時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

居眠り磐音 江戸双紙46 ~弓張ノ月~31

2014-07-19 | 読書
天明四年(1784)弥生二十四日未明
麹町の
佐野善左衛門邸を見張る霧子は
屋敷内の
不穏な気配に胸騒ぎを覚えていた
意を決し
邸内に潜入した霧子は
佐野善左衛門が
陸奥白河藩・松平定信に借り受けた
粟田口一竿子忠綱を携え
登城することを耳にする
小梅村に舞い戻った霧子から
報告を受けた坂崎磐音は
急遽
奏者番速水左近への書状を認め
霧子に託すが…



佐野善左衛門はもとより
田沼意次も
嫡子・意知も
実在の人物なわけで
江戸城中での
善左衛門による
刃傷沙汰も
これまた事実
となりますれば
歴史に則ったストーリー展開も
これまた当然の事
嫡子・意知の死後
田沼意次にも
盛者必衰の兆しが…

史実では
天明七年(1787)
10代将軍家治の死後
御三家のひとつ
一橋家から養子に入った
徳川家斉が
11代将軍に就任し
老中の地位を
陸奥白河藩・松平定信に
譲る事となります

と言う事は
長年の因縁であった
意次vs坂崎磐音の
落ちは
一体どうなるのでありましょうや…
なのですよ

時代が
意次を抹殺
坂崎磐音
戦わずして勝つ!?
佐野善左衛門の暴挙により
長きに渡る
「居眠り磐音江戸双紙」シリーズの本流が
あっけなく
流れを変えてしまった感が…

坂崎磐音が
悟りの境地に達し
松平辰平と
博多の大豪商
箱崎屋次郎平の末娘・杏
重富利次郎とて
元雑賀衆のくノ一・霧
二組の祝言話を
早めると共に
辰平の
筑前福岡藩仕官
利次郎の
豊後関前藩仕官が
早まる様相を
呈して参りました

豊前関前藩でも
世代交代の兆しがございます
磐音の父いして
関前藩家老・正睦は
普請奉行・米内作左衛門を
江戸勤番に変更し
江戸藩内の藩物産組頭
中居半蔵の後継として育てるようです
っと言う事は
自身の後継に
中居半蔵を考えている?
井筒家から養子に入った
遼次郎は
坂崎家は継げても
正睦の職までは
流石に無理ですからね~

個人的には
何処かで
意次と磐音
二人だけの
直接対決(対峙)は
ある気がします
剣の勝負ではなく
話をするシーンです

桜の舞い散る春の頃
時代がどんなに変わろうと
剣術を純粋に
究めようとする者たちが集まり
延期になっていた
「尚武館改築祝い 大名諸家対抗戦」が
名を変え行われる
そこには
これまでに登場した
磐音と縁のある人物が
一堂に会し
その光景を
少し離れた場所から
眺めている磐音
その姿はまるで
縁側で日向ぼっこをして
居眠りしている年寄り猫のように…

そんな落ちも
いいなぁ~

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