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時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

NODA・MAP 第21回公演 足跡姫~時代錯誤冬幽霊~

2017-02-16 | 舞台/役者
江戸時代の
とある鄙びた芝居小屋
三、四代目出雲阿国座の看板踊り子
三、四代目出雲阿国と
二番手の踊り子ヤワハダ達が
妖艶に舞う女カブキは
幕府では
御法度
伊達の十役人が
河原に取り締まりにやってくる度
一座の男たちが
女形に化けて
女たちとすり替わって
難を逃れてきた

阿国の弟サルワカは
母恋しさに
穴を掘ることに
熱中する変わり者で
騒動を起こして
座長の万歳三唱太夫の怒りを買う
ある死体を
我が物にしようとする
腑分け者と
何やら
密かに企んでいる
戯けものと共に
姉弟そろって
一座を追い出されるはめに

困り果てた阿国は
サルワカに
女カブキの筋(すじ)を書かせてみては
と座長に提案
そこに
売れない幽霊小説家が現れ
サルワカの
ゴーストライターを買って出た
やがて
サルワカと幽霊小説家による
新作『足跡姫』の幕が開く



野田秀樹氏曰く
舞台は
江戸時代です
作品は
中村勘三郎へのオマージュ
とのこと

中村勘三郎さんの
葬式の時に
坂東三津五郎が弔辞で語ったコトバ
肉体の芸術ってつらいね 死んだら何にも残らないんだものな
脳裏に残り続けていて
肉体を使う芸術 残ることのない形態の芸術について
いつか書いてみたいと
思い続けていそうです



相変わらず
言葉遊びは絶好調

例えば

古田新太演ずる
売れない幽霊小説家には
自分の生前の記憶がない!
すると
あんたは
うれないゆうれいしょうせつか
‘う’と‘れ’がない幽霊なんだから
うれいしょうせつか
ゆ い しょうせつか
由井正雪か!

俺は
由井正雪だったのか!
とか

母の最期の言葉‘母音(=母親)’は
‘いいあい’
子供だったあたしには
子音(=子供)として
‘しにたい’と聞こえたの
踊れなくなった母さんは
‘死にたいと’言ったのよ
でも
僕には違う子音に聞えた
‘いきたい’って
母さんの母音
‘いいあい’は
‘死にたい’
じゃなくて
‘行きたい’
だったんじゃないかな
母さんが行きたかったのは
遠い反対の何処かじゃなくて
踊れなくて
行けなくなってしまった
遠くなってしまった
‘舞台’だったんだよ!
とか

舞台美術は
シンプルだけど
相変わらず
色調が美しい
衣装も素敵でした
良質の舞台です

舞台は
所詮まがいもの
役者は
死んでも死ねない
死ぬけど死なない!
何度
斬られても
その刀は
本当の刀(真刀)じゃ~ないから
幕がおりれば
役者は立ち上がり
なかったことになる
だがしかし
だからこそ
役者は
舞台の上では
常に
真剣勝負
一瞬一瞬気を抜かない
その瞬間は
二度とない瞬間だから

阿国の弟
サルワカ勘三郎は
姉・阿国の意思を継ぎ
この先何代も
繋いでいくことを誓います
阿国が残した
足跡は
阿国が生まれたと言う
何処の国かの誰かによって
引き継がれ
やがて
大きな花を咲かせていく

役者も所詮‘人’
生身の人であるがゆえ
命の尽きる時は
必ず訪れる
肉体は滅び
表現者としての終わりを迎える
だがしかし
肉体が滅びようと
その心意気と情熱は
決して失われることはなく
延々と
受け継がれていくのです
だから
何も残らないなんて
ことはないんです

肉体の芸術ってつらいね
死んだら何にも残らないんだものな


この舞台を観た
誰しもが
思うだろう
それは違うよ三津五郎さん

舞台には
桜の大木が登場します
はじめは
細く頼りない木なのですが
最後には
大地にしっかり
根をはり
天に向かって
満開の花を咲かせていました

そこに
演出家
野田秀樹の演劇人たる
生き様と
中村官九郎さんに向けての
思いを
ひしひしと感じました

帰り道
色んな感情が
湧いては
消えていきました
それが
思い通りに
表現出来ないのが
おもはゆい

後半は
ぶっちゃけ
涙なくして
観れませんでした
でもって
途中から
妙な想像をしていました
実は
σ(^_^;)
2階席の最前列A-23で
観劇してたんですけど
隣りの24番
舞台の真正面の席
最後まで
空席だったんですよ

この席って
毎公演空席で
勘三郎さん専用の
特等席なんじゃないかと…

んなこたぁ~
ないですよね

ミュージカル『フランケンシュタイン』 小西遼生/中川晃教Ver.

2017-01-27 | 舞台/役者
本日の配役&キャスト
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック:中川晃教
アンリ・デュプレ/怪物:小西遼生
エレン/エヴァ:濱田めぐみ
ジュリア/カトリーヌ:音月桂
ルンゲ/イゴール:鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド:相島一之
リトル・ビクター:石橋陽彩
リトル・ジュリア:寺田光
     
加藤アンリ&中川ビクター版
「フランケンシュタイン」観劇から
ほぼ一週間
加藤アンリの
すべてを捨てても
一緒に夢見られるなら
僕は
死んでも幸せ~

このフレーズが
エンドレス・リピート

寝ても覚めても
恐ろしいまでに
エンドレス
完全に
インプットされてしまった
加藤アンリを
どう
上書きしてくれるのか
小西アンリ!



