べんがらちゃんの目

日本の美を伝えたい

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 315

2017-10-31 20:14:37 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 315

「鎌倉 天空の館」

 

前回ブログ写真の右側の塀沿いに歩くと

玄関ポーチになります。

床の仕上げは「人造石研ぎ出し」

施工にあたって

亀甲文様の目地を作成しなければならない

のですが、これを当社スタッフと

研修に来ていた学生とで

作ってしまったことには驚きました。

下地にこの立体的な目地材を置き

その中にセメントと小粒の種石を混ぜたものを練りつけ

乾いたら研ぎだしてこの仕上げとなります。

 建築主と床の素材を選択する際、埼玉県桶川にある

遠山記念館の床仕上げをご覧になり、大層気に入られ、

是非に!との要望で試みました。

 

玄関に使用した古蔵戸は購入時の塗装状態がよく

あえてべんがらは塗っていませんが

結果的に、ほぼ同じ色合いになっています。

 

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 314

2017-10-30 21:28:50 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 314

「鎌倉、天空の館」

それでは玄関から始めましょう

柱から左側のゾーンが駐車スペース。

右側が玄関へと続くアプローチ。

 軒先は垂木を二段構えにした「ふた軒」とし

先端を水平にカットして

シャープなデザインにしています。

 

壁、屋根組はべんがらで塗装していますが

柱は塗っていません。

 屋根を浮かせ軽快な印象を出すためです。

そのため柱が受けている梁も

正面右手の壁から延長させるのではなく

壁から離し、奥から1本物で伸ばしています。

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 313

2017-10-17 15:55:17 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 313

「鎌倉に建つ天空の館」

 

鎌倉には谷戸と呼ばれる

低い山に囲まれた谷あいの土地が

数多くあり、それぞれ名前を持っています。

 

山が迫っているところは

日当たりもよくないのですが

当地は谷戸のへそに位置し

しかも

台地のごとく盛り上がっているような

地形なので一日中、日が差します。

また天気さえよければ、

山間から垣間、富士山を遠望する土地でもあります。

谷戸の中にありながら空が広がる場所!

そこから副題を決めています。


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 312

2017-10-16 13:07:36 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 312

鎌倉設計工房の藤本です。

「数寄屋ルネサンス」続けます。

 

5年前に新築した建物の1階部分を

新築前の元の昭和の家に戻す

「数寄屋ルネサンス」、

新築後、5年の経過であっても

住まい手の意識には変化が見られ

今回の改修になったのですが

これとて完璧とは言えず

今頃は、さらに手が入っている

のかもしれません。

そうやって次第次第に「我が家」

という存在が醸造されていくのでしょう。

 

今回のプロジェクトでは

見積り契約後、解体工事途中の段階で

工務店が去り、致し方なく

個別の職人さんに工事を分けて発注する

分離発注により工事を行うことに。

 

 改修工事は天井や床を外して初めて

隠れていた部分があらわになります。

 事前の調査で状況把握に務めますが

時に不可測のじたいもあり改修工事の見積りは

リスクが大きい。

かといって分離発注工事でも

過大な見積もりを承認するわけにはゆかない

 

最終的に分離発注による工事費は

許容範囲内に収まりました。

 

計画段階から完成まで、

設計監理には2年半を費やしましたが

建て主も設計者も試行錯誤を繰り返し

満足のゆくものにたどり着けたといえましょう。

 

次回からは新たなテーマです。

 

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 311

2017-10-13 13:11:16 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 311

「数寄屋ルネサンス」

洗面化粧室、陶器やコーリアンではなく

ここはステンレスを使用しています。

建て主が以前住んでいた昭和の家がそうであり

引き出しも当時のものに近づけています。

 

シンクにゆとりを持たせ、深めに作っているのも

水を一旦洗面器に入れて

それから洗顔する「伝統」を引き継いでいる

ところからきています。

 

わきの杉板は天井板の余りですが、浮造りの杉材が

光を受け、その表情の豊かさを

まじかに見ることのできるスポットになっています。

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 310

2017-10-12 13:12:03 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 310

「数寄屋ルネサンス」

 

前回とは逆に

今回は浴室から

突き当りの和室を見ています。

(正確には、和室入り口の戸襖を、ですが)

和室の戸襖を開けると、トイレ⇒洗濯機⇒洗面化⇒浴室

と続くわけで、年齢を重ねても移動が

楽になるよう、ホテルのように

水回りを和室(寝室)の隣に設けています。

 

床の仕上げは杉の縁甲板

奥のトイレ部分のみCFシートに替えています。

手前の洗面室からは隣地の緑が眺められ

あわせて

たっぷりとした日差しもいただきます。

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 308

2017-10-10 14:47:45 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 308

「数寄屋ルネサンス」

奥の浴室を、和室から眺めた画像です。

和室(寝室)から

トイレ⇒洗面化粧室⇒浴室

と続きます。

木製浴槽は

5年前の新築時に、

この家で使われていたもの。

 

以前の浴室に使われていた、

柿渋のヒノキ板も

同様に、

今回の改修で

再利用しています。

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 307

2017-10-06 15:15:08 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 307

「数寄屋ルネサンス」

前回と同じ位置で撮影しています。

襖を占めると

だいぶ落ち着いた和室に

なります。

よく見ると柱は部屋の中央に位置していません。

柱から右の壁までは1820ですが

左は1517です。

隣地の樹木が障子に映るように

境界までゆとりがなく、内外の要求の

せめぎあいの結果の寸法です。

さらによく見ると、柱から左より

右の壁面のほうが手前に出ています。

この和室は増築なので

既存部分には力がかからぬよう

独立した壁を設けており

壁厚分、手前に柱を立てています。

光の当たり方で壁のずれが

よくわかりますね。

 今回のような改修工事では既存部分との関連を

どこまで表すか迷うところですが

すべて隠すのではなく既存部分を

新たな視点で表現し、

新旧の融合した味わいを出したいと思います。

 

 

 

 

 


日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 306

2017-10-05 17:17:42 | Weblog

日本の美を伝えたいー鎌倉設計工房の仕事 306

「数寄屋ルネサンス」

 

前回と同じ和室の写真です。

左の西側から、光が差し

右の東側サッシを通して庭に光を導きます。

右奥の洋室、左奥の浴室の様子も

前回よりはわかりやすいかな?

エアコンは以前のものを

再利用しています。

ここは朝から夕方まで一日中明るく

庭の緑も楽しめ、小さな公園に西は隣接しており

光や風、自然を満喫できる部屋になっています。