jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

それは握手から始まった。

2005年12月05日 | 生活
奇妙な夜だった。

昼間強い雨が降ったかと思ったら
夜は強風が吹き荒れた。

冷えきった空気の塊がぶつかると
ガラス戸がシャンと揺れ
木造の家はピシと軋む
絶え間なくコオォォと風の鳴き声…

例のレーザー美顔機を使い終えた嫁さんが
PCの前に座る僕に右手を差し出した。
反射的に僕も右手を差し出すと
まるで完走したマラソンランナーを励ますように
ぐっと手を握り肩をポンポンと叩いて
「おめでとう、おやすみ」と言って寝室に上がって行った。
僕はPCの前に取り残された。

晩御飯の後転寝してしまったからだろう
なかなか眠くならなくて
気付いたら3時を回っていた。
相変わらず空気の塊は家を揺さぶり続けていて
泣き叫ぶような風の声も大きくなっているような気がする。
テレビとPCの電源を落として
僕も布団に潜り込んだ。

よく冷えた布団の中で
身体を丸くして毛布にぐるりと包まった
やっぱり眠れない。
何度となく寝返りを繰り返し
その度に首元から入ってくる冷気に身を震わせた。

夢を見た。

ギョロ目のミニラに似た女子ゴルファーが
優勝会見で変な事を口走っている。
地震が来るだの火山が噴火するだの天変地異が起こると
オカルトチックな発言を
センセーショナルにテレビが報じている。

地震があった。
震度は1くらいだろうか?
天井から下がる電灯がゆらゆらと揺れている。
予言が当たった?
バカな…

現場からのリポートが入る。
リポーターの背後の山から噴煙が上がっている。
カメラマンが早く帰ろうと叫ぶ。
次の瞬間山が大爆発を起こす。
慌てて逃げ惑う報道陣に火砕流が迫る。

リポーターが転ぶが誰も助けずに走り去る。
リポーターに迫る噴煙。
そこに自衛隊の装甲車の車列が現れ
リポーターを拾い上げた
住民の残した自転車を踏みつけながら
装甲車は走り去る。

山の中腹にあった研究所のような施設
いつの間にか建物自体が忽然と姿を消している。
何が起こっているのかわからないが
日本各地で次々と天災が起きているようだ。

獣道を息を切らして上っていく。
何かの取材陣のようだ。
山頂のわずかなスペースに
プレハブの建物が3つほどコの字に並んでいる。

小屋の中はよくわからないが
何やら機械類が山のように積んであって
ボアのついたオレンジ色のヤッケを着た職員が
何人かメーター類をチェックしている。

その中のリーダー格の男に話を聞くため
大き目の木製テーブルに座る。
女性職員がアルミ製のマグカップにコーヒーを入れ
目の前に無造作に置いてくれた。

民間の気象観測の会社だとリーダー格の男は言った。
どこか懐かしく聞き覚えのある声。
リーダーの男は篠田三郎だった!

とここで目覚ましが鳴った。

まだ部屋の中は真っ暗な午前6時。
風は相変わらずコオォォと鳴いている。

冷たく乾いた空気の塊が窓を叩くと
家がグラと揺れピシと軋む。
結局
眠ったのか眠っていないのか
わからないまま出社した。

まったく奇妙な夜だった。


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この話を書こうとして
夢の出演者で唯一の有名人
篠田三郎氏について調べてみた。
http://dir.yahoo.co.jp/talent/12/m93-1592.html

プロフィールを見て驚いた。
誕生日が12月5日。
つまり今日だったのだ。
彼の誕生日が僕と同じだったとは
今朝検索するまで知らなかった。

奇妙な夜はまだ続いている。

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2 コメント

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ちょっと遅くなってしまいましたが (choko)
2005-12-12 16:27:38
お誕生日おめでとうございます。

ミステリアスな文につられてよみながら

「あ、誕生日?」

って思いましたよ。



それにしても、完走したマラソンランナーを

励ますように「おめでとう」

って、いいですね。

私もダンナの誕生日にマネしてみようかな。



いろいろな奇妙なつながりの、謎はとけましたでしょうか。

よい年になりますように。
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ありがとうございます。 (jump)
2005-12-14 09:13:39
こっそり一つ歳をとりました(爆)



>私もダンナの誕生日にマネしてみようかな。

きっと「?」な顔されるだけですよ(爆)

我が家は嫁さんから僕に近寄ってくる事がないので効果的なのですよ(爆)
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