戦場から帰還した
アンリが
マントを纏って登場~
マントが白だったら
もろ牙狼
冴島鋼牙やん
すっくと
立ったその姿
立ち居振る舞い
もろ
鋼牙じゃん

アハハ
相変わらず
カッケ~~~

身体しっかり
作ってきてるね~~

けど
なんかおかしい
なんか違和感

随分と
いかり肩でないかえ?
頸が
両肩に埋まってるっぽく見える
鳩胸だったっけ?
全体的に
頸が埋没して見えるのは
気のせいかい?
衣装デザインのせいかなぁ~



でもですね
良かったです
歌がこれまた
あ~た
声量あるし
パワフルだし
中川さんに負けてませんでした!
ほんとお見事でした
すべてを捨てても
一緒に夢見られるなら
僕は
死んでも幸せ~

のシーンでは
客席からも
すすり泣く声が
結構聞かれました
因みに
σ(^_^;)の
両サイドのレディ
目頭抑えてました

小西さんの演じた
怪物には
妙な色香ありまして
それがまた
たまらん(笑)
何より
鬼気迫る感
引き込まれました

うまいわ…



今回
お二人の舞台を
観劇した訳ですが
小西さんが‘剛’
なら
加藤さんは‘柔’
小西さんが‘色香’で
観客を魅了するなら
加藤さんは
一歩引いた‘儚さ’で
魅了する感じ?
小西さんが
歌唱力と演技力で
自分の世界に
‘ど~だ~’的に
観客を引きずり込む風で
加藤さんは
役の空気感が
気が付けば包み込まれている
と言う感じですかね~
あとは
どっちの
表現方法が
観客の
趣味趣向にあうか
ってことなんですよ…

σ(^_^;)ですか?
教えな~い
どちらも
満喫させて頂きました
そこそこの年月
隠れファンやってますけど
自分の中では
同じキャラの部類にいる
お二人でしたが
違ってました
その発見もまた
新鮮でした


全体を通しての
完成度と言うか
満足度では
今回の方が
高かったです!
何故なら
ラストシーンの
演出が違ったからです!
ミュージカル『フランケンシュタイン』 加藤和樹/中川晃教Ver.(2017_01_19)
で難癖つけた(笑)シーン
ビクターが
絶命した怪物を
抱きしめると言う
演出にして
欲しかったなぁ~

ってとこ!

そうなんです!
ビクターが
絶命した怪物を
抱きしめて
終ったんですよ!
始めから
ツーパターンの演出が
存在していたのか
後半に向けて
変更したのか
分かりませんが
兎に角
希望通りの
演出だったんですよ
これは
もうテンション上がりましたよぉ~

因みに
いつもは
買わないんだけど
お二人揃っての舞台なんて
今後
いつお目にかかれるか
分らないので
プログラム
購入して参りました
DVD発売されるかなぁ~

             画像及び動画は日生劇場『フランケンシュタイン』他より引用しています

ミュージカル『フランケンシュタイン』 加藤和樹/中川晃教Ver.

2017-01-19 | 舞台/役者
本日の配役&キャスト
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック(Wキャスト):中川晃教
アンリ・デュプレ/怪物(Wキャスト):加藤和樹
エレン/エヴァ:濱田めぐみ
ジュリア/カトリーヌ:音月桂
ルンゲ/イゴール:鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド:相島一之
リトル・ビクター:石橋陽彩
リトル・ジュリア:齋藤さくら
     
19世紀ヨーロッパ
科学者
ビクター・フランケンシュタインは
戦場でアンリ・デュプレの命を救ったことで
二人は固い友情で結ばれた
‘生命創造’に挑むビクターに
感銘を受けたアンリは
研究を手伝うが
殺人事件に巻き込まれた
ビクターを救うため
無実の罪で命を落としてしまう
ビクターは
アンリを生き返らせようと
アンリの亡き骸に
今こそ自らの研究の成果を注ぎ込む

しかし
誕生したのは
アンリの記憶を失った
‘怪物’だった
そして
‘怪物’は自らのおぞましい姿を恨み
ビクターに復讐を誓うのだった…



ミュージカル
駄目なんですよね~
だけど
加藤さんも
小西さんも
舞台っちゃ~
ミュージカル…

くすん

二人揃って
舞台に立つのかと
狂喜乱舞
しそうになりましたが
Wキャスト!?
・・・
必然的に
2度観劇と
相成りました

でも
同じ役を
同時期に観れるのって
あるようでないし
或る意味奇跡!
しかも
結構長いこと
舞台に登場してたから
素直に喜んだ
σ(^_^;)


中川さんを
最初に拝見したのは
劇団☆新感線の『SHIROH』でした
ものすご~く
声量があって
しかも美声
声が響くと言うか
のびると言うか
オペラ歌手か
本格的な
ミュージカル俳優かと
思っていたら
本業は
シンガーソングライター
と俳優
って言うから
魂消た

相変わらず
聴かせます!
でも
最愛の人が
殺されたのに
清々しく
歌ってるのって
やっぱり
慣れない
引く


加藤さんも
俳優であり
歌手でもあります!
聴いたことないけどσ(^_^;)
そこそこ
声量ありますけど
そこそこ
上手いと思うけど
『仮面ライダーカブト』あたりから
ず~と
ファンですけど
中川さんには
負ける!
悲しいかな
歌は
敵わない!

