時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記

2020-03-16 | 読書
好敵手は
どちらかが‘影’になる
一国に
王は一人しか要らない
そして
新たな歴史が始まる

助けてやれず 済まない
男は
幼い麒麟に思いを馳せながら
黒い獣を捕らえた
地の底で
手にした沙包(おてだま)の鈴が
助けになるとは…
天の加護が
その命を繋いだ歳月
泰麒は
数奇な運命を生き
李斎(りさい)もまた
汚名を着せられ追われた
それでも
驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは
民に安寧が訪れるよう

あの豺虎(けだもの)を
玉座から追い落とすため
戴国の命運は
終焉か開幕か



あの泰麒が
血の穢れを
嫌う麒麟が
剣を使い
人を殺めた!
公開処刑される寸前の
驍宗の足元に
駆け寄り
泰麒がひれ伏した瞬間
戴国の王=驍宗
阿選=偽王
と確信しました

李斎・項梁・英章・霜元らも駆けつけ
驍宗と泰輔奪還に成功
一旦
江州城まで引き上げ
そこで
延台輔に延麒らとも合流
諸外国の援軍を得て…

最終的に
驍宗が
戴国王に返り咲くんですけど
阿選との
覇権争い(攻防戦)については
描かれておらず
物語の最後に
『戴史乍書』の一文に
戴国に起きた
一連の内乱とその後についての
記述があるのみです

偽王・阿選が倒れ
驍宗により
政道が正される
国民は救済され
戴国は
もち直すんでしょう
だけど
すっきりした
気持ちにはなれませんでした

ここまでくるのに
本当に
多くの人の犠牲がありました
李斎の部下夕麗や
朽桟の息子らが
どうなったのか
生死さえわからない
この状況が
何ともやるせないし
川に
自分たちの食べ物や
驍宗が
鉱山から生還できる
切っ掛けを作った
親子はどうなった?

国の歴史を記す
『戴史乍書』に
一般庶民の事まで
記録に残すはずもないのは
わかるけど
少なくとも
物語に登場した
固有人物のその後は
可能な限り知りたかったです

驍宗に対する
阿選の劣等感
自己に対する嫌悪を怒りを煽り
唆した
真の首謀者と思われた琅燦(ろうさん)が
最後の最後に
泰麒の見方だったし…
あんだけのことしといて
見方って!?
このあたりの
補足も欲しい

驍宗と
麒麟の中でも
群を抜いて
異質の存在である泰麒が
この先
戴国を
戴国の民を
どう導いていくんでしょね~
原作者には
続きの構想あるのかな?

この記事についてブログを書く
« 男子プロテニス協会(Associa... | トップ | あきない世傳金と銀8~瀑布篇~  »
最新の画像もっと見る

読書」カテゴリの最新記事