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時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

十二夜

2015-03-30 | 舞台/役者
シェークスピア作品は
これまで
何作か観劇した事
ありますが
『十二夜』
初めてでした

とは言え
100%
小西遼生さん
お目当ての観劇でして
小西さん拝めれば
ど~でも(良くないけど)いい!
と思っていたので
漠然と
劇場に向いました

橋本たかしさんや
中嶋朋子さんが
出演されると言うのは
辛うじて
認識しておりましたが
主演の
音月桂さんが
宝塚歌劇団元・雪組トップスター
と言うのも
当然
知る由もなく
ストーリーも
良く知らない…

行ってみれば
A列は最前列で
しかも28番…
小西さんが
よ~拝めました



こけたんだと思います

精悍なお顔…
カッケ~~


あっ!
西牟田恵さんが出てる!

ぎぇ~
山口馬木也さんが
(アントーニオ役で)
舞台に
登場したときにゃ~
マジで
叫びそうでした
嬉しくて


おまけに
観劇した日は
舞台後
トークショーなるモノもあり
いやはや
超ラッキーでした


肝心の舞台ですが

面白かったです
船の遭難事故で
双子の兄セバスチャンを
亡くしたと思った
妹ヴァイオラは
護身のため男になりすまし
オーシーノ公爵に仕えます

恋い焦がれちゃうわけ!
でも
肝心のオーシーノは
爵家令嬢オリヴィアに夢中
因みに
執事のマルヴォーリオも
人知れず主人である彼女を慕ってます
で!
爵家令嬢オリヴィア本人は?
と言うと
これが
男装したヴァイオラにひと目惚れ…
そこに
兄セバスチャンが生還してきて
セバスチャンを助けた
アントーニオが
これまた
セバスチャンに…

音月さんが演じた
一卵性双生児
ヴァイオラとセバスチャンを
同じ舞台に
どのように
登場(共存?)させるのかと
色々考えておりましたが
そ~きたかぁ~
って感じです

いや~
可能なら
二組合同の
結婚式のシーンも
オリジナルで
作って頂きたかったですぅ

そうそう
音月さんは
宝塚で男役だったそうですが
そのわりに
小柄ですよね?
今回
メインの男優陣が
高身長な方たちだったので
音月さんが
より小柄に感じました
とは言え
妹のヴァイオラから
兄セバスチャンに
変化するあたりは
流石です
見事に
表情変えてらっしゃいました
あぁ~
やっぱり男役やってた人だ!

と思いました
宝塚を退団したとは言え
独特の表情(雰囲気)
健在でした

来月から
大分&大阪で
公演があるとか?
観劇される皆様
今暫く
お待ちください!

ミュージカル『タイタニック』

2015-03-26 | 舞台/役者
タイタニックと言えば
レオナルド・ディカプリオ
レオナルド・ディカプリオと言えば
『タイタニック』
当時
全米で6億ドル
日本で興収記録262億円
全世界で18億3500万ドルと言う
映画史上最高の興行収入を記録し
ギネスブックに登録された
ジェームズ・キャメロン監督・脚本による
1997年のアメリカ映画です

翌年
アカデミー賞でも
作品賞 監督賞 撮影賞 主題歌賞 音楽賞
衣裳デザイン賞 視覚効果賞 音響効果賞
音響賞 編集賞の11部門で受賞
セリーヌ・ディオンが歌う主題歌
My Heart Will Go On
大ヒット致しました

個人的には
レオナルド・ディカプリオ演ずる
ジャック・ドーソンが
ケイト・ウィンスレット演ずる
ローズ・デウィット・ブケイターを残し
海に沈んでいくと言う
シーンの演出に
今一つ釈然としない
感情を抱いたまま
悶々として気持ちで
劇場を後にした
想い出がございます

肝心の
ミュージカル「タイタニック」ですが
映画のすじとは
ほぼ100%違います
作品の概要等々
興味のある方が
作品概要
一読下さい


     


ですね…
タイタニックの設計者
トーマス・アンドリュース役の
加藤和樹さん
相変らず
カッコえがったです
最後のご挨拶では
一番最後に
登場され
中央に
スックと
立っていらっしゃいました
なので
ご本人も
主役だと
ブログで公言されていたので
主役だと
思っておりましたが…