カーテンコール
最後に登場したのは
中川さんでした
なので
主役は
フランケン博士役の
中川さんです



ストーリーの展開
全体を通して
印象に残ったのは
ビクター・フランケンシュタイン博士
ではなく
研究の為
自らを犠牲に
過酷な
孤独な人生を生きた
アンリ・デュプレであり
怪物でした
単に
加藤和樹ファン
だからではなく
舞台好きとしての
感想です

これは

もしや…

食べちゃってます?

これって

あれですか?

所謂

主役を食うって現象!?


                       『フランケンシュタイン』OFFICIAL TRAILER
天涯孤独な
アンリが
自ら選んだ運命とは言え
余りにも
過酷

1幕後半
アンリが
断頭台の露と消える際の
ソロ…
すべてを捨てても
一緒に夢見られるなら
僕は
死んでも幸せ~

おいおい
殺される間際まで
何悠長に
歌ってんだ!?
なんだけど
ちっと
鳥肌たった!


知的で
敵味方関係なく
人の命を
救おうとした
アンリと
人に虐げられた
怪物
役分け
結構難しかったと
思いますよ

アンリとしての
記憶が失われていても
命を尊ぶ心を
もち続けていた怪物が
人間に
虐げられ
次第に冷酷になっていく下りは
言葉にならない
それでも
愛されたい
抱きしめられたい
と願う怪物
人のいない
北極へ行って
自由になりたい
そう叫ぶ
って実際は
劇中で歌ってんだけどね
その思いが
切なかったです

カーテンコールで
ハグしまくるくらいなら
ラストシーン
ビクターが
絶命した怪物を
抱きしめると言う
演出にして
欲しかったなぁ~

濱田めぐみさんのエヴァ
圧巻の歌声
流石
元劇団四季
音月桂さん
これまた
流石
元宝塚
上手いわ~~



リトル・ビクター役の
石橋陽彩くん
これまた
大人顔負けの
美声です
難ありは
誰とは言わないけど
二役演じてた
テレビでよく見かける
脇役の役者さん!
ミュージカルではなく
普通の舞台に専念した方が
良いと思う
十分上手い
実力のある役者さんなんで!

今年
最初の舞台観劇
感激致しました!

加藤さんに
舞台で拝見できるのは
帝劇10月公演
『レディ・ベス』
・・・
ミュージカル


来週は
小西遼生/中川晃教Ver.
観劇予定です
アンリ小西
ど~でしょ


             画像及び動画は日生劇場『フランケンシュタイン』他より引用しています

THE CRUCIBLE るつぼ 7

2016-10-28 | 舞台/役者
この作品は
1692年3月
ボストン近郊セイラム
数人の少女たちが
突然暴れ出すなど
悪魔憑きの症状を
呈しはじめたのをきっかけに
短期間のうちに
200人近い村人が
魔女(女とはかぎらない)として告発され
逮捕拘禁のあげく
19人が絞首刑
1人は拷問中に
5人が獄中で
命を落とすという
凄惨な結果を招いた
集団ヒステリー事件
通称「魔女裁判」事件を
題材にした作品です


Bunkamuraシアターコクーン「るつぼ」スポット動画

春まだ浅い深夜の森
アビゲイル・ウィリアムズ(黒木華)と
数人の少女達が
ウィリアムズ家に仕えている
ブードゥー教の呪いなどに詳しい
ティチュバと共に
踊っている(うち数名は全裸)のを
パリス牧師(大鷹明良)に発見される
パリス牧師にとがめられ
踊りは中断するも
少女のひとり
パリス牧師の娘ベテイと
地主である
トーマス・パトナムの娘が
意識不明となってしまう

医師にも
意識不明の原因が
分らず
パリス牧師をはじめ
村人たちは混乱し
そんなところへ
トーマスの妻アン(秋本奈緒美)が
「悪魔のせいだ」と言いだし
遂には
悪魔払いの
ヘイル牧師(溝端淳平)が
招集される事態となってしまう

深夜に儀式を
自身と関係をもち
今だ
思いをよせる農夫ジョン・プロクター(堤真一)を
妻であるエリザベスから引き離し
自分が代わって
妻になろうとするアビゲイル
亡き母に会いたい一心で
ブードゥー教の
死者と会話できる儀式をしたと
父パリスに言えず
心身を病むベテイ
そして
深く考えることもなく
好奇心で儀式に参加した
少女達も
真実を語る事はなく
噂が独り歩きをはじめる



元々
村に生じていた
パトナム家とレベッカ・ナース(立石涼子)
及び
ジャイルズ・コーリー(青山達三)との抗争
等が拍車をかけ
アビゲイルは
真実を語るどころか
自分に
都合の悪い人間を
悪魔の手先
魔女と言い始め
一連の行動や言動に
口裏を合わせる少女達
数々の虚言が
遂には
彼女達を聖女として崇めていく

セイラムでは
無実の人々が次々と逮捕
処刑されていく
アビゲイルとの不義のため
妻エリザベス(松雪泰子)と気まずい関係にあるジョンは
パリス牧師が気に入らず
教会に行かないことをヘイルに指摘され
魔女の嫌疑をかけられてしまう
そこへ
ジャイルズが妻が拘引されたと駆け込む
ジョンは
魔女告発の一人である下女メアリーの言動から
パトナムやアビゲイルの陰謀に気づくが
時すでに遅し
アビゲイルの魔の手は
エリザベスにまでおよんでしまう



ジョン
ジャイルズらは
ヘイル牧師の協力で
ダンフォース判事(小野武彦)に
魔女騒ぎはパトナムのでっちあげと訴え
ジョンも
自ら犯したアビゲイルとの過ちを告白し
妻の赦免を願いでるも
アビゲイルの虚言と
アビゲイルに起因する
少女達の
集団ヒステリーによって
逆に入牢されてしまう

