はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

床屋で話す話じゃない。

2012年06月04日 17時30分39秒 | 出張中の日常シリーズ
最寄り駅のホームで
“朝専用”とかいうコンセプトの缶コーヒーを飲みながら始発電車を待つ。
少し早く着きすぎた。
何となくウロウロしてみる。
駅通路にオウム指名手配犯のポスターが貼られているのを見つけた。
菊地直子の手配写真はまだ消されずそのまま。
昨晩のニュースではこの逮捕、突然の事で報道されていたが
やっぱり少し遅すぎる。
今、世で活躍する若者はオウム事件を知らない人が多い。
時は知らん顔で流れてゆく。
やがて僕らの知り得ぬ時代になって
今の僕らには想像もつかない事件が起こり続けてしまうのだろう。
そうならない事を願いつつ、丸坊主の頭をさする。

早朝、涼しい空気を感じやすくなっているのは刈りたての頭のせいだ。
今日からの九州出張に備え昨日床屋へ行ってきた。
じき九州は梅雨入りするだろう。
連日じめじめと暑いようだ。
ぼーぼーヘアをどうにかせんと、っちゅうタイミングに
九州出張は好都合だったわけだ。

床屋のおばちゃんとの会話はハゲの話題でスタートした。
僕は頭髪にゃまったく無頓着なやつである。
眉毛のぼーぼーや鼻毛のぼーぼーにはよほど神経質に気にするくせに
髪はほったらかし。
なにもせず生やしっぱで、そいつを押さえる為に帽子をかぶる。

ヘアスタイルはしょーじきどうだっていい派だ。
いっそハゲてくれた方がまし。
ツルッツルになってしまえばいい。
そんな事を言う僕を
「頭髪で真剣に悩んでいる人もいるんだから」
とおばちゃんはやんわり一喝した。

成る程、その通りである。
人それぞれ違う部分にコンプレックスを持って
この怒涛の現代社会を生きているのである。
僕だって、髪の毛は手放せても帽子とメガネは手放せない。
この2アイテムを取られてしまったら、自分の貧相な顔が露骨にあらわとなり
もう耐えきれんほどマヌケになると勝手に思い込んでいるからだ。
実際はお前の事など誰も気にしちゃいないし見ちゃいない。
ほれ、眼鏡とったら裸眼で視力0.01以下じゃん。
お前が気にする周囲の目なんてボヤけて見えないから好都合じゃん。
かえって無い方がいいんじゃねぇか?
なんて自分で自分をバカにしてみたり。

そう、例えば社内で地位が高けりゃ高い人なりに
ハゲという単純なものにとらわれて悩んだりする。
若い部下たちの目や女性社員の目が気になるのかもしれない。
部下たちはそんな部分より、上司の仕事っぷりや人柄を見ているのだ。
頭は見ていない。
上司を糞だと思ってしまった瞬間から頭を見てしまうのである。

しかし、人はそんなに強くない。
ハゲだと自分に自信が持てず
頭に毛があるだけで凄く前向きに生きられたりする。
アデランスのCMのように、家族やその友人の前で胸をはって生きられる。
単純と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが
きっかけは重要
いいや人は繊細な生き物なのである。

「ハゲで悩んで自殺する人もいるのよ」とおばちゃん。
確かに、よく聞く話だ。
ハゲ云々というより抱えたコンプレックスの繊細な部分を刺激され
傷ついて絶望し命を絶つ人がいる。
て事は当然絶たせる人もいる。
いつの時代も人は残酷である。

そんな話が、いつの間にか景気の話題に流れつく。
今、雇用が激減している。
雇用が減れば単純に家庭ごとの所得が減るわけだからお金が回らなくなる。
回っていない状態から国の収入を増やそうなんて無茶である。
しかし、世の中こうなっちゃ~企業も無駄に人材を増やすわけにはいかない。
需要と供給の今のバランスからいったら減らす事も考えなければならない。
益々景気は悪化する。
国の早急な対策が必要だが
この負のメリーゴーラウンドからはそう易々と抜け出せやしないだろう。

みんなが頭を抱えている中、多くの若者は就職難で命を絶つ。
「ホントかわいそう」おばちゃんは言う。
企業に断られ続けているうちに
人として自分を否定されているのと勘違いしていっちゃうのよね。

今、国も会社も世の中全てが「考え中、先送り、口ばっかし」と
まるで夏休みの宿題を怠ける小学生みたいな状態にあると思う。
色々な事が怖くて、誰もが責任とりたくなくて、時に他人のせいにしたくて
思い切った行動が出来なくなっているのだ。
「全て仕方ないことなのよねぇ」
そう、床屋のおばちゃんは言っていた。

自らの命を絶ってしまう、思い切りの方向性をかえたら
何かを動かすことは出来たのかもしれない。

「考えている間にも、時間は確実に
どんどん過ぎてゆくんですよ。おばちゃん」
なんて思わず言っちゃったもんだから
床屋のおばちゃんにドン引きされちゃった。

そこらでちょうど
僕の頭は丸坊主となる。

初日の鹿児島は曇り。
雨は降らねど火山灰は降っていた?
僕は相変わらずメガネと帽子で身をかため
ただ前へ前へと相変わらずのスピードで早歩くのである。

九州出張が始まった。

めけめけ~。

写真。鹿児島空港にて。