機関士
フレドリック・バレット役の
藤岡正明さんは
ソロで
歌う回数多かったし
上手かったです
三等客
ジム・ファレル役の
古川雄大さんも
ですが
この二人が
舞台に登場すると
どうしても
目が追ってしまうと言うか
人を引き付ける
オーラを感じました

基本的に
加藤和樹さんの
姿を
動きを
目で追う訳ですが
どう考えても
主役という
立ち位置じゃない

そうなんです!
この作品は
特段「主役」と言うのを
設定しておらず
タイタニックに乗船した
個々の人物の物語が
並行して進む構成だったんです
それなら
わかる…

それぞれに
野望や夢を抱き
或いは
富と名声を手にしたいと
新天地へ向う訳です
ですが…
すみません
やはり
映画でのCGを用いた
ド派手な演出や
絢爛豪華な衣装・装飾品諸々の
印象が強過ぎて
物足りなかった

氷山と
激突した瞬間とか
沈没していく
行程とか
もう少し
舞台装置を駆使して
インパクトのある
演出を
しても良かったのでは?

個々の人物の
物語を語る
と言う事でしたが
深く
掘り下げている訳でもない
全体的に
ボワ~ンとして
焦点が定まらないまま
沈んじゃった
ハイ!終わり
みたいな
印象を受けてしまいました
個人的には
メインになる主役を決めて
掘り下げた方が
良かったのでは?
と思いました

それとですね
致命的なのが
ミュージカル仕立てってとこ
タイタニック号が
沈没していく過程は
悲劇であり
緊迫した
状況な訳です
生と死の狭間
皆一応に
切羽詰まった状況に
陥っているのに
歌うか?
しかもラスト
出演者が
晴れ晴れとした
笑顔で
歌って終わっちゃいました

ビミョ~

三人姉妹

2015-02-11 | 舞台/役者
「将軍」であった
亡き父の最後の赴任地で暮らす
オーリガ(余貴美子)
マーシャ(宮沢りえ)
イリーナ(蒼井優)の三姉妹と
その兄弟アンドレイ(赤堀雅秋)
プローゾロフ家の人々
生まれ故郷モスクワから
遠く離れた田舎町での暮らしは
平穏ではあるものの
退屈で寂しく
姉妹たちは
モスクワでの日々を懐かしむばかり

彼女たちは
家族で唯一の男性である
アンドレイの出世を願い
いずれ皆で
モスクワに帰ることを夢に見ている
そんな単調な毎日だが
一家の屋敷には
軍医チェブトゥイキン(段田安則)
陸軍大尉のソリョーヌイ(今井朋彦)
陸軍中尉のトゥーゼンバフ男爵(近藤公園)
町に駐屯する軍人たちが
サロンのように頻繁に集い
姉妹たちのささやかな
気晴らしの時間になっていた

そして
次女マーシャの夫・クルイギン(山崎一)
後に
アンドレイの妻となる
ナターリヤらを含め
それぞれが
心に満たされぬ想いを抱きながらも
日々を生きているのだ

そんな中
モスクワから
陸軍中佐ヴェルシーニン(堤真一)が赴任してきた
亡き父の部下でもあった
中佐が運んできたモスクワの香りに
気持ちが華やぐ姉妹たち
そして
一家を巡る人間模様が動き出した



今年
最初の舞台観劇となったのが
ロシアの作家
アントン・チェーホフによる戯曲
『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』と共に
「チェーホフ四大戯曲」と呼ばれております
『三人姉妹』でございますデス

将軍であった父が
この世を去ってから
一年あまりが経過
故郷である
モスクワに帰る事もなく
遠く離れた土地
最寄りの鉄道の駅から
20キロ離れているらしいド田舎で
のほほんと暮らしている

毎日
汗水たらして
働く労働者階級ではないが
王侯貴族のように
贅沢三昧出来る階級でもない
一心不乱に
働く必要もないかわりに
刺激的な生活もない
淀んだ時の流れに
ただ身を任せ
生きているのか死んでいるのか
分らない
その現状から現実から
抜け出したい!