季節は
秋から冬になろうとしている
この間にも
聖女と化した
少女達によって
魔女とされた
多くの村人が入牢する事となり
家畜が村をさまよい
収穫もできないまま
田畑は荒れ
セイレムの村は
混沌とした状況となる
この段階でようやく
村人達は
この現実に疑問を持ち始めるのだが
身の危険を感じた
アビゲイルは
パリス牧師の家から
お金を盗みだし行方をくらましてしまう



パリス牧師は
アビゲイルに
騙されていたと気付くも
己の過ちを
悔い改めるどころか
自分の保身の為
ダンフォース判事は
裁判の正当性と保身の為
夜明けと共に執行される
処刑を中止させるとジョンに持ちかけ
虚偽の告白をさせさせようと試みる

一方
アビゲイルの企みに
いち早く気付いたいたヘイル牧師も
ジョンをはじめ入牢にている
無実の村人達に
神を信じて命を失うよりも
偽りの告白であったとしても
生きることこそがすべてであり
神の御心に背くことなのだ
と説いて回るのだが…

エリザベスから
最後まで否認を貫いた
ジャイルズとその妻マーサの
死の真相を聞かされ
虚偽の告白することが
ジャイルズや同じ死刑の判決を受けた
レベッカ・ナースら仲間を
裏切ることになると悩むが
一方で
エリザベスや
残される3人の息子達への愛を
断ち切ることができず
刻一刻と
処刑の時間が近づいていく



後日談知りたいです
物語的には
パリス牧師
ダンフォース判事をはじめとする
一派はひとり残らず
殺されるか
裁判で罰せられるんだろうね~
少女達も
セイラムにいられなくなって
家族共々出ていくか
離散かなぁ~
と言うか
セイラムの村自体が
廃墟と化すとか?

今でこそ叔父である
パリス牧師の下で生活しているけれど
アビゲイルって
相当辛いと言うか
凄惨な幼少期を過ごしたんじゃ~
ないんだろうかと思いました
ベティにしても
母恋しさ度が普通じゃない!
パリス牧師との関係も
上手くいってなかった気がする
そういう
設定で演じていたのかな
少なくとも
アビゲイルを演じていた
黒木華さんからは
そんな雰囲気を感じました
すご~く
小賢しいイヤな小娘です
それを演じた
黒木華…
アントン・チェーホフの
『ワーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』なんか
ぴったんこの舞台女優さんです
正統派の舞台女優?



真っ正直に神を信じ
限りなく正しく生きようとする
エリザベスの生き方は
夫や息子に対して
正直とか誠実なんじゃなくて
あくまでも
対神様 対教え
何をおいても‘神’ありき
なんですね~
典型的な
一神教の考え方
気高いと言えば気高いけれど
清廉潔白過ぎて
柔軟さに欠けており
結婚なんかしないで
修道女になればよかったんじゃない?
と若干腹立たしくなるキャラでした
一本筋の通った妻を演じた
松雪泰子さんは流石です

旦那のジョン
人間的と言うか
‘迷える羊’感満載でした
アビゲイルに
ちょっかい出したばっかりに…
髪の毛短くしたせいか
堤さん
実年齢より
若く感じたのは
σ(^_^;)だけ?
教徒として殉ずるか
はたまた
夫として父親として生きるか
多くの雑念と誘惑が飛び交う中
最後に選んだ道が
正しかったのかどうかは
分かりません
分かりませんが
報われて欲しいと思いました
堤さん!
今回もえがったっす

溝端淳平さん
素人のあたいが言うのも
何ですけど
上手くなったよね~
何か所かかんだけど(笑)
亡き蜷川幸雄さんも
喜んでくれてると思うよ



この話は
明らかに
集団ヒステリー
集団パニック
今の時代じゃ~
絶体有り得ない
とは言いきれないから怖い
見えない‘悪魔’の存在
その手先‘魔女’として
告発されることへの不安と恐怖
入牢されたものへの嗜虐的な愉悦
それぞれの内に秘めた「思惑」「邪心」「欲望」
それらを払しょくする神に対する畏敬の念
人って
些細な事で
疑心暗鬼に陥る生きものなんですね~

るつぼとは
物質を溶かしたり高温処理するときに使う耐熱性の容器
色々なものが混ざり合っていること
興奮や熱狂した雰囲気がその場を支配したさま

見応えのある
舞台ではありましたが
理路整然とした台詞まわし
抑え気味の会話からは
タイトルもつ意味あい
興奮や熱狂した雰囲気は感じませんでした
どちらかと言えば
混沌とか信仰の矛盾とか
そんなモノを感じました


画像は演劇・ミュージカルのポータルサイト シアターガイドより引用しています









鱈々(だらだら)

2016-10-21 | 舞台/役者
ジャーン(藤原竜也)と
キーム(山本裕典)
二人の男は
長い間
倉庫で働き
倉庫の中で
共に暮らしてきた

彼らの仕事は
ナンバーが印字された箱を
指示通りに
積み上げ
保管するだけの
単調な毎日

箱の中身は
知らない

ジャーンは
与えられた仕事を
完全にこなすことが
自分が
価値ある存在だと
確認できる唯一の方法と信じ
ひたすら
仕事に励む

一方
キームは
単調な生活に
嫌気がさし
適当に働き
夜は
外で酒を飲み
女と遊ぶ

ジャーンは
キームを
家族のように想って
世話を焼くが
キームは
それが気に入らない

そんなある日
キームの遊び相手
ミス・ダーリン(中村ゆり)
更に
トラック運転手(木場勝己)である
ダーリンの父が
倉庫に現れ
二人の日常に
変化が訪れる

二人は
倉庫での暮らしを
このまま
続けることができるのか



見終わった直後は
何を言いたいのか
何を表現したかったのか
全然わかりませんでした
ですが
これって
元々
隣りの国の作品なわけで
それを
年頭に置いて考えると
見えてくるモノが…

