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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「森の守り人(もりびと) イサムの場合」

2023-01-23 | 2023映画評


「森の守り人(もりびと) イサムの場合」 中井信介監督 ☓☓

 インドネシアボルネオ島でパームヤシを植えるため森林伐採に対して植林活動をする小さな環境NGO「FNPF」(Friend of Natural Park Foundation)
の姿をドキュメンタリー映画にしました。
 カリマンタン州ではアブラヤシ農園にするため大規模な森林破壊が行われました。熱帯雨林ではさまざまな植物が生い茂りさまざまな動物が生息していますが、単一栽培の農園では生物多様性はありません。経済性のみです。
 「FNPF」のメンバーであるイサムはかつて違法伐採や砂金採りなど環境を破壊する仕事をしていましたが、「それでは子どもの未来が危ない」と気付き植林活動をするメンバーになりました。個人生活には色々問題はありますが・・・。

 アブラヤシから作られる「パーム油」は日本でもほとんどの加工食品に使われています。その陰には環境破壊があることは知識として知っていますが、四国より広い熱帯雨林を燃やして(放火?)農園にしてしまう資本のやりかたまでは知りませんでした。
 「イサムの場合」というタイトルなので仕方がありませんが内容として彼の個人生活の場面が多く期待していた「パーム油」問題はあまり掘り下げられなかったのが残念でした。

 タバコは、NGOのメンバーに喫煙者が多く常にタバコを手にしていました。そのタバコが実は同じインドネシア内の別の島で児童労働によって安価に生産されているというもう一つの人権問題まではまだ考えが及んでいないことが重ね重ね残念でなりません。


「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」

2023-01-23 | 2023映画評


「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民」 金子遊監督 ☓☓

 タイとラオスの北部山岳地域に暮らす超少数民族ムラブリの人々の姿をムラブリ語の収集をしている研究者伊藤雄馬をコーディネーターにして追ったドキュメンタリー映画です。
 現在タイとラオスに3つのグループに別れて生活する彼らはお互いを「人喰い」などと恐れています。伊藤はスマホのカメラ機能を駆使してお互いの存在を見せ融和を図ろうとします。

 ムラブリの人々は定住せず竹とバナナの葉などでささっと小屋掛しそこで食べるものを調達する以外はほとんどゴロゴロしているそうです。食べるものは森のなかで育つイモ類を焼いて食べ川で魚を捕まえスープにして食べます。
農耕をしないので時間や季節の概念も必要ありません。
 食べるものはみんなで分け合い時々タイ人の村へでかけ森の物と米、タバコと交換したり米をもらったりするようでした。
 奇妙なのは彼らの若者たちがすでに携帯電話を活用していて特に音楽が好きでイヤホンで聞いているのが普通になっていることでした。

 タバコは、年齢性別に限らず喫煙率が結構高く手製のパイプや紙巻きなどを吸っていました。