高等教育を受けた三姉妹
長女のオーリガは
その才を生かすため
中学の教師をし
最終的には
校長まで上りつめます
次女のマーシャは
結婚していて
夫を嫌い
夫の職場の人間を見下しながらも
その環境を
自ら変えようとはしない
20歳の末娘のイリーナは
労働の大切さを連呼しつつも
分相応な仕事ながいと嘆いている

彼女たちの周りに集う
軍人達にしてみても
世が平和なだけに
戦争もないわけで
軍人としての
価値を見いだせず
酒を飲み
無駄にうん蓄を語るなかり…
泰平の江戸で生きる
武士みたいな感じ?

兄の出世に
便乗して
モスクワに戻ろうとか
ど~なの?
田舎暮らしが嫌なら
勝手に
モスクワに戻ればいいじゃないか!
高学歴で
知識と教養があると
自負しているなら
自ら動け~
自分の怠慢を棚に上げ
文句ばかり言ってんじゃない!

見事なまでに
登場人物に
覇気がない!
活気がない!
現状に不満を抱きながらも
惰性で生きている
決して
自ら現状打破しよう
前向きな行き方はしない
何事にも
他力本願のであります

何もしない
何も起こらない
何かを起こそうもしない
最終的に
何かが起きても
それに対し
何も感じないのです
何も気付かないのです
そして
軍人たちが
ポーランとへと旅立つ日
勇ましい軍隊の行進曲を聞きながら
何の為に
自分たちが苦しんでいるのか分からない

と嘆くのであります

おいおい…

そして
何を勘違いしているのか
どんなに苦しくても
私たちは
生きていかなければ!

と妙に力強く
言い放つ三姉妹…
実は
したたかなのか?
単なる
現実逃避の
悲劇のヒロイン願望

無駄に
空回りしている
登場人物達を見ていると
生気が奪われていく…
そこまで
掘り下げず
人生楽に生きればいいのに…
誰しも
自分が生まれてきた
意味とか意義とか
明確に分ったら
苦労はしないのよん
もっと
肩の力を抜け~
チェーホフが生きていた
当時のロシアにクラス
人たちって
こんな感じだったのか?

何とも
救いのない終わりに
どっと疲れてしまった

小生に
救いがあったとすれば
リアル・堤真一を
最前列で
拝見出来たことですね~

最後に
軍人さん達の衣装についてです
軍人役の
俳優陣が舞台に
出てきたとき
思わず
機動戦士ガンダムの
アムロ・レイ???

まさに↓



もう
え”~~~ですわ
とどめは
堤真一さんが演じた
陸軍中佐ヴェルシーニンの軍服…
青のところが
緑(だったかな?)

ひく
完全にひく
帝政ロシアの軍服なのに
余りに安っぽい
軽い…
誰が考えたん?
もう少し
マシな生地を
使ってあげて…

皆既食~Total Eclipse~5

2014-11-30 | 舞台/役者
19世紀
フランスを代表する天才詩人
アルチュール・ランボーと
ポール・ヴェルレーヌの軌跡を描いた作品どぇす

若く
才気溢れるランボーと
その才能をいち早く見出した
ヴェルレーヌの運命的な出会い
自由奔放な
ランボーに翻弄されながら
美しい若妻に対する
執着も消えぬまま
厳格な義父母の干渉も
断ち切れないヴェルレーヌ

パリ
ブリュッセル
ロンドン
2年間に渡る放浪と闘争の日々
その果てに訪れた
別離と破滅
17年の月日を経て
それぞれの
孤独な最期が語られる

原作は
クリストファー・ハンプトンの小説
『太陽と月に背いて』
1995年
レオナルド・ディカプリオが
21歳の時
ランボー役を演じ
映画化されています



探せば
DVD出てくるハズ
若き
天才的詩人
無節操でありながら
感情をコントロールできず
時に
残酷なまでに
相手に愛を求める
ランボーを
演じたディカプリオ
鮮烈な
余りにも
強烈なインパクトがありました


