jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

夜空は晴れていたけれど

2004年07月08日 | 家族
素晴らしい回答を用意していたにもかかわらず
残念ながら娘から「『すなご』って何?」という質問は無かった(笑)

帰宅すると嫁さんが
「今日、長女が鼻血出してしばらく止まれへんかってん」と言った。
小さい頃から長女はよく鼻血を出していたが
ここしばらくはそれもなかったので余計にあわてたみたい。

ちゃぶ台で宿題をしている長女に聞いてみると
なかなか止まらなくて怖かったと言った。

夕食前に入浴。
一緒に入ろうと長女を呼んだが返事が無い
風呂場のドアを開けると嫁さんが
「この子また鼻血出したわ」と呆れ顔で言う(笑)

そそくさと風呂を出て居間に戻ると
嫁さんが「あんまり止まらなかったら救急病院行く?」と聞いてきた
「そこまでは必要ないだろうけど…とりあえず様子を見よう」と答える。
長女は鼻に氷とティッシュを当てながら横になっていた
僕と嫁さんの会話が聞こえたのか
「怖いよ…このまま死ぬのかなぁ?」と半泣きでつぶやく。
「アホかぁ、鼻血で死んだ人なんて聞いたことないわ!」
わざと大げさに笑いながら言ってみる。

「本当?ワタシ大丈夫?」
「あはは(笑)大丈夫。昼間の傷ひっかいただけだからすぐ止まるよ」
「本当に本当?このまま止まれへんかったらワタシ死ぬん?」
「死んじゃうくらいの血が鼻から出たらティッシュじゃ足りないってば(笑) 大丈夫、絶対大丈夫だって!」

と言いながらも内心はドキドキで、
もし止まらなかったらどうしようとか
鼻血の知識もうちょっと仕入れておけばよかったとか
救急行くならどの病院に行くかとか
田舎の母(元看護士)に電話してみようかとか
さまざまな思いがぐるぐると頭の中を駆け巡る。

すると娘が
「だってパパいつも冗談ばっか言うから信じられへんもん」
わははははは…
普段の言動には気をつけよう…とほほ(泣)

「いつも冗談言ってるけど、大丈夫っていうのは本当だよ」
そう言って横になっている娘の頭をそっと撫でた。
「本当に大丈夫?」
「うん、パパだって本当に大事なときは冗談言わへんでしょ?」
「うん…」
まだ信じてないな(笑)

テレビはトリビアの泉が始まっていた。
画面に背を向けていた娘が「見られへんやん」と言う
「反対向けばええやん、テレビ見て横になっとき」
傍で大笑いしていた嫁さんが答えた。

トリビア見ながら大笑いしている間に鼻血は止まっていた。

そんなこんなで
「たなばた」どころか「ばたばた」な夜(笑)
今夜は長女と一緒に寝てあげることにした。

娘2人を寝かしつけ、一息ついた夜中1時頃
嫁さんの入れてくれたコーヒーを飲みながら
今年は七夕らしいこと何もできなかったねと話していると
長女がトイレに下りてきた。

僕は今から間に合う七夕を思いついた
「あ、そうだ!今日は晴れてるから星見てみる?」
「うん!」
嫁さんも「行け行け」と目で合図を送っている。

二人でパジャマのまま玄関を開け
「ぬわっ」とした蒸し暑い夜に飛び出した。
雲は少なく晴れていたのだけれど
街灯や月明かりで星はほとんど見えない。
道路脇の塀の前に腰を下ろし夜空を見上げる。

ポツリポツリと見える星はあるが
それが何座の何と言う星なのかはわからない

それでも娘は満足そうに
「何か天の川みたいなのが見えた!」と言う。
「えー?そんなはずないって(笑)」と答えるが
「絶対、見えるって!ホンマやって!」と
身振り手振りで夜空に絵を描くように説明してくれたが
残念ながらやっぱり僕には見えなかった。

大阪の空と同じように
僕の心の目もスモッグに覆われてしまったのだろうか?

生温い湿った空気が頬を「でろん」と撫でたのをきっかけに
僕らは腰を上げて新品のエアコンが冷やしてくれている部屋に戻った。