続・黍生山の村夫子(きびゅうやまのそんぷうし)

黍生山の村夫子が「蜂を追いかけた」とか「山が笑った」とか言ってます。

四面楚歌

2024年01月11日 04時18分28秒 | 日記

足の骨折でもう1ヶ月もコタツムリ 当然ネタ切れ

で久し振りに漢詩を

 

先日NHKで「項羽と劉邦」をやっていました

垓下(がいか)の戦いで劉邦に敗れた項羽は防塁に立て籠もる

その夜防塁の外周から項羽の故郷「楚」の歌が聞こえてくる

実はこれは劉邦の策略でした

でもそれを聞いた項羽は「漢軍(劉邦)はもう楚の国までも占領したのか

と落胆し虞美人に次の詩を送ります

 

力拔山兮氣蓋世  力は山を抜き 気は世を蓋う
時不利兮騅不逝  時利あらず 騅(すい:項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何  騅の逝かざる 如何すべき
虞兮虞兮奈若何  虞や虞や 若(なんじ)を如何せん

 

これに対し虞美人はこの詩を返します

 

漢兵已略地  漢兵 已(すで)に地を略し
四方楚歌聲  四方楚歌の聲(こえ)
大王意氣盡  大王意気盡(つ)き
賤妾何聊生  賤妾(せんしょう)いずくんぞかりそめに生きん

 

虞美人がその後どうなったのかは不明です

一説には項羽から賜った剣で自害したとも言われますが

抑も虞美人の出自も正室なのか側室なのかも判っていません

 

 

コメント (6)
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