これを
岡田将生さんが
演じました
今回が初舞台



悪くはない
悪くはないが
ゴメン
16歳のランボーを演じるには
25歳の
岡田さんには
10代のもつ
危うさ無謀さ
残酷さを
表現するには
青年過ぎた気がする
10代が持つ
独特の初々しさを
醸し出すのは
流石に
無理だったか…
とは言え
「天然コケッコー」
「ホノカアボーイ」の頃の
岡田さんが演じたら
鼻血出してたかもσ(^_^;)



蜷川幸雄演出で
初舞台…
ラッキーだよぉ~
舞台に立つことが
快感になってくれると
嬉しいです

同性愛の
話でもあるので
どんな
演出をされるのかと
思っておりましたが
普通でした
ドギツイと申しますか
ドギマギするような
過激な演出は
皆無でした



優柔不断と言えば
優柔不断
何処までも
煮え切らない
妻マチルダとランボーの間を
行ったり来たり
迷いっぱなしのヴェルレーヌ
この男の
何処が良かったんだろう
マチルダとランボー…

Bunkamuraのサイトに
ランボーを
堕天使と表現していましたが
まさに
堕天使に
魅入られてしまった
ヴェルレーヌの
翻弄され続けた人生は
悲劇だったのか
至福の時だったのか



生瀬さん演ずる
ヴェルレーヌありきの作品でした
愛するが故の狂気
他人からみたら
かなり自堕落な
破滅的に生きたヴェルレーヌを
見事に演じておられます
上手いですね~

これまでにも
何本か
舞台を拝見しておりますが
こう言うキャラの演技
初めて見たかも



と言う事で
今年の舞台観劇は
これが最後です
5本しか見てない!

来年は
どんな舞台
どんな役者バカと
出会えるか
楽しみです

                  画像はm.マイナビニュース他より引用しています

明日は発表会です!

2014-07-04 | 舞台/役者
明日は
関内大ホール
発表会がございます

なんのって…

フラメンコだす

第5回 松彩果フラメンコ教室発表会
でございます

σ(^_^;)
2010年12月から
一応
習っておりますが
時に
フラダンス風
時に
盆踊り風
はたまた
ドジョウすくいか!?
と思われる
動きが続いております
敢えて
踊りとは言えにゃい


先生の動きを
目で追いつつ
動いているものの
振付は
脳内に留まることなく
素通り
レッスン室を
一歩外に出れば
更に
意識が…

上昇志向の
かけらもないσ(^_^;)が
発表会に参加するハズもなく…

明日は
お手伝いです
足手まといにならない様
気をつけます

昔の日々

2014-06-19 | 舞台/役者
~前置き~

アンナは
世界に向けた公の顔
ケイトは
内に秘めた底知れぬ顔

今回
デヴィット・ルヴォーは
ケイトとアンナを
一人の女性として設定し
アンナを麻美れい
ケイトを若村麻由美
と別の人格として
演じると言う演出をしています

~あらすじ~

ディーリーとケイト夫婦は
静かな海辺の片田舎に暮らしている
そこへ
ケイトの旧友アナが訪ねてくることになった
20年ぶりに会うアナのことを
ケイトは「唯一の友達」と
夫に説明するが
久々の再会にもかかわらず
心躍らせる様子もなく
過去のことは思い出せないとも言う

ディーリーは
妻の胸の内が汲み取れない
どうやら
ケイトとアナは
若い頃にルームメイトだったようだ
2人の前に現れたアナは
大都会ロンドンで
ケイトと過ごした
娘時代の日々のことを饒舌に語る
その話を聞くうち
ディーリーも
ケイトと出会った頃の記憶を呼び覚まされ
結婚に至った道のりを話し出す

それぞれの記憶は
ケイトというひとつの「点」で
結ばれたかのようにも思えたが
たわいもない想い出話から
やがて思いがけない過去の情景が浮かび上がってくる
出会ったはずのない
ディーリーとアナには
接点があったのか
あいまいな記憶の中をただようケイト
果たしてそこに
「真実」の姿は見えるのだろうか



先週の土曜日
小生の
大好きな
麻美れいさんと
若村麻由美さんが共演する舞台
『昔の日々』を観劇して参りました
今回は
何の知識もなく
あらすじも知らず
まっさらの状態での観劇です
それこそ
一言一句
聞き逃すことなく
一挙手一投足
己の目に焼きつけるが如く
食い入るように
全神経を集中させて頂きました

アンナとケイトは
かつて
愛し合っていた恋人同士だったのか?
いや
実は
ディーリーがアンナに好意を持ち
アンナはケイトに好意を抱き
しかもケイトは
ディーリーが好きだった
ドロドロの愛憎劇!?

