新河鹿沢通信   

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赤とんぼ乾燥米とブナハリタケ

2009年10月04日 | 農業

ハサ掛けの稲刈り95㌃分一週間で終わった。                     秋田での稲の刈り取りは99㌫がコンバイン刈りだ。コンバイン刈りだと30㌃の田んぼだとせいぜい一時間ほどで終わる。刈り取りが終わればJAのカントリーへ直行するか、自家所有の乾燥機で約10時間ほどで15.5㌫の水分に調整しモミすりすると玄米に仕上がる。モミの乾燥と言えば聞こえは良いのだが、考えてみれば乾燥機で灯油を焚いてモミ水分を脱水することに他ならない。

                                  赤とんぼ乾燥米ハサ架け 2009.09.27湯沢市川連町上平城                

天日乾燥のハサ架けだと30㌃の田んぼを二人で2日間はじっくりとかかってしまう。ハサ架けで約2週間ほど乾かしてから脱穀をする。これも夫婦二人で丸一日の時間は当たり前だ。その天日乾燥米の一部を譲ってほしいという方々に「赤とんぼ乾燥米」の名前で分けている。 が、こんな時代遅れのような栽培から多くの人たちは離れてしまった。

今年の夏はそれほどの暑さもなく、さらに日照不足で稲の生育は少し遅れ気味。コンバインでの稲刈りは10月に入ってやっとはじまったくらいだ。

ハサ架け作業の終わったて三日後、奥羽山脈のど真ん中岩手県の秘湯「夏油温泉」の山を散策した。紅葉が始まって間もないのに、夏油の山も各地でみられるブナ枯れがみられた。ナラ枯れのように木そのものは枯れないとは言うが、紅葉もせず枯れてしまい葉っぱ落ちてしまうのは異常な光景だ。                             


ブナハリタケ 2009.10.01 岩手県北上市夏油温泉

いつもの年より早い生育といわれているキノコは、無残にも腐ってしまっていた。一週間早かったら大した収穫だったのに悔やまれた。帰ろうと山を下り始めたら、直径80㌢はあろうかと思われるブナの大木にぎっしりのブナハリタケ。ブナハリタケを当地ではカノカと呼んでいる。奥深い「夏油」の山でカノカに出会えた。稲刈り作業の疲れも一気に吹き飛んだ一日だった。