*** june typhoon tokyo ***

MY FAVORITES LIVE AWARD 2020



 例年とは異なる2020年のライヴ観賞。

 個人的に観賞したライヴから特に印象深いライヴを独断と偏見&身勝手極まりなく決めてしまおうという、超私的な拙ブログ恒例の年1ベストアウォード企画〈マイ・フェイヴァリッツ・アウォード〉の2020年のライヴ篇。
 
 2020年は、2021年となってもまだ冷めやらないコロナ禍という状況が続く異例の年となり、エンターテインメント・シーンは大きな打撃を受けることに。海外からの来日公演はもちろん、国内でも緊急事態宣言がなされてからは、多くのライヴやコンサートの延期・中止が余儀なくされた。たとえば、2月下旬のPerfumeの東京ドーム公演は、自分が観賞した日を境に翌日の公演は中止となり、当日の会場はグッズ販売に訪れる人の波で溢れていた。
 それを考えると、規模こそ異なるものの、Perfumeの東京ドーム公演が中止になった同日に、ビルボードライブ東京でザ・フリー・ナショナルズの来日公演が無事開催されたのは、来日公演開催可能と判断出来るギリギリのところだったのかもしれない。翌週には、渋谷WWWでのアリ・レノックスやラヴィーナの公演がキャンセルになり、スポーツでもFC東京のACLの試合が延期になるなど、以降の海外勢の来日がほぼ絶望的な状況となったのだから。

 そのような状況下ゆえ、例年は30以上観賞しているライヴも、2020年はインストアを含めても25と近年で最も少なくなってしまったのは致し方がない(記事化していないインストアもあるが、それを含めたとしても30には足らず)。さらに洋楽勢の観賞が圧倒的に少ないのも同様で、結局、ルイ・ヴェガとザ・フリー・ナショナルズの2組のみを観賞するにとどまった。4月に開催を予定していたサンダーキャット公演は2021年1月へ延期となったが、それもさらに延期となった(中止ではなく延期となっているのは、サンダーキャットの親日家という一面に因っていることも少なくないだろう)。

 一方で、“不幸中の幸い”と言ったら語弊があるかもしれないが、コロナ禍だからこそ実現したと思われる公演もあった。MISIAや久保田利伸のブルーノート公演などはその最たるもので、通常なら全国ツアーを開催するなかで、ブルーノートのキャパシティで公演を行なうことはないだろう。競争率もかなりのもの(ブルーノートの長い歴史において抽選予約数が最も多かったとも聞く)だったそうだが、そのなかで座席を確保出来たのは、日頃の行ないが……ではなく、単に“幸運”だったというしかない。

 夏以降は、感染対策や観客数を制限するなどの措置を取りながら、エンターテインメントの灯を消さぬよう、各陣営がさまざまな努力を惜しまずに公演を再開させていることには頭が下がる想いだ。年末年始を経て、また新たな感染の波が訪れ、予断を許さない状況が続くが、2021年にはそういった懸念がなくなる時が来ることを願いたい。

 ということで、例年であれば、ノミネート公演をピックアップし、2020年の個人的なベスト・ライヴを発表するところなのだが、 2020年は母数が少ないこともあり、ノミネート発表なしに〈マイ・フェイヴァリット・ライヴ・アウォード〉の最優秀ライヴを発表する。その前に、2020年に観賞した公演の一覧を振り返っておこう。

◇◇◇

【*** june typhoon tokyo *** 2020年観賞ライヴ記事一覧】
※リンク先でライヴレポートが読めます

01 2020/01/08 〈まんぼうmeeting〉vol.5 @下北沢BAR?CCO
02 2020/01/19 HALLCA,WAY WAVE @渋谷 RUIDO K2
03 2020/01/25 〈FRESH!!〉 @六本木 VARIT.【HALLCA】
04 2020/02/04 Louie Vega & The Elements of Life @BLUE NOTE TOKYO
05 2020/02/14 脇田もなり @Motion Blue Yokohama
06 2020/02/19 脇田もなり @HMV&BOOKS SHIBUYA【インストア】 ※IS 
07 2020/02/21 一十三十一 @Billboard Live TOKYO
08 2020/02/24 リリリップス @新宿MARZ
09 2020/02/25 Perfume@東京ドーム
10 2020/02/26 The Free Nationals @Billboard Live TOKYO
11 2020/03/10 nuance @SHIBUYA TSUTAYA O-EAST
12 2020/03/12 彼女のサーブ&レシーブあおぎ Birthday Live@渋谷CIRCUS Tokyo
13 2020/08/07 天野なつ @タワーレコード錦糸町パルコ【インストアライヴ】 ※IS
14 2020/08/20 天野なつ @下北沢 CLUB251
15 2020/08/22 MISIA @BLUENOTE TOKYO
16 2020/10/12 桐原ユリ @渋谷WWW
17 2020/11/01 HALLCA @六本木Varit.
18 2020/11/03 天野なつ @HMV record shop 新宿ALTA【インストアライヴ】 ※IS
19 2020/11/07 天野なつ @渋谷La.mama
20 2020/11/08 一十三十一 @Billboard Live TOKYO
21 2020/11/20 久保田利伸 @BLUENOTE TOKYO
22 2020/12/13 HALLCA,WAY WAVE @渋谷 RUIDO K2
23 2020/12/18 Nao Yoshioka@BLUE NOTE TOKYO
24 2020/12/21 天野なつ@下北沢 CLUB251
25 2020/12/27 〈UNDERPASS〉@CIRCUS TOKYO

