独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

リアルクローズ(5)日本酒

2010-08-01 | きもの
暑中お見舞い申し上げます

今日も一日、暑かったですね。
この2週間、鬱々とした日が続きましたが、今日から8月、気分を一新して暑さに負けないように頑張りましょう。トホホの里芋、元気に伸びています。朝起きると机の上がぽつんぽつんとぬれていて不思議に思っていたのですが、水を葉っぱに吸い上げているんですね。露が葉の上にたまるのだとばかり思っていたので、露の正体に初めて気づきました。それにしてもみずみずしい葉の色には癒されます。

先日月刊アレコレのきもの撮影を行った表参道ヒルズ。都心の街並みを考えてセレクト、コーディネイトしたきものは、とても街に映え、思った以上でした。この表参道ヒルズの中に「新しい日本酒文化を創造していく次世代の酒屋」と銘打って店内で話題の日本酒が飲める長谷川酒店がプロデュースする「日本酒ブティツクーはせがわ」があります。きものと同じように日本の伝統的な飲み物でありながら、ワインやウイスキーに押され、マイナーでオヤジの酒といわれ、市場が縮小した時期がありました。この日本酒に着目、絞り込み、日本酒をメジャーに押し上げた長谷川酒店。昼過ぎなのだが、それでも店内は三々五々おしゃれな若者たちで賑わっている。以前テレビ東京TVの「カンブリア宮殿」に長谷川社長が出演した時「酒を生業にするなら、最低限、飲んだり食べたりして、自分のお店においてあるお酒をじっくり味わって、それをどうお客様に表現するかというところから始めないといけない」と言っていたのを思い出した。江東区という東京の下町の酒店が生き残るためにニッチな日本酒に絞り込み、自分が納得する味を求めて回った蔵元は千軒を超えるとか。そして吟醸酒に出会い、オヤジの酒というイメージをかっこいいに変えるため味だけではなく、全く日本酒など飲んだことがない若者を注目させるため1升瓶からスタイリッシュなボトルに変えるなど、日本酒をトータルにプロデュース。「自分のお店においてあるお酒をじっくり味わって、それをどうお客様に表現するかというところから始めないといけない」という言葉は、「隗より始めよ」ということか。これからの時代、いよいよきもの屋さんも、きものの知識やセンスに加え、奨める人の「実感」、プロデュース力が求められ、決め手となる時代になってきたようだ。きもの人が話題にするお店は、どこも共通している。そして「見たい商品」が店頭にある、あるだろうなと期待させるのも共通している。