ケイトって生身の人間?
アンナって幻覚!?
アンナは
殺されたの!?
なに!?
舞台上の時空は
今なの?昔なの?
リアルなの
空想なの???

上質な
サイコ系エッセンスの効いた
サスペンス
ミステリーでございました
しかも
人の魂と精神
受動性と能動性
似て非なるモノを
アンナとケイトと言う
キャラクターに
見事に投影させ
小生を
心理的且つ精神的に
混乱させて
くれちゃったんでござますよ
まったく…



三人によって
再構築させられた‘昔の日々’が
実際存在したおか
そうでなかったのか
終には
夫婦の住む
片田舎のこの一室すら
現実だったのか
はたまた
空想だったのか

気が付けば
デヴィット・ルヴォーが描く
濃密な迷宮に迷い込み
混乱に
心ここに非ず的
精神状態で
舞台は終わり
劇場空間から
離脱するしかありませんでした
そして
日生劇場の1階ロビーから
ふと
帝国ホテル側の正面入り口をみれば
初夏を思わせる
まばゆい光に
唐突に
現実に引き戻され
帰途に着いたのでございます
恐るべし演出家
デヴィット・ルヴォー


        

難を言えば
何故
日生劇場などと言う
大きな箱を使った!?
作品の内容や
演出から言えば
世田谷パブリックシアター(600席)
それでも大きいかな?
新国立劇場(400席前後)
個人的には
シアタートラム(200席)の
小規模な劇場空間で
公演した方が
もっと緊迫感のある
舞台空間が
出来たのではと
思った次第です

そして
ディーリーを
堤さんが演じていたら
確実に
3回はリピート観劇していたと…


堀部圭亮さんが
云々では決してなくて
小生の中では
デヴィット・ルヴォーと言えば
堤真一なもので…

そうそう
女優さんが
観劇にいらしてました
すっげ~細かった
思わず
己の二の腕と
見比べてしまいました
足して二で割ったら
平均かな~


                稽古中の画像はチケットぴあ ニュース画像詳細より引用しています

ロンサム・ウェスト

2014-05-27 | 舞台/役者
物語は
堤真一演ずるコールマン(兄)と
瑛太演ずるヴァレン(弟)のコナー兄弟
北村有起哉演ずるウェルシュ神父
木下あかり演ずるガーリーンと言う
4人だけが登場する
お話でございます

アイルランドの西の涯の田舎村
リーナンに住むコナー兄弟が
父親の葬儀を終えて
ウェルシュ神父と共に家に戻ってくる
場面から始まりました
このコナー兄弟と言うのが
共に独身
何故
一緒に暮らしているのか
いや
暮らせるのか
と思うくらい仲が悪い

一年365日
一日24時間
寝ている以外は
ず~っと喧嘩しております
互いの言葉の端を突いては
火に油を注ぐかの如く
互いに一歩も引かない
とは言え
心底
憎しみ合っていると言う風でもない
他人には言えない
秘密を共有しており
それが原因で
互いの存在を
完全に拒絶仕切れないまま
共同生活を続けている風

当然
この不可思議な
兄弟の共同生活は
他人には理解できない
特に
幸か不幸か
この地に派遣され
村の生活や
人々になじめないウェルシュ神父には
頭が痛い

父親の死に対し
平然としている兄弟
肉親殺しを
平然と犯した人間がいるという噂
自ら命を絶とうとする村人
村の殺伐とした現状に
何もできない己の無力さを嘆き
事あるごとに
酒を手にするようになり
今ではすっかりアル中気味

