を変え、制限してゆきながら、最後は自らの身体に蝋と漆を飲入れる。
きれいな即身仏となるためにだ。
大体が途中で息絶えるか狂ってしまうようだ。
最後に鐘を鳴らし続けながら絶えてゆく。
修行僧から仏となる瞬間である。
即身仏の話題を持ち出したのは僕。おふたりにお話を聞いて絶句である。
テンションのスイッチ云々言ってる自分がくそみそに思える。
いや、くそとみそとにも失礼なくらいだ。
ああ、僕も修行せねば。超越したい！なにを!?

串揚げ屋さんの後、二次会で漬物屋さんが営む料亭へ行った。
昨晩まで山形で、山形ドキュメンタリー映画祭が催されていた。
世界三大ドキュメンタリー映画祭のひとつである。
普段は高級料亭であるが
映画祭の打ち上げ会場という体で、そのお店が開放されていた。
入り口で500円支払う。つまみとお酒を手に店内へ。
漬物やうどんやおむすびや芋煮やが無料で食べ放題だった。
こちらの店主さんの心意気で
映画祭に参加した世界の方々や若者らの交流の場を築いてくださったわけだ。
そして我々は、まちょっとそれにあやかったというわけである。
建物が素晴らしかった。
このような会場、僕が仕事をはじめる前だったら
こんな“ご馳走”ないくらい嬉しいふれあいの場なんだろうなと
今その場にいながら昔を懐かしんでしまった。
今ノらなきゃいつノるのよ！もう！
なんだか悪い自分がにょきにょきと顔を出しまくってしまう、そんな夜だ。
自分て嫌だな～とつくづく思ってしまった。

全ては見事に素晴らしい山形の夜だった。
受け手の身の丈が至らなかったばかりだ。
修行をつみ、次回はスイッチをONにして臨みたし。

あ、冒頭写真！
店長さんのお店に商談に伺った際
テーブルの上に置かれてあったキモい果物である。
「なんか分かんねーけんども、もらった果物だ。
やるから食え。大丈夫、食えっからよぉ、
なんて知り合いからもらったんだけど、なんだかなぁ」と店長さんは言う。
爆笑して写メらせていただいた。
食えるけど、名も知らぬ、意味も分からぬもの。
ニュアンス的に、今の自分を果物に見たような気がした。
なんだこれ(笑)

めけめけ～。

写真。果物。