
「愚行録」 石川慶監督 ☓☓☓
貫井徳郎の直木賞候補となったミステリー小説を映画化しました。
エリートサラリーマン一家が殺害されて1年が経ち、週刊誌のライター田中(妻夫木聡)は再度この事件の真相究明記事を書くために関係者への取材を始めます。主に殺された夫婦の大学時代の人間関係が次々明らかになっていきます。一方、田中の妹光子(満島ひかり)はシングルマザーで子供の虐待事件で勾留されていました。
有名大学の中でのえげつない階級格差や社内での女性職員を巡ってのさまざまなまさに「愚行」が悲惨な事件を起こしていたのでした。
冒頭のバスの車内でのエピソードが主人公の人間性のしたたかさを表しています。育った環境や社会の中のひとりの個人では解決できない階級格差の中では「どうしようもない悪魔のような人」にきっと誰もがなってしまうこともあるのかもしれません。でも、殺されるほど悪い夫婦ではなく、やっぱり殺した人が悪いです。
タバコは、主人公や周囲の登場人物の喫煙率がかなり高い作品でした。(☓☓)女性の喫煙もあり(☓)、カメラの撮り方としてもタバコをアップで映し、その点の「愚行」も目立ちました。俳優への虐待が問題な作品です。