因みに
隣りの
見知らぬおっさんは
最初から最後まで
公演時間ず~っと
爆睡してました


何故
ジャーンとキームが
倉庫で
寝起きしながら
運ばれてくる
箱の出し入れを
生業にしているのか
倉庫外の世界が
どうなっているのか
全くわかりません
倉庫はいくつもあり
一様に
ふたりのような
暮らしをしているようです
飲み屋もあるので
外界と完全に隔離された
世界ではないらしいけれど
取り敢えず
ふたりは
とても
閉鎖的な環境の中
おのおの
アイデンティティー
(自分の生きるよすがと言うか存在価値)を見い出して
取りあえず
平穏に暮らしていた

ところが
二局の存在価値で
均衡を保ちながら
暮らしていたところに
ミス・ダーリンと
彼女の父親にして
トラック運転手と言う
新たな(異なる)
アイデンティティーが介入したことで
ジャーンとキーム関係に
波紋(=不協和音)が発生し
あっけなく
均衡が崩壊してしまう

厳密に言えば
アイデンティティーなんてものは
唯一無二であって
互いに
相容れるなんて
容易ではない
そこに
価値観の相違云々
持ちこまれちゃったら
これはも~
完全にアウトです



均衡の崩壊
その原因は何なのか!?

何が正解で
何が不正解だったのか
何で
こんな風になってしまったのか
誰の行動がが正しくて
誰の行動が間違っていたのか
誰が
こんな風にしてしまったのか

気付いてしまいました!
全ての事柄は
正しくもあり不正解でもある
全員の行動は
正しくもあり間違ってもいる
明確な答えが無いんです

昔は箱をみれば
その中に
何が入っているのかわかった
でも
今は番号がふられているだで
何が入って
いるかわからない

なら
開けてみればいい

この部品は!?

何かの部品かも!?

一度に
沢山の人間を殺せる爆弾!?

開けなければよかった

こんなの
閉めちゃえばいいだけよ
誰にも分らない


キームが
故意に
指示された以外の箱を
荷に紛れ込ませた事を知った
ジャーンが
正直に箱の持ち主に
知らせようと
手紙を書くも

届く訳がない

そんな事をしても
意味がない

誰も困らない


etc.

何気ない
この会話が
実は重い
そして怖い



四人の中で
唯一
異なる存在や価値観を
受け入れていた
受け入れようと
努力していたのは
ジャーンだけでした
ミスを指摘に
正そうとしたのも
彼だけでした

しかし
不平・不満・責任回避
現実逃避・未知数の希望
行き当たりばったりの
現状打破
様々な感情・行動が
波紋となり広がっていく中
これまでの
平穏が荒らされ
あっけなく壊される

ダーリンは
ドサクサに紛れて
ジャーンの所持品も
持ち去っていく

キームが去っても
ジャーンは
独り残って
アイデンティティーを
淡々と
守っていくのです
淡々と
生きていくのです
はたしてそこに
救いはあるのでしょうか

無いと思う
救い…

閉鎖された倉庫を
換えてみましょう!
四人の登場人物を
気質や行動パターンも含め
置き換えてみましょう!
そうすると
『鱈々(だらだら)』の世界観が
まるで違ったモノに
見えてきゃう

或る意味
痛烈な社会風刺的
作品なのかも
と思えてくる


キームが去り際
残していった
干物と化した鱈(たら)の頭部
それは
考える力はあっても
実行に移す身体(力)はない
ジャーン
そのひとそのモノ!?
頭と体が
バラバラなんですね~
想像してみて下さい
置き換えてみて下さい
リアルですね~
こわいですね~
嫌ですね~

タイトルの
鱈々(だらだら)って
深~い意味が
あったんですね~

   
        

藤原竜也って人は
映画俳優でもない
ましてや
テレビ俳優でもない
根っからの
舞台役者ですわぁ~
舞台に立っている時が
一番
しっくりします

山本裕典
タンクップから
時折
垣間見える
大円筋が
まぁ~よく動くこと!
上腕二頭筋と三頭筋が
美しかったです


木場勝己
花札を袖から
何枚も出してくる
隠し芸(マジック)
小さな演出
楽しませて貰いました


中村ゆり
角度によって
綾瀬はるかに
似てました!
声質も似てたかなぁ~

SHINKANSEN☆RX 『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』

2016-09-18 | 舞台/役者
時は平安
1016年
竹から生まれた
美しいかぐや姫が
月へ帰ると言う
翁と嫗は
これまでの
豪華な生活水準を
下げたくないと
かぐや姫の
地球滞在の延長を
申し出た

では
コンパを催してください!




かくして
京の都中から
我こそは!