そんな救いがたい男性たちに対し
ガーリーンは
酒の密売で稼ぐしっかり者の17歳
可愛らしい容姿にも関わらず
その言動は
がさつ且つあばずれ風
何かと気弱な
ウェルシュ神父をからかったり
つっかかったりしながら
始終
ウェルシュ神父にまとわりついている

やがて
この最果ての地で
ウェルシュ神父は
ある決意を秘めた手紙をガーリーンに託す
コナー兄弟のもとへと届けられた
ウェルシュ神父の決意は
このどうしようもないコナー兄弟の胸に届くのだろうか…

     

まさに
ブラックユーモア!?
戯曲の原作者である
マーティン・マクドナーが
人間のもつ
ダークな精神を濃縮し
コナー兄弟の会話を介して
観客にブチかます

ダークと言っても
純粋なダーク
(と言う表現が正しいのか分りませんが)
だけじゃ~ない
嫌悪感を抱きつつ
何故か
コナー兄弟の発する
剥き出しの言葉に
ユーモアやら
滑稽さを感じるのであります
時に
二人が正直な善人なのではないかと
錯覚してしまうのであります

希望も救いもない
‘生きる屍’と化している
村人の中で
コナー兄弟だけが
‘生’に対して執着しているように
思われます

そして
ウェルシュ神父ですが
彼は
己の存在を無に帰すことで
コナー兄弟を
救済しようとしました
しかし
その一方で
ただ存在するだけで
その意義を果たしていたことに
(ここではガーリーンにとってです)
何故気付けなかったのか…

ガーリーンの
神父に対する
敬愛(恋愛感情かもしれません)感情は
唐突にその対象を失い
谷底に突き落とされるほどの
衝撃を受けることになる

ガーリーンウェルシュ神父コナー兄弟

報われない
片思い的構図で構成された
不条理な展開に
身を委ねることにより
小生は
生きることの
悲劇性と喜劇性
その両面を
痛感させられたのでございます

これでもか~
とばかりに
詰め込んだ
A5ランクの
霜降り牛のステーキが
口の中で
芳醇な味と香りを残しつつ
徐々に
融けていくかの如く

余韻の残る
何とも
不可思議な舞台でございました

蒼の乱 ~風を愛した女の伝説~

2014-04-03 | 舞台/役者
物語
都では中央集権の政のもとに
朝廷では貴族たちが贅沢三昧にくらし
地方の民たちには税が重く課され
貧しい暮らしを強いられていた
不満のたまる地方の民たちは
小さな叛乱を起こしては貴族によって封じられていた

あるとき
左大臣の屋敷で
国の行く末を占っていた渡来衆の一団が
国家大乱の卦を出したことを口実に武士たちに襲われた
窮地に追い込まれた彼らの長である蒼真と
蒼真の親友・桔梗は
坂東から京に出てきていた将門小次郎に救われる

蒼真と小次郎の運命の出会いである
二人は
その運命に導かれ夫婦となり
小次郎の故郷・坂東の地を目指し都を後にする

そこに都を騒がす大盗賊・帳の夜叉丸が現れ
蒼真達を海賊・伊予純友のもとへと連れていく
純友は
実は蒼真たちにとっては渡来の仲間
彼は小次郎に
国をひっくり返してともに新しい政府を立てようと誘うのだった
その様子を伺っていたかのように
純友の元に現れたのは
朝廷に仕える弾正淑人
何を企んでいるのか
単身
宿敵の海賊の頭領・純友に会いに来たのだった

一方
坂東に戻った小次郎と蒼真は
彼の叔父と国司
その妻・邦香らの蛮行に
坂東の民は苦しめられ続けていたことを目の当たりにし
小次郎の‘生涯の友’である相棒・黒馬鬼と一緒に
彼らを一気に蹴散らす
そこに
再び夜叉丸が現れ
小次郎を蝦夷の大王・常世王に会わせたいという

常世王の隠れ住む山奥で
王は小次郎に「この東国に小次郎が望む国を作ってほしい」
と語る
その話に共感した小次郎は
純友と常世王と共に反乱軍を組織し長となり
‘将門新皇’として朝廷と戦うが
ある出来事をきっかけに行方をくらましてしまう
そこで
妻である蒼真が小次郎の意志を継ぐ者として
‘将門御前’と名乗り
反乱軍を率いていくことになるが…



