
「運び屋」 クリント イーストウッド監督 米 △NTS
巨匠イーストウッドが監督と主演をした、90歳の「運び屋」の悲哀を描く人間ドラマです。
アール(クリント イーストウッド)は長いこと家族をほったらかしてユリの栽培に熱中していました。しかし、インターネット販売の波に乗り遅れ事業は破綻、農場を差し押さえられてしまいます。そんな彼に「簡単な運転」の仕事が舞い込みます。頼まれた荷物を運ぶだけで莫大な謝礼を手にすることができました。1回きりのつもりが回を重ねることになり、自分が運んでいるものが「かなりヤバイ物」であることを知るのですが・・・。
娘の結婚式まで仕事を優先して欠席してしまうほど家族をないがしろにしていたアールが90歳になってやっと自分のしてきたことを後悔して、周囲の男たちに「家族を大事にしなさいよ。」とアドバイスする場面が何回か出てきましたが、これは今の夫や父親へのメッセージでしょう。ヤクザな男たちに囲まれても、また、警官に声をかけられても慌てず対応する姿が朝鮮戦争退役軍人らしさを醸し出していました。
エンディングのテーマ曲が「老いに負けるな」というような内容で生涯現役のイーストウッドへのはなむけとなっていました。(日本語訳が生きました。)
タバコは、メキシコの麻薬カルテルのボス(アンディガルシア)が葉巻を持っていました。60歳過ぎた俳優に喫煙させるのは危険です。