jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

ベストゲーム

2006年06月15日 | サッカー
スペインが4-0でシェフチェンコのウクライナを破った後
嫁さんが「オーラの泉」を見ていたのでちょこっとネット。
嫌いなんだよねぇあの焼肉のタレみたいな名前のオッサン(笑)
ま、その人に限らず
人の弱みにつけ込んで金を奪う職業の人はみんな嫌いなんだけどさ(爆)

そんなことはどうでも良くて
で、それが終わったのが0:30で
当然のようにBS1にチャンネルを替えると
チュニジアとサウジの試合の真っ最中だった。
正直、興味なかったし(笑)
前半だけ見て寝ようと思っていたのだが
いやいや、これがまた面白いの何の!

華麗なパスワークやテクニックで魅せるサッカーではなく
ガシガシとぶつかり合いボールを奪い合う荒削りなサッカー
どちらも球際で1対1の局面で逃げない
そしてスキあらばどんな位置からでもシュートを狙う。

それでも
チュニジアの1点リードで前半を終えた時には
後半ちょっとだけ見て寝ようと思う程度だったんだけども
いざ後半が始まってしまうと画面から目が離せなくなった。

強い陽射しはないものの
ピッチにはまだ暑さが残っていただろう
その中を両チームの選手たちが駆け回る。
高い位置でのプレス
容赦ないスライディングでボールを弾く
ルーズボールには足を高く上げて何人もの選手が飛び込んでくる
後半になっても最終ラインと前線の距離が近いまま
コンパクトな地域での攻防も攻守の切替が早く
ボールを奪うと必ず相手のいない地域に人が走りこむ
後方の選手も上がってくるからパスが繋がる。
クロスもフィニッシュの精度も決していいとは言えないし
落ち着いて狙うというよりはとにかく蹴り込めといった大雑把な攻撃
とにかく得点を奪うのだという意志がはっきりと伝わってくる。

後半12分シンプルながら鮮やかなカウンターでサウジが同点に追いつく。
勢いに乗ったサウジはリズムが出てきたようで
パスも思うように繋がりだし何度もチャンスを作った。

1-1のまま後半も残り5分ほどになると引き分けの空気が漂うものだが
この試合は全くそんなそぶりを見せない。
相変わらずアタリは激しいし
どちらもとにかくゴール前に迫ろうとする。
そんな中またもやサウジのカウンターが炸裂!
途中交代で入ったジャバーが冷静にキーパーとの1対1を制して
サウジ逆転に成功。
普通なら勝負あったと思うんだろうけれど
何故だかこのままでは終わらないような気がした。

チュニジアのジャジリが大声で何か叫んでいる。
全員に上がれと大きなジェスチャーで鼓舞する。
白いユニフォームのチュニジアの最終ラインがぐっと前に出る。
眺めのパスでゴール前に迫るととにかくシュートを放つ
枠から外れようと相手の足に当たろうと打ってはこぼれ球を追う。
ディフェンダーもフォワードも関係ない。

それでもそう簡単に流れが変わるわけもなく
試合はロスタイムに入る。
サウジは守りに入っても良さそうなものだが
相手ゴール付近でのFKではとにかく点を狙いに行く。
まだまだガンガン攻める。
ひょっとしたらサウジもう1点追加するかも…
そう思った瞬間チュニジアが逆襲する。

細かいパスが繋がって
チームを鼓舞していたジャジリがペナルティエリア内に抜け出し
ゴールラインギリギリのところからセンタリングを上げた。
高いサウジのディフェンダーの間にふわりとボールが舞ったところに
チュニジアのディフェンダーがヘッド!
同点!

結果2-2の引き分けで終わったのだが
決して間延びする事無く
激しくぶつかり合い最後まで得点を奪いに行った両チーム。
僕が見た中で今大会のベストゲームだった。

決して美しくはないがスペクタクルでエキサイティングなサッカー
W杯で戦うという事はこういう事なのだ。