べんがらちゃんの目

日本の美を伝えたい

玄関廻りを詳しく

2008-05-29 18:53:55 | Weblog
玄関周りの画像が小さかったので
前回のブログノ内容、分かりにくかったかもしれません。
もっと近寄った画像にしてみました。

ドアの前に庇雨落ち用コンクリート溝を設け白石を詰め、
石が両端からこぼれ落ちぬよう数個を接着剤で留めています。
無論雨水の排水に支障が無いよう、点で、ですが。
ドアの内外に段差はなく玄関の床が平らなまま外に伸びています。
水切り及び隙間風対策として木製ドアの下部にスーパータイト(㈱ベスト)を溝にはめ込んでいます。ドアの開閉とともに自動的にゴムが上下する優れものです。


M邸のそと

2008-05-28 20:23:34 | Weblog
千葉M邸に塀はない。
この地の住宅協定が理由。
アメリカの住宅地のように道路から住宅まで芝生が広がる
といった開放感ではないが実にすっきりした印象を与えている。
わずかの階段が道路と縁を切る程度だ。
建物の足元、基礎コンクリートに添って白砂利を敷き枕木でおさえる。
階段とポーチも石で縁を切っているがこれはむしろ庇の雨落ちの役割。
ここの両端部、押さえは数個の石を接着剤で。
庇の懐は照明BOXとしてポーチや街路を照らすと同時に室内側も照らしている。
ドア脇の格子からは室内の明かりがもれ、玄関廻りを明るくするのに役立つ。
玄関ドアは檜材が落ち着いてからベンガラ塗装の予定だが、ワンポイントで
ところを得、このままでもいけそうだ。

バーズアイメープル?

2008-05-25 17:21:19 | Weblog
写真は前回ブログの千葉M邸。
以前この階段室の壁を下から見た写真を載せたが
今回は見下ろしたところ。
焦点をあてたいのは壁。
バーズアイメープルのように見えるが
実際はラーチ合板。
ベンガラを塗ると渋い「燻し銀」のような
艶を持った木目が現れる。
前回の床もベンガラを塗りその上に蜜蝋ワックスを
加えることでこちらは杉縁甲板が鈍く光る。
杉板は塗装せず素地のままでも「時間仕上げ」で味を出すが、
ラーチ合板は本来下地材であり表面のささくれ立つ粗さを
和らげる意味でも塗装を施した方が良い。
塗装は種々様々だが、ベンガラを塗ると斯様に味わい深い壁となる。


千葉のM邸

2008-05-19 19:48:36 | Weblog
以前のブログ「暗い家は想像力を豊かにする?」で紹介した千葉のM邸。
実際どのくらい暗いのか、現実に近いトーンの写真がこの画像。2階のライブラリー部分で右側は吹き抜けて1階の居間と通じる。正面左は階段室で数段下ったところが以前のブログで紹介した部分。天井屋根や吹き抜け部壁等、危険が伴うところはプロに任せたが、壁、床などの塗装は建築主が友人の参加も得て行った。床のみベンガラの上に蜜蝋ワックスを塗っている。扉、スイッチ、コンセントプレートは白とし暗がりでも目立たせ、照明器具の白はデザイン上アクセントとしている。梁を支える柱が前後して奥行きを出すがベンガラを全体に塗った奥深い効果はこのような比較的小規模の住宅に於いても予想以上に出ている。プロが撮ればもう少し正確な光の効果を画像上に表現できるのだが。

三角定規

2008-05-13 11:26:16 | Weblog

画像左側は昨日まで使っていたもの。
右は狭くなってしまった有隣堂の製図用品売り場で最近購入したもの。
左が機能しなくなったためニューフェースの登場だが25年後の今も
機能部はあまり変わっていない。
勾配調整ねじの材質、頂部の形状、ステッドラーの製品番号、セルの面取り角度、フォントなどが細かな変更。
だが、だが三角形の先端がストーンとカットされているのは如何に。この先端があくまで先細りになっているところに三角定規の意味があると勝手に思い込んでいる小生にとってかなり残念。
 「まだ手書きの図面なんですか?」といわれそうな昨今であるほどパソコンのハードソフトの発達は目覚しく、それが可能にする建築形態も次々と生み出される。
 「自分の手に教えられる」-何の気なしに手で描いた線が新たな形の発見やアイデアの発展に繋がる。そのような体験を多くしてきただけに未だに鉛筆は手放せずスケッチや実施設計のアイデア出しに三角定規も欠かせない。
 実施設計図はスタッフがパソコンで描くが最近、手書きで久し振りに描いて見た。平行定規と三角定規がカチカチあたる音がやけに響く。キーボードをたたく音やマウスをクリックする音とは異なり、はた織り職人のような気分。
 画像に話しを戻すと、左の定規は25年の歳月を物語っている。使い続けた味わいが出ていてニューフェースには及びも付かない。25年たてば同じでは?いやいや左の方は最初からそれなりの風格があった記憶があります。
 この三角定規という道具からも教えられることは、
「使い込んでゆくに従い骨董品のような風格さえ出てくるもの、時間に耐えられるものをデザインせよ。」でしょうか。
京都龍安寺の石庭を囲む油土塀は土の色に混じり色あせた黒やオレンジの錆色が出ておりこの色合いを見たさに訪れた事がある。
 先人は数百年後の今を予想してデザインした?か不明だが、三角定規の25年掛かってできる味わい、仕上げ、この塀の数百年かかる仕上げいずれも時間のなせるわざだ。
 軒の出が無く内外装とも白のモダン住宅は多いがどうやって時間に耐える?
 最近京都の老舗旅館の経営するサロンを訪れた。北欧家具や坪庭を引き立てるため1階は真っ白のインテリア。町屋の年月を経た土壁は2階の吹き抜け部に残している。
 龍安寺石庭と土壁のコントラストに触れる京都であること、建物に造詣が深いオーナーのデザインでもあることで真っ白の部分がどのような味を出しているか25年後ぐらいにもぜひ訪れてみたい。
 そもそも長い時間を想定していないデザインであれば、それはそれだが。