時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

嘘を愛する女

2018-07-23 | 映画
大手食品メーカーに勤める
川原由加利は
研究医で優しい恋人
小出桔平と
同棲5年目を迎えていた
ある日
桔平が
くも膜下出血で倒れ
意識不明になると
彼の職業はおろか
名前すら
すべてが
偽りのものだったことが
判明する
あなたはいったい誰?

桔平の
本当の姿を知ろうと
由加利は
探偵の海原匠に
捜査を依頼
すると
彼が隠し持っていた
パソコンに
原稿用紙で
750枚にも及ぶ
小説を見つける
そこでは
誰かの故郷に触れながら
‘僕’‘祐子’
そして
‘雄太’の3人が登場する
幸せな家庭の日常が
綴られていた

由加利は
唯一の手がかりとなる
桔平の書きかけの小説を携え
彼の正体を探るべく
一路
瀬戸内へと向かった
彼はなぜ素性を隠し
彼女を騙していたのか
すべてを失った果てに知る
真実の愛とは

もうひとつのラストに涙する
小説版「嘘愛」



原作を読んだあと
DVD発売されたら買おう!
と決めていました
迷うことなく
DVD買ったの
久しぶりです

文字で醸し出された
「嘘を愛する女」の世界観が
限られた時間で
映像化されるとなると
かなり
はしょると言うか
描かれない
部分あるだろうし
正直
レベルは下がる
それは
納得済みでの
DVD購入

それでも
購入を決意したのは
小出桔平役が
高橋一生さん
だったから
でございます


硬派も堅物もよいけれど
おちゃらけ的な
いい加減なキャラも良いけれど
心に受けた
大きな傷を負いながら
それでもなお
由加利に寄り添い
生きている
優しい謎の男
小出桔平役
やっぱり良いわ~~
TVでは
やらない役かも

小出桔平として
第二の人生は
これまでとは逆の立場
桔平にとって
由加利と言う女性は
かつての自分を
彷彿させるキャラ
そして
桔平は
妻・安田万里子のような立場

もしかして
桔平は
贖罪のような思いで
由加利と
暮らしているんだろうか
と思ったりもしました
でも
違いました

桔平が書いた
小説の一説がそれを
語っています



その道を
僕は一人で歩いていた
目を伏せて
自分の足元だけを見つめて
だけど君は
そんな僕のずるさや傲慢さを
軽々と飛び越えて
僕の手を取った
くしゃっと笑った目元
寄せた保保の柔らかさ
その手を
僕はもう話したくないと願った

思ったのではなく
切実に
願っているのです

もし許されるのなら
もう一度 
前を向いて
歩いてもいいのなら
この先の日々を
君と重ねていきたい

僕が君を呼び
君が僕を呼ぶ
二人の声が
いつも
そばにあるように



広島から
すっ飛んで戻った
由加利は
病室でひとり
桔平に語りかけます
…きっちゃん私ね
浮気したことある
前に
微妙にぎこちなかった時
あったでしょ?
何か不安で…
きっちゃんと
ちゃんと話せばよかったよね
私も嘘ついてた…
きっちゃんは
どうして私といてくれなのかな
私なんて
仕事ばっかりしてて
自分のことしか考えてなくて
きっちゃんに甘えてばっかりで
いつもほったらかしにして
ごめんね
きっちゃんとしたいこと
10個考えた
温泉行きたい
一緒にヨガをする
子供2人欲しい
上は女の子で下は男の子…
きっちゃん
私きっちゃんと
話したいことたくさんあるよ
お願い
起きて!

季節は春
桔平の髭を剃り終えた由加利が
病室の窓から見える
桜を眺めながらつぶやきます

島の桜も咲いたかなぁ
きれいだろうね
きっと

その時
眠リ続ける桔平に変化が

きっちゃん! きっちゃん!?
きっちゃん…
おかえり


薄眼を開けた
桔平が
一筋の涙を流します



桔平は
戻ってきました
この先
どんなことが
二人を待ち受けているのか
それはわかりません
でも
幸せであって欲しい
そう願わずには
いられない
映画でございました

江国香織女史と
辻仁成氏が
交互連載の形をとりながら書き上げた
「冷静と情熱のあいだ」
と言う作品があります
2001年に
映画化もされました
主人公
阿形順正とあおいの
出会い別れそして
再開するまでの10年を
それぞれの視線で
描いた小説なんですけど
今回の
「嘘を愛する女」を読んでいて
桔平の視線から描いたバージョンも
読んでみたいなぁ~と
思ったりもしました

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