かぐや姫ゲットに
集まった
貴族の青年のひとり
容姿端麗・文武両道
光源氏の
モデルになりそうな
(なり損ねた?)程の
完璧なキャラにもかかわらず
持って生まれた
性格のせいか
何をしても
‘too much’感が
否めない
藤原藤志櫻(ふじわらとうしろう)が
最有力候補になった



自信満々
かぐや姫に求婚するも
姫が選んだのは
藤志櫻
ではなく
その付き添いで
たまたま列席していた
家来の蛍太郎だった

生まれて初めての
挫折を味わった藤志櫻は
蛍太郎を亡き者にせんがため
竹林で待ち伏せをしていた
しかし
その竹林で
虫麻呂と名乗る男に
首筋を噛まれ
ヴァンパイアと化す



時が
流れること千年
2016年東京
1028歳となった藤志櫻は
輪廻転生したかぐや姫を
探し求めつつも
ボーカルTOSHIROと名乗り
ビジュアル系バンドで活動していた
ひょんなことから
前世占いの
マダム馬場と出会い
真剣に
かぐや姫の生まれ変わりを
探し始めた


                                

因みに
昔とは違って
人を襲うことなく
藤志櫻にベタ惚れしている
看護師長さんが横流ししてくれる
輸血用の血液で
生き長らえてます!

一方
そのころ
新宿歌舞伎町では
古参のヤクザ‘蛇之目’と
竹井京次郎(中村倫也)率いる
新進の半グレ組織
‘ナメクジ連合’が
反目しあっていた
ある事をきっかけに
彼らの闘争に
巻き込まれる藤志櫻



藤志櫻は
最愛の女性
とは言っても
千年前に
振られているので
一方的な片思い

かぐや姫の生まれ変わりに
会えるのだろうか…



かぐや姫の婿選びが
ど~して
ホラーになる訳?
ん??
爆笑コメディ
ちゃう
ヤクザと新興勢力の
覇権争いだ
って
気が付けば
地球侵略を目論む
エイリアンと
ヴァンパイアが
死闘を繰り広げる
勧善懲悪的展開になってる



いやいや
気が付けば
永遠に
相容れることのない
天敵
かぐや姫と藤志櫻の
一途な
恋愛劇にもどっとる…



宮藤官九郎さんよぉ~
いのうえひでのりさ~ん
ど~して
あんさん達は
あんなに
ハチャメチャな展開と
キャラ設定を
あんなに
感動的な作品に
仕上げちゃうわけ?

かぐや姫(エイリアン)と
藤志櫻(ヴァンパイア)の
歪んだ関係を
悲しくも美しく
切なくもオドロオドロしい
崇高で気高い
恋愛モノに
浄化させられるの?



とおい~よぉ~
舞台


小池姐さん
素敵ぃ~~
もっと
間近でもっかい
観劇したかったぁ~


やっぱり
生田斗真は
最高だぜい

生田斗真は
めっちゃ
歌って踊れる
現役バリバリの
ジャニーズだった


と言う事を
再認識した舞台でした

         画像はVamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~|劇団☆新感線公式サイト他より引用しています

劇団☆新感線『髑髏城の七人』season花

2016-09-11 | 舞台/役者
豊洲市場前に
観客が座る
ステージ中央が動く
と言う
舞台がオープンするらしい
その
こけら落としに
『髑髏城の七人』が
決まったらしい

髑髏城は
劇団☆新感線の
オリジナル作品で
1990年に
初演されて以降
幾度となく
再演されてきた
代表的な
作品です

しかも今回は
1年3ヵ月に渡り
「花 鳥 風 月」
の4部作構成に
なっているらしい

劇団☆新感線『髑髏城の七人』season花

贋鉄斎(がんてつさい) 古田新太
捨之介(すてのすけ) 小栗 旬
無界屋蘭兵衛(むかいやらんべい)山本耕史
狸穴二郎衛門(まみあなじろうえもん) 近藤芳正
天魔王(てんまおう) 成河
極楽太夫(ごくらくだゆう) りょう
兵庫(ひょうご) 青木崇高
沙霧(さぎり) 清野菜名

配役ですが
これまた魅力的でございます


   

                           舞台「髑髏城の七人~花」

劇団☆新感線の
ファンクラブに入会しているので
ぼちぼち
先行予約のお知らせ
来るのかなぁ~
と思っていら他
今回は
別枠みたいで
既に
チケットの
先行受付
始まってました

ステージアラウンドFC入会



入会料とか
会員登録料
かからないので
即入会!
通常ルートでは
劇団☆新感線のチケット
手に入らないですから


「花鳥風月」
それぞれキャストも
変わると思われ
σ(^_^;)としては
久しぶりに
堤真一さんとか
客演して欲しいなぁ~
と思ったりしています

まずは
Season花
チケット
当選するといいなぁ~

            画像/動画はIHI STAGE AROUND TOKYO他より引用しています

娼年

2016-09-07 | 舞台/役者
森中領は
ごく普通のフリーター
毎日を無気力に送っていた
ある日
友人の進也が
40代半ばの
美しい女性
御堂静香を伴い
店にやって来た

「女性なんてつまらない」
そう言い放つ領に
‘情熱の試験’を受けさせる
と言う静香

それは
静香が経営する
ボーイズクラブ‘クラブパッション’に入るための
採用試験だった
最初こそ戸惑うが
領は
娼夫の仕事にやりがいをみつけていく
それは
女性ひとりひとりの中に隠されている
原始的な欲望を見つけ
それを
心の陰から実際の世界にひきだし
実現していくこと

