時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

オリジン(下)

2019-05-26 | 読書
われわれはどこから来て どこへ行くのか
カーシュが解き明かした
人類の起源と運命に迫る真実とは何か
サグラダ・ファミリアを捜索し
ウィリアム・ブレイクの手稿本から
手がかりを得たラングドンのもとに
暗殺者が迫る
正体不明の情報提供者
ネット上で錯綜するフェイクニュース
暗躍する
宰輔と名乗る人物
誰が誰を欺いているのか
先の見えない逃亡劇の果てに
ラングドンがたどり着いた
衝撃的な真相とは



『われわれはどこから来て どこへ行くのか』
どこから →
来たのでもなく あらゆるとこから来た
生命は世界の核心ではありません
生命は単に世界がエネルギー散逸のために
作り出して繁殖させたものなのです

どこへ →
人類は絶滅に瀕している
われわれの知る人類は五十年後には姿を消している
新たな種がわれわれを取り込んでいる

もう少し
具体的に言うと
人類とテクノロジーの融合
バイオロジーとテクノロジーの融合種
いま体外にあるツール
スマートフォン・補聴器・読書用眼鏡
たいがいの医薬品と同じものが
五十年後には体内に組み込まれ
われわれはもはやホモ・サピエンスと呼べんない
存在になっているでしょう

実は数週間前
テレビ番組で
未来のスマートフォンは
体内にチップとして埋め込まれ形になり
持ち運ぶ必要がなくなる
買い物をするにも
体内に埋め込まれたチップっで
精算できるようになる

と聞いたばかりだったので
リアルに納得してしまいました

『宰輔の正体は?』
『民間人monte@iglesia.orgは誰』
結論だけ書くと
人工知能にウィリアムです

『フリアン太子とアンブラ・ビダルはど~なる?』
わかりません
わかりませんが
自分はスペイン最後の王だ
と覚悟しています
自分の世代で
脈々と続いてきた
スペイン王家の血筋が途切れる
イタリアやフランスのように
国民の意思で終わるのではなく
自ら
君主制を終わらせるであろうことを
覚悟しているようです

国王とバルデスピーノと関係が
明らかにされますが
これも興味深いです
『ダビンチ』の
サン・シュルピス教会に
暗号が隠されてたように
ルーブル美術館の地下に
聖杯が隠されていたように
サクラダ・ファミリアの地下に
隠された秘密があるのかと
期待していましたが
建造物自体には
何もありませんでした
ですが
読みごたえ
十分にありました

前作
『インフェルノ』は
生化学者
バートランド・ゾブリストが
地球上の
人口増加を制御するために
人間の生殖機能を不能になせるウィルスを
散布させてしまう
と言う話でした
実際
気づいていないだけで
地球上の生物は
自ら
淘汰の道を選択している気がする
と読み終えて
思ったものですが
並行して
バイオロジーとテクノロジーの融合種
こっちにも
確実に進んでいる気が致しました

この記事についてブログを書く
« Grand Slam Roland-Garros 20... | トップ | Grand Slam Roland-Garros 20... »
最新の画像もっと見る

読書」カテゴリの最新記事