山口 香の「柔道を考える」

柔道が直面している問題を考え、今後のビジョン、歩むべき道を模索する。

将来的にはあるかも?

2009-03-18 07:34:29 | Weblog
 ロシアがはじめて海外からコーチを招聘したことを書いたが、日本にも可能性があるのかと考えてみた

 おそらく、多くの方は「日本で外国人のコーチなんてあり得ない!そんな可能性はない。」と即座に否定するだろう。もちろんヘッドコーチが外国人になる可能性は極めて低いが、スタッフの一人と考えればメリットもあることに気がつく

 日本選手の技のレベルは依然として高いが試合になると勝てないという状況がある。ということは、試合においての戦術や戦法、さらにはモチベーションなどなどで負けている可能性が考えられる。海外のコーチの得意とする部分である。また、彼らはいつも「日本選手にどうやったら勝てるだろうか」ということを考えているのだから、そういった面で貴重なアドバイスが得られるはずだ

 常々思っていたのだが、日本の文化は「教える」というよりは「見て覚えなさい」というものであるので、言葉で伝えたり、解説したりといったことは苦手である。日本の有名な選手が海外で技の説明をしてもパフォーマンスは素晴らしいが説明には不満足という場合が多い。選手の多くが考えてといよりも感覚でやっていることが多いのも一因だが、指導者になっても論理的に説明することに慣れていないともいえる

 日本の柔道は常に王道をいくので、日本の指導者は相手の研究や対策というよりは選手自身の力量をあげることに専念すればいい。そして、外国人のコーチが戦術面を担う。日本人は柔道を全て知っているという自負心があるが、じつは自分の弱点というのは意外と見えていない場合がある

 また、日本が国際的にも開かれたことをアピールできる。例えば、柔道大国フランスとコーチの交換を行うなどという方法もある。大学や研究機関などでは当たり前に行われている。これだけ情報化社会になれば、自分たちの情報を盗まれることを心配するよりも交流を積極的に深めてお互いの優れた点を吸収しあうようなやり方の方が賢い

 日本のナショナルチームに外国人のコーチがいても、私には全く違和感がなく、抵抗もないが、日本人の柔道に対するプライドからすれば難しいかもしれない。しかし、そのプライドの高さが海外の人には大きな壁になっていることも事実だ

 国内的にも「昔強かった」人でないと評価されないのと、海外の柔道家を下に見るのと同じような発想だと思う。選手として強くなくても指導者や組織の人間としては優秀な人が大勢いるのと同じように、海外のコーチでも日本が学ぶべき優秀な人も多い

 ビジネスチャンスは意外な発想から生まれるように、今は考えられないかもしれないが、将来的には外国人コーチの招聘もあり得るかも???


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2 コメント

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Unknown (ヒロ)
2009-03-18 12:09:49
その御見解、まさしくその通りかと思います!!!



今のままですと、特に男子柔道は将来的にはオリンピック金0もあり得ます。

実際世界ジュニアで男子が全く勝てなくなってるのを見れば、男子柔道が将来厳しい結果にさらされるのは一目瞭然です。


金0の代償は、オリンピックを目指す柔道少年が激減すると云う負の計り知れない遺産となってしまいます。

どうか手遅れになる前に、柔道界の中枢におられる山口先生から外国人コーチの招聘の機運が高まるアクションを起こして頂けましたら嬉しいです。
残念ながら男子の先生方はそのような発想持ちにくいですし、例え持っていても事なかれ主義な為、行動が伴わないです。
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Unknown (Unknown)
2009-03-18 12:42:24
外国人コーチ、大賛成です。

というのも私も北京惨敗後からその案を考えていました。日本柔道を多面的に見るにはとてもいい機会になると思いますし。選手も学ぶことが多いような気がします。

でも、今はあり得ないですよね。。。
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