家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

専攻科の内容

2010年07月08日 | Weblog
専攻科の生徒さん達コメントを転載させてもらいます。3人メール最後まで無理だと思いますが何回に分けたお読みください。
写真では、分からないですがみんなで頑張ってます。


6月26日 1/5縮尺図描きの2日目 午前中は酒井さんから製図の線描きを中心とした基礎を。
・ T定規と、三角定規で水平線、垂直線を。(いつも左上から光のある状態や感覚で三角定規も使用)
・ 実線(外形線)と破線(隠れ線)、一点破線(中心線)、二点破線(想像線、動作線)等の使用法や線の太さに注意(0.8㍉と0.4㍉or HBと2H or シャーペン芯0.5と0.3)
・ 寸法線は左から光があることを意識して数字の書き込み(左下30度、と右上30度で数字の方向切り換え)
・ 断面図には断面になる所に斜線を入れ、「A-A’」の書き込み(アンダーライン付)を入れる。
・ 曲線はそれに合う半径又は直径に区切り、中心点の方向から円周に向け →(直径)、⇀(半径)の矢印を付け、「φ」or「R」の記号と数字をつけて表す。(数字大きい時は折れ線矢印)
・ 細かな説明が必要な時は言葉で入れてよい。言葉の下にアンダーラインを付けておく。 ( 「A~Eは滑らかに」 等)

なんて説明聞いても実際やってみなきゃちっともピンとこず。こんなのちゃんとやったのは中学1年か2年の職業・家庭の時間(今は技術家庭)。ちょっと本格的なコンパスやデバイダー買わされて、T定規と製図板を使って[JIS]マークを製図した以来。(昔はずいぶん難しい事中学でやっていた! 板の木取りから始め、8角形2段の植木鉢台を塗装まで仕上げるのもあり、授業で昇降盤も使った!)  説明とあんまり関わりの無い、なぜ1/5の寸法を記入しないで原寸を記入するの?、だの、トレシングペーパーじゃなくてもいいんではなんて疑問ばっかり湧いてきます。

で午後は各自1/5「縮尺図」の作成へ。とはいっても実際取り掛かる人はまだ誰も。(講師は別) たいていは構造の所でなかなか進まず。Sさんも午後から出てきて脚の太さなどでやっぱり悩んでました。(みんなあんまり進んでませんから安心を)
私は頭の上の丸棒をつけるには「A型」外形に無理があるし、大体こんな板幅が大きく高さもあって重いものどうする、の基本的疑問も。全面的にデザインから考え直すのでしょうか・・ Sさんからは、「図面の段階でそれに気づくのは、図面を描いている意味があったのです」なんてホメラレ?!たり・・ ああ、今日1日何してたんでしょう

Sさんからのメール
皆々様
 さてと、よく「産みの苦しみ」といいますが、創造することには、苦悩というやつがもれなくセットでついてきます。
 私はドカティのエンジンを載せたレーシングパンタというオートバイに18年乗っていますので(細かいことははぶきますが)苦悩と浪費!の連続です。し
かしなぜやめないかというと、苦悩の後に来る「歓喜」が途方もないからです。(でもおすすめはしません。)
 何をいいたいかというと、今は、だいたいのかたは五里霧中のような気分で、軽いウツ状態な感じもしていると思いますが、もうしばらくするとそれまで何
もなかったはずの壁にドアがパッとあいて「歓喜のときがやってくるはず」だということです。けれども、そこまで行くには、苦悩という段階がどうしても必
要なのです。近道はありません。
 ここで一度「自分の原点にもどる」(つまりコンセプトシートですね)のも有効です。そうすると、ここへきてこだわるべきこととと、そんなにこだわらな
くていいことがあるのに気付きます。(多分)
 そうして自問自答を進めていくと、次第に既成(自分の)概念から離れて、「そうか、別にこうでなくてもいいじゃん」と思えるところが見えてくるはずで
す。「君子は豹変す」で、大切なことだけ残して大胆に変えてみましょう。
 今皆さんが取り組んでいるアイデアは、おせじではなくとてもクリエイティブです。でもなぜそれが今まで世の中になかったのかを考えてみてください。そ
こには、なかった理由があるはずです。
 そうです! 難しいからです! 
構造! 強度! 機械適性! 工程数! 材料費! 人件費! ニーズ! 流通適性! 価格! 不景気! ・・・・・ そういった要因をクリアしなければ
ならないのですから、クリエイティブなデザインがクリエイティブであるがゆえに困難を極めるのは当然のことではないでしょうか?
 しかしその一方で幸いなことに、今回は「自分で作るん」ですから上記の要因はへっちゃらなんです。(無視しちゃだめですよ。)
 そんなこんなで、ウンウン言いながらも楽しんでやりましょう。  
(当事者の皆さん以外にはわかりにくい記述があるかもしれませんが、ご勘弁願います。)

