
「森の守り人(もりびと) イサムの場合」 中井信介監督 ☓☓
インドネシアボルネオ島でパームヤシを植えるため森林伐採に対して植林活動をする小さな環境NGO「FNPF」(Friend of Natural Park Foundation)
の姿をドキュメンタリー映画にしました。
カリマンタン州ではアブラヤシ農園にするため大規模な森林破壊が行われました。熱帯雨林ではさまざまな植物が生い茂りさまざまな動物が生息していますが、単一栽培の農園では生物多様性はありません。経済性のみです。
「FNPF」のメンバーであるイサムはかつて違法伐採や砂金採りなど環境を破壊する仕事をしていましたが、「それでは子どもの未来が危ない」と気付き植林活動をするメンバーになりました。個人生活には色々問題はありますが・・・。
アブラヤシから作られる「パーム油」は日本でもほとんどの加工食品に使われています。その陰には環境破壊があることは知識として知っていますが、四国より広い熱帯雨林を燃やして(放火?)農園にしてしまう資本のやりかたまでは知りませんでした。
「イサムの場合」というタイトルなので仕方がありませんが内容として彼の個人生活の場面が多く期待していた「パーム油」問題はあまり掘り下げられなかったのが残念でした。
タバコは、NGOのメンバーに喫煙者が多く常にタバコを手にしていました。そのタバコが実は同じインドネシア内の別の島で児童労働によって安価に生産されているというもう一つの人権問題まではまだ考えが及んでいないことが重ね重ね残念でなりません。