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「アイヌモシリ」 福永壮志監督 日本アメリカ中国合作 ✗ ☆

2020-12-19 | 2020映画評


「アイヌモシリ」 福永壮志監督 日本アメリカ中国合作 ✗ ☆

 アイヌの少年がアイヌコタンで暮らしながら自らのアイデンティティを考えていく物語をドキュメンタリータッチで描きました。
 阿寒湖畔のアイヌ民芸店の息子カント(下倉幹人)は中学生の仲間とともにバンド活動をしています。卒業後はアイヌであることにこだわって生きることより普通に高校生になりたいと考えていました。そんな折、亡くなった父親の友人でアイヌコタンの中心人物でもあるデポ(秋辺デポ)から森の中でのキャンプに誘われます。デポからアイヌの習慣や知恵を教えられただけでなく、秘密の子熊(チビ)を一緒に世話をすることを誘われます。餌やりをすることでカントのチビを可愛がるようになるのですがなんとイヨマンテが行われることになってしまうのでした。
 
 映画初出演ながらも気負いのない淡々とした演技でドキュメンタリーのようでした。母親と店に現れた観光客との一言二言のやりとりでシャモ(和人)が持つアイヌへの誤解と偏見をさりげなく表しています。「日本語じょうずですね。」に対し笑顔で「一生懸命勉強しました。」と答える母親の姿が印象的でした。実は一生懸命勉強しているのはアイヌ語なのですが。
 儀式での民族衣装が大変美しく画面に映えていました。また、「イヨマンテ」の映像にかつての記録映画を組み合わせた演出もわかりやすく良かったと思います。
 歴史的な差別の問題などをさらっと流し「今のアイヌの姿」を美しい自然の中で描き阿寒湖へいざなう前向きな作品です。日米中合作というのもなんとなく嬉しい。(☆)

 タバコは、母親が外で喫煙する姿が一度、地域の集会で隣の部屋で加熱式タバコを喫煙する参加者が一人、そして問題なのは宴会の席で喫煙が一度ありました。歴史的にもアイヌの人々との交換物資の重要なものがタバコでしたが、今もその伝統は残っているのでしょうか。残念です。(✗)

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