平安時代をモチーフにした
日のもとの国のお話で
これまた
日本の‘三大怨霊’※1のおひとり
様々な逸話を残す
歴史上の大物
平将門をめぐる
物語でございます

正義を愛する
勇猛果敢なイメージの将門公なのですが
以前
吉川英治歴史時代文庫「平の将門」を拝読し
既に
イメージは崩壊しております

将門公及び
将門ファンには申し訳ないが
今回「蒼の乱」に登場した
単細胞!
優柔不断?
思慮のなさは天下一品!?
とは言え
弱気を助け強きをくじく
正義の坂東武者
とも言い切れない
将門小次郎は
吉川英治歴史時代文庫「平の将門」の
将門公に限りなく近かったです

壮年期※2になったとは言え
まだ未熟感の残る将門小次郎を
松山ケンイチさんが
良い感じに演じておられました
これが
舞台2本目とは…

異国の地から渡来し
後に
将門小次郎と
運命的な出会いをする女性
蒼真を演じますのは
劇団☆新感線3作品目
4年ぶりの登場となる天海祐希
前半は
弱弱しい感漂う女性を演じ
次第に豹変(失礼)
将門小次郎以上に男っぽく
凛々しい
将門御前を魅せて頂きました

ある時は乙女
時に羅刹女はたまた明王と言わんばかりに
勇猛さを発揮
そして
菩薩の如く穏やかな境地に到達する
将門御前こと蒼真
このキャラ七変化をですね
見事に演じきっておられます

とは言え
どう見てもこの二人
夫婦と言うより
賢い姉とやんちゃな弟
百歩譲って
年上の賢い姉さん女房と
年下のやんちゃ夫…
それはそれで
悪くなかったけどねん

また
劇団☆新感線
2作品目の登場となりました早乙女太一
彼の華麗な殺陣シーン
立ち居振る舞いから台詞の投げ方
文句のつけようがございません
魅せ方を心得てますわ~
それこそ30代になって
体格的に貫録ついてきたら
益々
舞台栄えする役者になりそうです
『野獣郎見参』
『阿修羅城の瞳』
『アテルイ』等々
劇団の作品に登場する
主役を演じてくれる日が楽しみです


‘黒馬鬼’役の橋本じゅんさん
馬を…
馬になるとは…
人間臭い
素敵な馬キャラでした
その後
腰部脊柱管狭窄症はどんな具合なのでしょう
劇団に
無くてはならない存在です
御身お大事に!

クライマックス
涙腺の弱いσ(^_^;)は
涙しました

※1日本の三大怨霊…菅原道真/平将門/崇徳天皇
※2壮年…成人として体力・気力共に充実しているとされる年齢 伝統的には31歳から44歳までを指す


         

祝 和央ようか

2014-03-31 | 舞台/役者
元宝塚歌劇団宙組トップスター
和央ようかさんが
ご結婚されるらしい
お相手は
9歳年上
NY在住の米国人作曲家
Mr.フランク・ワイルドホーン

今年は
秋に
ミュージカル「CHICAGO」の公演もございますし
挙式は来年を予定しているとか
来年ね~
籍だけ入れるのかと思いきや
挙式するんだ…

おめでたいお話ではございますが
入籍するまで
静かに
見守ろうと思います

とは言え
入籍したら
今後の活動は
どうなるのだろう
YNを拠点に
時々日本で仕事するのかな~

結婚願望のある
紫吹淳さんや
遼河はるひさんあたりは
複雑な心境?

