時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

風が強く吹いている 38

2011-12-29 | 読書
箱根駅伝を走りたい
そんな清瀬灰二の想いが
天才ランナー蔵原走と出会って動き出す

「駅伝」って何?
走るってどういうことなんだ?

10人の個性あふれるメンバーが
長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む
自分の限界に挑戦し
ゴールを目指して襷を繋ぐことで
仲間と繋がっていく…

風を感じて 走れ!
「速く」ではなく「強く」


原作あったんですね…
今頃読みました

車内で読み終わったんですが
堪えるの結構大変でした

通称「アオタケ」こと竹青荘に
何の因果か集う10人の若者が
箱根駅伝を完走するまでの一年を描いた作品です
10人それぞれが抱える
悩み・苦悩・バックボーンを語りながら
それが決して邪魔にならない!
ストーリーが脱線することなく実に上手く
本筋を支えているのであります

ズブの素人が
一年満たない短期間で箱根を走破できるとは
しかも
シード権獲得まで出来るなんて
現実にはあり得ない話
小説だから描けるノンフィクション

灰二や走
六道大学の藤岡一真
‘走’に対する態度が余りに美しい過ぎる

「風が強く吹いている」の中で
三浦しをんが描いた世界は
余りにも‘清く正しくそして美しい’

一見
建前論
理想論

一掃してしまう人もいるかもしれない

でも
確かにあるんですよ
一瞬のきらめきってヤツは…

走った者だけしか
感じられない世界が!

寛政大学陸上部が
箱根駅伝に挑戦するのは第9章&10章です
ひとりひとりの言葉が想いが
実に良く
しかも丁寧に描かれていて
素晴らしい
も~涙腺緩みっぱなし

ラストの興奮冷めやらぬまま
エピローグへと続きます

エピローグは
アオタケ荘のメンバーが箱根に挑んでから
3年が経過していました
走は
卒業を控えた4年生

箱根駅伝の後
4年生が卒業してしまったハズで
翌年の箱根駅伝
どうしたんでしょうね…
その辺りは
一切語られておりません

ただ
竹青荘は取り壊され
陸上部のための寮が立てられることになったらしい
と言うことは
そこそこ相変わらず陸上部は存続し
なんとか頑張っていると言うことか!?

しかし
清瀬灰二と蔵原走
運命的な出会いをしてしまった
このふたりの関係は
その後どうなっているのだろう…

袂を分かち
切磋琢磨するハズはない!
それは
絶対有り得ない!
離れちゃ~いかん!
死ぬまで一緒にいて欲しい!
いや
一生一緒にいて!!

と心配していたら
新一年生曰く
走は
灰二がコーチをしていると言う
新設のチーム(実業団?)に進むらしい

‘している’…
卒業後
灰二はコーチと言う道を選んだ?
いつからコーチ?

それじゃ~
走の2年生から4年生までの3年間は
誰がコーチ兼実質的監督だったわけ?

空白の3年間
詳細に知りたいです

そして
双子の兄弟&走&ハナちゃんこと勝田葉菜子さんが
その後
どうなったのか

勿論
藤岡一真と榊浩介が
どんなランナーに成長したのかも知りたい

そうなんです!
走の学生生活3年間を描いた
「風が強く吹いている 大学編」
そして
卒業後の
「風が強く吹いている 末来編」
読みたいです

いや
未完であるからこそ
この作品が光り輝くのか!?

キングこと坂口洋平
ニコチャンこと平田彰宏
ユキこと岩倉雪彦
神童こと杉山高志
ジョージこと城次郎
ジョータこと城太郎
ムサことムサ・カマラ
王子こと柏崎茜

アオタケのメンバーは
それぞれ何とか?
自らの人生を切り開いていることでしょうね~

映画も良かったけれど
原作は数倍良かった

この作品を読んだことで
来年早々行われる第88回箱根駅伝
確実に見方が変わると思うσ(^_^;)です

箱根路を走るであろう選手
精一杯
無事完走出来ることを願います
走ることなく
終わるかも知れない選手たち
裏方役として参加する学生諸君
それぞれの箱根を
心に刻んで欲しいです

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