領と出会い
彼との時間を過ごすことによって
彼を買った女性達は
自分を解放していけるのだ

領と静香は
次第に惹れあっていく
静香に褒められたくて
ずっとこの仕事を頑張ってきたと言う領
その思いを受け止めることを
決めた静香であったが…



石田衣良原作
『娼年』
続編の『逝年』を元に
舞台化された作品

石田衣良と言えば
言わずもがな
『池袋ウエストゲートパーク』
『アキハバラ@DEEP』

今回
脚本・演出担当したのは
三浦大輔
2006年
第50回岸田國士戯曲賞受賞
『愛の渦』

R-15指定作品
観劇して参りました

リョウ(領)を
娼夫として
品定めする
静香の娘・咲良
リョウに迫る
大学のゼミ友メグミ
そして
領を買い
身体を重ねる事で
己の中にある
欲望を認識し
自らを
解放していく
女性を演じた
女優陣の
役者魂に
感服いたしました
テレビで
ご活躍されている
名の知れた
女優さん達でしたし

あそこまで
よくもまぁ~
ってな感じです


                          舞台『娼年』松坂桃李 高岡早紀コメント

σ(^_^;)は
2階席の
上の方から
見ていたんで
あれですけど
1階の
舞台近くの席だった人は
目のやり場に
困ったんちゃう?
松坂桃李ファンは
ミーハー気分前回で
楽しんでいたのかも…

『エンジェルス・イン・アメリカ』
とか
『身毒丸』
もそこそこ
ディープだったけど
刺激的と言えば
刺激的
過激と言えば
過激的
ディープな演出
では
ありました


ごめんなさい
何度
情事のシーン
見せられても
欲情せん!
ムラットしません!?



松坂桃李さんが
何度も何度も
裸体晒して
ガンバってくれてんだけど
情事の場面見ていても
エロティシズム
全然
感じません
抒情性とか
妖艶さとか
色っぽさがない
あの演出で
娼夫を買った女達の
悲しみや
屈折した
心の闇とか
自己の開放とやらを
表現できたと
思ってるんだろうか

三浦大輔の
演出だから
しゃ~ないか


                           舞台『娼年』スポット映像

エロティシズムではなく
肉体の触れ合いによる
コミュニケーションとしての
人間のぶつかり合いを
表現したかった
らしいけど
ん~~~
微妙です

と言うか
20歳の娼年の
物語ですもんね~
エロティシズムは
不要か!?
原作自体
ドロドロした
性欲やら性戯云々の
リョウが
HIVを発病に感染した静香を
抱きたいと
求める心情とか
静香が
自分の娘を
リョウの
SEXの品定めの相手に
あてがうとか
どうなの?
領の母親も
実は娼婦だったらしく
だからって

領 今ならお母さんの気持ち解かってくれるわよね

的な
亡き母のコメントは
如何なモノ?

舞台は
かなり端折っている訳で
やはり
原作読んでみないと
何とも
言えんわなぁ~
実体化された作品と
文字から
広がる
世界観とは
かなりの
隔たりが
あると思われます

とは言え
舞台見たんだから
何かしら
書かにゃ…


                    

松坂桃李にとって
森中領と言う
娼夫役のオファーを
受けるのは
大変
勇気のいることだったと
思われます
それでも
挑戦したその
前向きさは
評価したいです
ホントに
色んな意味で
難しい役だったと
思ったから…
役者として
幅が広がれば
良いですね

女優陣の
脱ぎっぷりの良さに
感服しました
江波杏子さんの演技
秀逸だった!
σ(^_^;)的には
唯一
色香を感じる
役所でした
上下に分けて
二つの空間を
表現していました
中央に配置された
なが~い階段の
使い方
良かったです

あと
あれだ!
気になったと言うか
心配になった人が…
カーテンコールに
登場した
松坂桃李です

遠目から見ても
随分
やつれていたような
気がした…
生気がないの

最初から最後まで
色んな意味で
気を遣わなきゃ出来ない
役どころだから
大変だよなぁ~
精根尽き果てる寸前
みたいな…
負のオーラ
感じました

4日の
東京公演で
終わりかと思いきや
この後
大阪&福岡公演があるようで…
大丈夫か松坂桃李!?
福岡公演
千穐楽(15日)まで
心身共にもつのか?
精神病むなよぉ~
舞台終ったら
生気養え~~~

ご清聴
ありがとうございました

              動画・画像はHORIPRO ONLINE TICEK他より引用しています

尺には尺を

2016-06-13 | 舞台/役者
舞台はウィーン
この街を治める公爵
ヴィンセンショーは
外交の為
領地での全権を
アンジェロに委任し
ウィーンを離れた


実際は
権力が
人をどう変えるのか
観察したいたがめ
修道士の姿に変装し
国内に留まっていた

以前から
公爵ヴィンセンショーの
法に寛容な統治体制に
不満を持っていたアンジェロは
性道徳につい
て厳しく取り締まることにする

折悪く
クローディオという若い貴族が
結婚の約束をした恋人
ジュリエットを妊娠させてしまう
厳格な
法の運用を決めたアンジェロは
‘結婚前に関係を持つことは法に反する’
と彼に死刑を宣告する
クローディオの友人
ルーチオは
修道院にいる
クローディオの妹イザベラを訪ね
アンジェロに会って
兄の死刑の取り消しをするように頼む
兄思いのイザベラは
アンジェロに面会し
慈悲を求めるが
何と
アンジェロは
イザベラに恋をしてしまい…


                                   あと5作品が手つかずとなっているそうです

先日
観劇して参りました
蜷川幸雄演出
「尺には尺を」

難解かと
内心
ビビッていたのですが
分かりや易く
かつ
ウィットに飛んだ
展開で
楽しゅうございました

シェークスピア作品は
とかく
台詞が
難解の上
弾丸の連射されるが如く
次から次に
飛んでくることもあり
σ(^_^;)
噛み砕く
暇がないと言うか
聞き逃す?
スルーせざるを得ない
感があります



ですが
今回はちと違いました!
特に
感心したのは
イザベラ役の
多部未華子さんです
彼女の声は
高音質
深津絵里さんタイプ
キンキン頭に響いて
不愉快になりそうだけど
これが不思議な事に
耳障りなヘルツではなく
凛とした
涼やかな
響き渡る
と言った表現が
ピッタリの音質なのです
普段
映画やテレビで
聞き馴染んでいた
音質とちゃう!