9days Queen ~9日間の女王~

2014-03-07 | 舞台/役者
厳格な
プロテスタントのジェーン・グレイは
野心的な父
ドーセット侯爵ヘンリー・グレイと
虚栄心の強い母
フランシーズの元を離れ
ヘンリー八世の未亡人
キャサリンに引き取られる

そこで
家庭教師ロジャー・アスカムと出会い
王女メアリーや
エリザベスとの交わり
キャサリンと
かつての愛人トマス・シーモアとの関係
病弱な
エドワード6世との間に生まれた
ささやかな友情
そして
ブラックバードとの交流など
様々な出来事に触れながら
ロンドンの宮廷で
勉学に励み平穏な日々を過ごしていた

しかし
キャサリンは出産後死去
ジェーンは
親元へ戻ることとなり
幸福な少女時代は
終わりを告げるのだった

やがて
摂政サマセットの政敵
ジョン・ダドリー(ノーサンバランド公)の権力が上昇し
最高権力者にのし上がると
王位継承権を持つジェーンは
彼の息子
ギルフォードと結婚させられてしまう

そんな中
エドワード王の健康が悪化
ノーサランバランド公は
カトリックのメアリーが
後継者となる危険性を解き
ジェーンを
次の女王とする書状に署名させる

エドワード王が死去し
ジェーンは
突然
イギリス女王になるのだと告げられ驚愕する
エドワード王の死の直後に
避難していたメアリーは
自分の即位を認めるように要請するも
ノーサンバランド公は
それを無視してジェーンの即位を発表

しかし
メアリーは
王冠への権利を主張するため
ロンドンに進軍し
多くの支持を得
あっという間に王位を奪還してしまう
メアリーから
改宗を条件に
死刑を回避することを提案されるが
ジェーンはこれを拒否

そして
自らの決断で
断頭台へと向かうのであった…


               

2010年「ジャンヌ・ダルク」
2013年「二都物語」
そして
2014年「9days Queen ~九日間の女王~」
とコンスタントに
舞台でのキャリアを積み上げているのが
堀北真希さんです

「ジャンヌ・ダルク」の舞台では
若干
喉をつぶしていたような~
声枯れしていたような~
そんな風にお見受け致しましたが
今回は
そんな様子は
微塵もなく
頑張っておられました

が…

この作品の主役は
ジェーン・グレイ役の
堀北真希?
いえいえ
家庭教師ロジャー・アスカム役の
上川隆也さんでしょう
絶対的な
存在感と申しますか
メインで
輝くと言った
雰囲気は
正直感じられず…

個人的には
王女メアリー1世役の
田畑智子さんが
雰囲気醸し出してて
良かったと思いますデス

個人の意見や意思を持たず
ただただ
時代に翻弄された
イングランド
テューダー朝第4代の女王
ジェーン・グレイ

その過程を
なぞっただけの脚本なので
歴史の一部を垣間見た
と申しましょうか
あ~そうなんだ
としか
言いようがないです

そもそも
ヨーロッパの覇権争いって
入り乱れてて
理解しずらいんですよ…

イマイチ
盛り上げりに欠けると申しますか
ジェーン・グレイの
心の成長と変化が
見えてこない!
彼女の意思の強さや
叫びが
強く響いてこない

どうしたらいいの
どうすればいいの


それだけを繰りかえす
ジェーン・グレイ
迷い
不安に苛まれ
周囲の思惑に翻弄され
利用されただけの
哀れなジェーン・グレイ

これが
堀北真希版‘ジェーン・グレイ’か!
と言う
インパクトは皆無です
厳しい事を言えば
堀北真希さんが演じた
‘ジェーン・グレイ’に
魅力を感じなかった
感情移入する事もなく
傍観者的に
見ているだけの自分がいました

とは申せ
これは
堀北真希さんの
役者としての
力量が
有るとか無いとかではなく
脚本・演出が
そうなんだから
仕方ないですよね

面白ければ
何でも良いって
モノでもありませんが
劇団☆新感線の中島かずき
NODA MAPの野田秀樹
地球ゴージャスの岸谷五朗
このあたりが
脚色したら
活劇的な動きのある
作品になるだろうなぁ~
と思いながら
観劇してしまいました

そうそう
ロンドン塔に暮らす?
ジェーン・グレイのみならず
イングランドのすべてを
傍観し続ける存在
ブラックバードを担当した
青葉市子さん
この方の
声は素晴らしいです
舞台「9days Queen ~9日間の女王~」の世界を
非常に美しく
演出されておられました