Sempre Attacco

JBCF JapanProTour 現:eNShare Racing Teamアテンダントのちゃりんこ日記

パワーメーター個人感

2013年11月08日 | 機材
最近ネット上では左右のパワーバランスが測れるパワーメーターがもてはやされているが、果たして本当に必要なのだろうか?
測れれば参考になるのは間違いないが、正直、個人的には大いに疑問を持っている。
そもそも、左右のパワーバランスを測れても、一般人はどのように修正するのか?
実走しながらor固定ローラーや3本ローラーに乗りながら、クランクの円周接線運動の入力画面と睨めっこしながら、足の筋肉の収縮や足首の角度を色々と試してベストな動きを探っていくのだろうか?
多分、余程感性の良い人間しか修正は無理だろう。(私にはどう考えても出来るはずがないと思う。)

自転車競技のペダリングの基本は回転運動である。
まずは回転数(ケイデンス)なのである。間違っても一番最初にパワーがくるものではない。
最初に回転数、次にパワー。回転数を上げれば必然的に仕事量は上がる。
90-100回転以上になると一般人は回すのが辛くなる。しかし、回せる人間は120-130回転に上げても回しきる事が出来る。
機械のモーターように1000回転とかいう回転数は不可能なので、初めて其処でパワーへ目が向き、回せることを前提条件としてクリアして初めて筋力を鍛えるのではないか?
実際、長距離を走って足がパンパンでギヤを踏めない状況下でライバルとの差が付くのは、行き着くところケイデンスである。
最初からパワーというのはナンセンスである。
皆、順番を間違っているのではないか?

ケイデンスを上げるのは左右の筋力バランス、入力タイミングが上手くいかないと回せない。
筋力は其処まで必要ない。(元々の自転車選手なら筋力はある程度あるという前提条件なので。)
必要なのは左右の膝の開き具合と、前後から見た場合の膝の最短上下直線運動だけだ。
一般人レーサーを見ていると殆どがロスしている。大体、三角形の軌道を画いている人が殆どである。
よって、チームでは冬は基本中の基本のケイデンスを徹底的にやります。
39x19で時速30k/hで4-5時間x土日連続2日間。日曜日夕方の時点でお尻がサドルから跳ねなくなって初めて合格。
これが出来て初めて体幹の使い方が分かってくる。(回せないのに体幹の使い方が分かるはずも無い。)
皆強くなった選手はこの練習で一般選手以上の回転数を誇っていた。
結論として、回せる選手ほど後々伸びるし強くなっている。
筋力トレーニングは、このステップが終わってから取り組む。

<追伸>
余談だが、筋トレをする場合、例えば皆レッグプレス等で両足一緒でやっていないか?
両足を一緒にすると、左右の筋力バランスに気付かなくなる可能性が高い。
正解は片足ずつやるのが良い。そうすると必然的に筋力の弱い方が実感できる。
左右のパワーメーターが必要なのは、回転数を上げられない、筋力トレーニングを行っていない一般人だからではないだろうか?
一般雑誌に、さも高額パワーメーターが唯一絶対神だと書かれているのは、真実を知らない者が説いているとしか思えない。


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