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敷地は北と東側が道路に面している。
北側からの画像だ。
東道路からの前回画像では奥の2階部分がはっきりと出てこないが
北からはこのように見える。
蔵と母屋が一つながりに建てられるのは京都の町屋、栃木、大谷石の蔵、
岡山の倉敷など枚挙に暇がない。
昨年、東日本大震災後8月に、文化財ドクターメンバーの一員として岩手、宮城の
文化財被害度調査を行った。
多くの家屋が流されたあとに蔵が取り残されたようにぽつんと
立っている光景に何度か出くわし、寂寥感とともに、蔵に安堵感を抱いた事がある。
都筑の家は貯蔵庫の役目をするわけではないが、このような、家のイメージの
原点のような形に、やはり安堵感に近いものを感じる。
横浜都筑の家を今まで紹介してきましたが
外観が最後になりました。
住宅においてこれほど陰影の美しさにこだわった家。
クライアントと建築家の志向がこれほど一致したこともなかった。
この家が世に生み出される前、
まだ図面の段階だったころからを思い浮かべると
実に奥行きのある家に育っていった。
最初のころは南側を意識して玄関周りのみに奥行き感、奥深さがあったが
奥に行くにしたがって場面が展開しそれが2階まで続く。
包まれるような落ち着き。
時間のふるいに掛けられても
じっと耐え切れるような住宅に近づいた。
先週末行われた
建物見学会には各回20名ほど
二日間で120名を越える方々にお越しいただきました。
近所の方がほとんどでしたが、建物に対しそれだけ多くの方々に
関心を持っていただきほんとうに光栄に思います。
ありがとうございました。
画像は前回の外観写真、中央のドアをあけて広がる中庭の光景です。
白い窓格子の連続する部分が2LDK+ライブラリーのメゾネット3戸、
左側1階は談話室や奥に共同の食堂キッチン中庭と続きます。
2階は1DK4戸、エレヴェーターがついているのでお年寄りの一人暮らしもでき
オーナーが住んでいる心強さもあります。
今後とも居住相談や建物について気軽にご連絡いただきたいと思います。