※IS: インストアライヴ

◇◇◇

 前述のとおり、海外勢はルイ・ヴェガとザ・フリー・ナショナルズの2組のみ。サンダーキャットをはじめ、アリ・レノックスやカインドネス、テディ・ライリーなど期待していた公演も多かっただけに、非常に残念なのは否めない。国内では、多く足を運んだのは天野なつ。そして、HALLCAや脇田もなりの元Especia勢も。また、Nao Yoshiokaの“凱旋”公演も強く印象に残った。

 それでは、2020年のマイ・フェイヴァリット・ライヴの発表といこう。
 
◇◇◇

【MY FAVORITES LIVE AWARD 2020】

【最優秀ライヴ】


久保田利伸 @BLUENOTE TOKYO (2020/11/20)

 兎にも角にも、ブルーノート東京というリッチなステージで、久保田利伸と人生で最接近したという事実に興奮した瞬間だったが、もちろんライヴパフォーマンスも圧巻。個人的な贅沢を申せば、これが“ボッサ&ラヴァーズロック”だけでなく、ファンクやR&Bまでもを存分に繰り広げてくれたらという願望が脳裡を埋め尽くすが、それは我儘過ぎる欲望だろう(そしておそらく抽選に当たらない)。
 後年、2020年の印象を問われた際に、多くがコロナ禍の話題に集まろうとも、個人的には久保田のスペシャルなステージを体感したという事実がそれを凌駕してくれるはず……それほどのインパクトをもたらすに等しい、五感に響くサプライズとなった。

 同様に、ブルーノート東京公演は、MISIAもNao Yoshiokaも見応え十分だった。表現の差こそあれど、演者が“滾る”姿を間近で触れられるのはこの上ないこと。ルイ・ヴェガの生命力溢れるステージも至極だった(終演後に“ニューヨーク・ハウスの帝王”とツーショットが撮れるなんて!)。

 ライヴへの参加をためらわざるを得ない時期もあり、さまざまな新しいアーティストのステージを肌で感じる機会は僅かとなってしまったが、活動休止前に滑り込みで観賞が叶ったリリリップスや、誘われなければ足を運ぶことはなかったと思われるnuanceなど、視野を広げて新たな刺激を受けたことは良かった。

 なお、〈マイ・フェイヴァリッツ・アウォード〉のアルバム篇は、2019年よりは作品に触れる機会があった(僅かながらディスクレビューもアップした)ものの、やはり年間通してしっかりと聴き込めなかったゆえ、2020年も休止すること、ご容赦ください。

 最後に、上記のライヴのうち一部の映像と、本アウォードの歴代受賞ライヴ一覧を掲載して、2020年の拙ブログ身勝手アウォード企画の幕を下ろすことにする。

◇◇◇

【2020ライヴ映像セレクション】

01 2020/01/08 〈まんぼうmeeting〉vol.5 @下北沢BAR?CCO

再生リスト → 【まんぼうmeeting vol.5】桐原ユリ / 天野なつ @下北沢BAR?CCO

02 2020/01/19 HALLCA,WAY WAVE @渋谷 RUIDO K2

再生リスト → HALLCA @RUIDO K2 20200119【うぇいうぇい部 第25回部員集会】

03 2020/01/25 〈FRESH!!〉 @六本木 VARIT.【HALLCA】



08 2020/02/24 リリリップス @新宿MARZ


16 2020/10/12 桐原ユリ @渋谷WWW


17 2020/11/01 HALLCA @六本木Varit.


22 2020/12/13 HALLCA,WAY WAVE @渋谷 RUIDO K2


◇◇◇

【MY FAVORITES LIVE AWARD 歴代受賞ライヴ】
■ 2005年
ERIC BENET@BLUENOTE TOKYO
■ 2006年
LEELA JAMES@O-EAST
■ 2007年
m-flo@横浜アリーナ
■ 2008年
洋楽部門:EN VOGUE@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:SOUL'd OUT@JCB HALL
■ 2009年
洋楽部門:ANTHONY HAMILTON@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:CRYSTAL KAY@NHK HALL
■ 2010年
洋楽部門:LEELA JAMES@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:久保田利伸@東京国際フォーラム(1日目の記事はこちら
■ 2011年
洋楽部門:KYLIE MINOGUE@幕張メッセ
邦楽部門:久保田利伸@NHKホール(1日目の記事はこちら
■ 2012年
洋楽部門:ESTELLE@Billboard Live TOKYO
邦楽部門:Perfume@さいたまスーパーアリーナ
■ 2013年
Maylee Todd@Billboard Live TOKYO
■ 2014年
John Legend@パシフィコ横浜
■ 2015年
Lalah Hathaway@BLUENOTE TOKYO
■ 2016年
Jill Scott@Zepp DiverCity TOKYO
■ 2017年
Nao Yoshioka with Eric Roberson@ミューザ川崎
■ 2018年
Leroy Hutson@Billboard Live TOKYO
2019年
Janelle Monae @Zepp DiverCity TOKYO
■ 2020年(本記事)
久保田利伸 @BLUENOTE TOKYO

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