「最強のふたり」 エリック トレザノ監督 仏 ××××
パラグライダーの事故で全身マヒになった大富豪フィリップが自分の介護人としてスラム育ちの黒人移民ドリスを採用します。階級が異なるふたりは音楽や娯楽の好みもかみ合いませんが、フィリップは障がい者として同情しないドリスに好感を持ち、ふたりは生涯の友となるのでした。
内容的には、金持ちでわがままな障がい者と心優しいチンピラとのからみ合いの作品です。特に車椅子や発作を武器にして警官を欺く冒頭の場面などは不愉快です。結末は誰にでも予想でき映画としての面白味はありません。どうしてヨーロッパで記録的な観客動員数なのか不思議です。ただし、ドリス役のオマール シーは魅力的でした。
タバコの扱いは大問題です。スラム出身(まわりにも喫煙者がたくさん映ります)のドリスはニコチン依存症で(×)なんとフィリップにタバコを吸わせ、完全なニコチン依存性にしてしまいます。(×)そのうえドリスの後任の真面目な介護者がタバコを要求するフィリップに対し「肺に良くないから・・・」と言うとプイとすねてしまいます。ラストに本物のふたりがちらりと登場しますが、そのときも実在するフィリップはタバコをくわえています。(×)女性の秘書も外で喫煙していました。(×)
このようにタバコに対して問題のある作品を「フランス大使館」が後援するというのは「フランスはこんなにタバコ対策が後進国なのですよ。」と宣伝しているみたいですね。