べんがらちゃんの目

日本の美を伝えたい

伊豆赤沢の家 ダイニング

2009-10-29 18:44:08 | Weblog

軒先ラインを扱った前回画像を室内までズームアップしたのがこの写真。
右側が玄関も兼ねた土間。左側はリビングや和室に続く。中央奥はキッチン。
中央左右の大黒柱が屋根構造を支える。画像上部は屋根まで吹抜けている。
白壁とベンガラ、杉の床板とインテリアを構成する素材はシンプル。
巾木だけが金属で壁の足元をシャープな印象にしている。
ベンガラ塗装の陰影の中で白壁や床の杉板が光の反射板になっている。

伊豆赤沢の家 その3 軒先のライン

2009-10-16 20:27:11 | Weblog
一見したところ前回の画像と同じに見える。が、今回は格子網戸を壁内に引き込んだため室内をハッキリと見て取れる。
この地域は虫が多い。現場でもたびたびカメ虫を目にし、否が応でも床や壁の通気部には注意せざるを得ない。
同時にコンクリートの犬走り部を設け、ご覧のように床も高くし、
演奏会でも行われそうなステージとなっている。

屋根は寄せ棟。二本の大黒柱で全体構造を支える。
屋根勾配は8寸、軒は1メートルだして、これほどの陰影が出来る。
1階床から軒先端までの高さは1.8m。室内で立っていても軒裏が見える高さだ。
外を見たとき、庭の景色は軒先線によって切り取られて見える。
京都の寺をめぐる時、このケースに多く出会うが、縁側に立っていても
軒のラインが全く視野に入ってこない。それほど高いところに屋根がある事例に最近遭遇した。
南禅寺塔頭の金地院大方丈だ。


伊豆赤沢の家 その2ベンガラを中央部に集中

2009-10-09 19:50:53 | Weblog
伊豆赤沢の家の紹介に戻ろう。
KAMAKOBO住宅ではベンガラ部分を1階に、2階部分は白壁と上下に分けるタイプが多い。
今回は開口部にベンガラ部分を限定した。壁も白からダークグレーに。
理由は国立公園内なので白壁にして周囲の緑と極端に対比させない、、、は表向きで、「汚れが目立たぬように」という切なるクライアントの希望から。結果的にこれはありだな。渋いトーンで。開口部が大きく網戸も縦に格子をいれ補強している。これがベールのように外から見え、内部の白壁がうっすらと浮かび上がる。
グレーの壁部分は建具が引き込むため分厚くなり、建物に量感が出てくる。
屋根の葺き方の違いは、デザインだが縦線の瓦棒ぶき部分の裏にセルロースファイバーの断熱層があり通気の為の二重屋根となり、軒先部分より厚く段差による薄い陰影ができる。

千倉のシーレその2

2009-10-05 20:09:56 | Weblog
今日はこれで3度目のブログ作成!
先週訪れた房総を記事にして、早く伊豆赤沢の家を紹介するためだ。
画像はシーレ、玄関脇の窓。通常建物の南側には大きな窓があり日がさんさんと降り注ぐ。前回画像を見るとシーレの玄関は南側。だが大きな開口部はない。ギャラリーの性格上、直射光を嫌う為だ。しかしこの窓については光を抑える意味より、外の景色を絵としてみせる効果がある。
奥の北側には掃き出し窓があり豊かな緑を望め閉鎖的なギャラリーの気を抜く。その窓辺あたりがカフェになっている。「自宅の居間でくつろぐ」風にテーブルには海の写真集、自然暮らしの本などが積まれている。ゆったりと落ち着くのはどうやら光のせいだ。壁は一面白。玄関やギャラリーは低めの天井、逆にカフェの天井は上に吹抜けボリュームを持たせ光を拡散している。それもあるが南側を閉じている効果が一番大きい。
鎌倉で北にダイニングとリビングをもって来た事があり光の奥深さに気づいた事がある。「南に大きな窓」も落ち着きを考えれば少し絞った方が良い。
今回地元の情報でシーレを訪れたが「房総の生垣」同様大いに刺激を受けた。

店の名前にちなんだエゴンシーレの絵葉書を買い外に出、雨上がりの明るい日差しの中、豊かな生垣沿いを駐車場へと向かった。




千倉のシーレ

2009-10-05 18:09:30 | Weblog

館山の隣、千倉に古民家を改装したギャラリーが在るとのことで立ち寄った。その店シーレを探したが見つからず、ナビもなく街道に車を止め周辺を歩いた末に発見。
館山同様、千倉の生垣もすさまじく、駐車場まで道幅2メートルの「トンネル」が続く。
画像は生垣の切れ目から見たところ。
敷地内の植物も豊か。
なるほど屋根を見ると古民家だ。が玄関にはアンティークの白色ドアしかも枠はブルー。
古民家とはかなり外れるが、さほど違和感はない。
内部が洋風に変っている事のシンボルになっている。

しかしこの辺は実にいい。
鬱蒼とした緑に覆われ、けもの道のごとく続く散歩道、時間が止まっているような環境。海の幸。
また 住みたい場所の候補が増えた。

房総の生垣

2009-10-05 18:04:41 | Weblog
先週金曜のブログ更新はお休みさせていただき、房総館山を訪ねた。
新築を依頼された若いご主人の故郷。
驚いたのは海岸近く、街道沿いの生垣である。
ブロック塀もあまり見かけず台風対策もあり生垣が地域の不文律になっているようだ。
街道のみならず枝道に入ってもご覧のとうり。境界沿いの生垣は住宅が隠れる程の高さがあり、敷地も大きくそのボリューム感たるやすさまじい。
幹線街路側は枝が伸びれば車に当り手入れを怠れないが、道幅が狭いとご覧のごとく両側の枝が伸びトンネルを形成することになる。

まちづくり活動に参加すると、「地域の宝は何か?」を模索する。
この房総の生垣は立派な宝だと思う。花の咲く生垣コース。混ぜ垣コース、トンネルコースなどの観光散策マップがもうすでに出来ているのかもしれない。