N 講師からメール
先日5分の1の寸法表記について説明いたしましたが、果たし
てすべてご納得いただけたかどうか・・・心配になり追加説明
させていただきます。
まず、図面というのは本来原寸(1/1)が原則です。原寸をみ
ながら詳細の形状をきめたり、制作者は正確に作られているか
確認します。
ですが、ワードロープなど原寸で描こうとするととても紙が大
きくて描きづらいし、見るのも大変ですよね。まして船やビル
の原寸など・・・。
そこで縮尺図が必要となるわけです。縮尺図はモデルを作る為
の図面ではありません。モデルと縮尺が同じ為たまたま利用す
るだけです(東京スカイツリーの図面が出てたとして高さ634
ミリという表記では見る人困りますよね)。ですから縮尺図は
図だけが縮小され、寸法は実寸なのです。

さて、今回の縮尺で5分の1が使われるのは何故か・・・。や
はり基本は原寸なのですが、デザインを進めるさい全体像と寸
法のバランスを確かめるのに丁度良い、図面化するのに大きす
ぎず小さすぎず、正確に描きやすい(例えば10分の1だと一ミ
リ狂うと原寸では一センチ狂う)、5の倍数なので計算しやす
い、などという理由があります。
初日の授業でもご説明しましたが、縮尺図で全体のプロポーシ
ョンを決め、モデルで実際の立体のイメージと構造の問題点を
洗い出し、原寸で詳細の形状、構造を決定します。

紙の上なら何度やり直してもたいした損害ではありません。む
しろ何度でも書き直して、或いは何枚も描いて完成度をあげて
下さい。優秀なデザイナーを何人も抱える自動車メーカーだっ
て1台の車のデザインが決まるまで、何百台分のデザインをお
こし、最後に原寸のモデルを4~5台つくり、さらにディテー
ルを何度も変更していくんですから。向こうは失敗が何億にも
なるので必死です。われわれも材料費自分持ちなので必死です
(笑)。でも紙の上の失敗は紙代と消しゴムのカス代です。紙
の上では恐れずに何度も描いてみましょう。



7月3日授業

2010年07月06日 | Weblog
初級は、午前中久しぶりに製図の授業でした。初めてトライする生徒は、真剣に図面に描き込んでいました。



午後からは、ほぞの練習です。天野講師の実技を一生懸命見る生徒さん

練習する生徒さん達

出来上がり作品

上級は、来週の試験向かって最後のトライアルで頑張ってました。

蟻組のアップ写真

7月3日中級特派員便り

2010年07月05日 | Weblog
中級特派員便り

7月3日@伊勢原。曇り時々雨

中級特派員便り

実技の前に工場見学ツアーがありました。大型機械が立ち並び圧倒されます。機械に使用する工具類、ジグ類の多様さはさすがです。前回、スツールの引き出しの板材を加工しました。その材を工場内の大型ベルトサンダーを使って研磨しました。
実習工房にて、横切り盤、昇降盤にて引き出し用板材の加工、スピンドル盤にて板材の縁の装飾加工を行いました。セッティングなども一部を生徒に任されるようになり、生徒にも自信と自立心が・・・・芽生えて欲しい講師の気持ちでしょうか。
しかし、板材の装飾加工のスピンドルは緊張する加工機械です。

堀江記


写真1:生徒が自ら機械の寸法セッティング。 中級っぽくなりました・・・・・かな?

写真2:厳しい2人の監督の目を背後に感じ・・・

写真3:生徒が自ら考えることが大切です。

写真4:スピンドル加工は家具の装飾加工に大切なもの。仕上がりの見映えが上がります。