独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

自学自習塾(1)いま、つなぐ力が必要!

2010-11-19 | 自学自習塾

9月から通い始めたWEBの学校、最初はまあまあでしたが、1ヶ月もすると習ったことを復習し、しかも自分のホームページ作りという課題に反映しなければならないので、あっという間に3,4時間が過ぎてしまい、バターンQ。最初の2,3日は書かなければと気になっていたのが、いつの間にかいいかで、1ヶ月も間が空いてしまった。そんな中、夢中になって取り組んでいるもう1つの大事なことが「自学自習塾」の立ち上げ。

「きもの生活者の視点で、きものの素晴らしさ、楽しさを伝える月刊誌」をめざし、月刊アレコレを2005年に創刊しました。6年の間、数百人のきもの人を毎月ていねいに取材し、いまどきコーデもきもの事情もきちんとわかりやすくビジュアル表現してきましたが、取材の都度聞かされるのは、「着たいきものがない」「着る人を受け止めてくれるお店がない」でした。読者と呉服屋さんを結びたいと考え、創刊したアレコレとしては忸怩たる思いでした。

「きものを着ない人が作り、きものを着ない人が売る」呉服業界、いまや、いまやではなくこの30~40年、業界より完全にきものを着る人のほうが先を行っていますから、「着物を着ない人ばかりの呉服業界」の低迷は無べなるかな、と思います。しかし、「1粒の麦」になればと、きもの生活者が映し出す日常のきもの姿や、発する声をとらえ、日頃から欠けている実際にきものを着る生活者の心理や現状、動向、「兆し」を情報提供してきましたが、それらが一向に反映されることがなく、改善が見えません。そこでアレコレだけではなく、「着る人の思いを伝え、着る人目線でこれからの着物の生産や販売を考え、共に行動してゆく」志ある方々と直接集い、議論し、煮詰め、行動する、特にきもの生活者と最も多く接する呉服屋同士が解決のための具体策を考え、行動する場が緊急に必要と考えていました。

 その思いを一層強めたのが、最近の呉服店の後継者の変化です。それは今までのように同じ呉服店や問屋、呉服商社に修行に行かず、大学を卒業後、サラリーマンとして呉服以外の会社に勤め、20代後半から30代半ばに家業を継ぐために実家に戻る、というケースが増えていることです。そのため、きもののプロとして必要な体系的な知識には欠けるものの、業界体質に染まらず、真摯に“自分たちの世代にふさわしい呉服店とはどんな呉服店なのか”の模索に日々悪戦苦闘しています。又プロとして必要な知識や体験、商品の調達力、伝える力を高め、同じ志を持つきもの人とのネットワーク作りなど、様々な課題に直面しています。「きものを着たい人」は多いのに、「役に立つ呉服店を目指している呉服店」は多いのに、なぜうまく出会えないのか。「きものを着る人、着たい人」と「きものを着る人に役立つ呉服店を目指す呉服店」とをつなげるため、きもの人に代わり、着る人の思いや要望をディレクションし、「着る人から求められる呉服店=次世代の呉服店」を若き経営者や、これから呉服店開業を目指す人と共に模索し、学び、実践、試行錯誤してゆく勉強会を開催することにしました。業界発想ではなく、「着る人」発想で「自ら学び、自ら習い、自店の理想を実現するための普遍を学ぶ勉強会」をめざします。きものを着る人がいてのお店です。「きものを着る人を知り、その要望に沿って自らを変えること」が現状を打破する最良の道と考えます。この塾が閉塞する現状を変える兆しの1つになると確信しています。スタートは12月8日です。なおこの自学自習塾は、きもの検定などのようにきものの知識や教養を高めるような勉強会ではないので、参加者は、呉服店の開業を目指す人、呉服店の経営に携わっている人、後継者など「呉服店のプロ」に限ります。詳細は編集長ブログ」にありますので、参照のうえ、興味ある方は、メールください。詳しいご案内をお送りします。