足の骨折でもう1ヶ月もコタツムリ
当然ネタ切れ
で久し振りに漢詩を
先日NHKで「項羽と劉邦」をやっていました
垓下(がいか)の戦いで劉邦に敗れた項羽は防塁に立て籠もる
その夜防塁の外周から項羽の故郷「楚」の歌が聞こえてくる
実はこれは劉邦の策略でした
でもそれを聞いた項羽は「漢軍(劉邦)はもう楚の国までも占領したのか」
と落胆し虞美人に次の詩を送ります
力拔山兮氣蓋世 力は山を抜き 気は世を蓋う
時不利兮騅不逝 時利あらず 騅(すい:項羽の愛馬)逝(ゆ)かず
騅不逝兮可奈何 騅の逝かざる 如何すべき
虞兮虞兮奈若何 虞や虞や 若(なんじ)を如何せん
これに対し虞美人はこの詩を返します
漢兵已略地 漢兵 已(すで)に地を略し
四方楚歌聲 四方楚歌の聲(こえ)
大王意氣盡 大王意気盡(つ)き
賤妾何聊生 賤妾(せんしょう)いずくんぞかりそめに生きん
虞美人がその後どうなったのかは不明です
一説には項羽から賜った剣で自害したとも言われますが
抑も虞美人の出自も正室なのか側室なのかも判っていません