きっちり
舞台用の発声に
切り替えておられました
伸びのある
とても
聞きやすい音質でした
台詞の
ひとこと一言が
スッと頭に入ってきて
しかもちゃんと残る
だから
台詞の意味が
理解できて
演技や
その場の醸し出す
雰囲気ではなく
言葉が
しっかり咀嚼できる!
そして笑える
楽しみな
役者さんです



そして
もうおひとかたは
アンジェロ役の
藤木直人さん
映画「花より男子」
花沢類役を演じた
藤木さんがね~
テレビメインで
たま~に映画
みたいなスタンスかと
思っていたら
舞台4本目!?
シェークスピア
出来るんかい!?



意外や意外
舞台できるじゃん!
声も出てるし
滑舌も悪くない!
凛々しい

法に厳格な男
アンジェロが
一目ぼれした乙女を
モノにせんと
法と権力を笠にきて
あっけなく
道理から外れていく
しかも
まっとうな男かと
思っていたら
持参金を失った
婚約者を
誹謗中傷で貶めておいて
あっけなく
捨てるような男だったとは…

追い詰められていく様が
切羽詰まった感が
実に
リアルで
ざまぁ~みろ!
と思ってしまいました
σ(^_^;)

色んな役を
魅せて欲しいなぁ~



言わずもがな
辻萬長さん
声が
もう最高です
因みに
津嘉山正種(つかやま まさね)さんの声も
最高に素敵です
惚れ惚れします
勿論
声だけではありません
渋い演技も
好きです

カーテンコールでは
遺影にも使われた
蜷川実花さん撮影による
写真が…

あ~
これで
二度と蜷川さんの
演出を
拝見する事が出来ないんだと
思い知らされ
涙に暮れた次第です

あと5作品
されど5作品
彩の国さいたま芸術劇場では
この5作品の舞台化を
継続されるとのこと

何方が
演出を手掛けるのでしょう
蜷川幸雄を継承するのか
はたまた
新たな演出法で
挑むのか
待ちたいと思います

そうそう
舞台の結末ですが
あろうことか
公爵が
イザベラに結婚を申し込みます
イザベラは何
‘No’とも‘Yes’も発することなく
外へ飛び出して行ってしまいます
無言の承諾とも
拒絶ともとれる感じでした

次回の舞台観劇は
9月を予定しています

                画像はステージナタリー他より引用しています

ひとつの時代が確実に終わりを告げた日

2016-05-12 | 舞台/役者
日本を代表する
演出家蜷川幸雄

世界の蜷川が
本日12日
午後1時25分
肺炎による
多臓器不全のため
永久の眠りにつかれました
享年80歳

2010年
彩の国さいたま芸術劇場で再演された
ムサシ~ロンドン・NYバージョン(2010_05_27)
この作品が
小生が拝見した
蜷川さん演出の
最後の舞台となりました

σ(^_^;)
蜷川さんが
客席後方の
扉付近にお立ちになり
ご自身が演出された舞台を
ニコニコしながら
ご覧になっている姿を
横目で盗み見した事が
ございました

コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ(2009_09_16)
1部から3部まであり
3日間
シアターコクーンに
通いつめさせられ?
ヘンリー6世(2010_3_24)では
会場が
彩の国さいたま芸術劇場
開演13時
終演時間が
何と21時10分
しかも
帰りは
京浜東北が事故で動いておらず
携帯は
バッテリー切れ
どうやって
家まで帰ればいいんだぁ~
と焦りまくり
舞台の感動など
ぶっとんで
もう金輪際
さいたままで舞台
見に行くまいよ


心に誓った
なんつ~
思い出もあります

蜷川さんは
岡本健一(「唐版 滝の白糸」)
東山紀之(ミシマダブル「サド侯爵夫人」/「わが友ヒットラー」)
木村拓哉(「盲導犬」で初舞台を踏み以来舞台は敬遠)
岡田准一(「エレクトラ」)
生田斗真(ミシマダブル「サド侯爵夫人」/「わが友ヒットラー」)
松本潤(「白夜の女騎士」)
森田剛(「血は立ったまま眠っている」)
亀梨和也(「い種子は太陽のなかにある」)他
ジャニーズ事務所の
タレントさんを
結構
起用していました
願わくば
いつの日か
滝沢秀明を
抜擢して欲しい
脇役でいいから
蜷川組に
招集かけて欲しい
まっとうな舞台を
経験させて欲しい!!
と願っていました

想いは
届かなかった
永遠に叶わない
小生の願いは
夢と潰えました
(事務所がね~)

役者でも何でもなく
単なる
舞台好きの
一般人ではありますが
舞台の厳しさ難しさ
楽しさ素晴らしさを
気付かせて頂きました
ありがとうございました

謹んで
哀悼の意を表しますと共に
ご冥福をお祈りいたします

吉田鋼太郎さん
小栗旬さん
特に
藤原竜也さんあたりは
衝撃受けてるだろうなぁ~