“タイムレス・フライ”への道程。
Toshinobu Kubota Tour 2010“Timeless Fly”の東京国際フォーラム公演の2日目。今日は1階席からの観賞。昨日同様、今日もファンキーなマイケル・ジャクソン風フェイクが多い。NHKホール公演から約一ヶ月、全国ツアーを回っていくうちに、体内のファンク密度が高まってきたのだろうか。ダンサーにも負けずの腰のうねりも。回を重ねるごとにファンキー度が上昇するのは、スティーヴィー・ワンダーのよう、か。（笑）
セット・リストはほぼ同様。ほぼ、というのも、二度目アンコールがあったからだ。
アンコール3曲目の「Cymbals」が終わり、メンバーが一列に並んでの礼やウェイヴのパフォーマンスの後、一人ステージに残る久保田。「感謝の気持ちを表わしたくて」と先日放送されたNHK『SONGS』で歌われた井上陽水の「海へ来なさい」をこの場で歌うという。番組内でのギターのオオニシユウスケとのアコースティック・スタイルをそのままステージで。さらに、歌いながら「シンガーのみんなはいないの？」とYURI、吉田博、オリヴィアの3人を呼び寄せる。フェイクしながら指で指示を出すと、即興でコーラスが加わる。コーラスのリードは長い間ツアーを共にし互いの心がしれているYURI。シンプルな歌唱が、スムースな雰囲気を増した上品なハーモニーへと昇華していく。当日の観客には嬉しいサプライズだった。
R＆Bを根付かせるために躍起になった時代を経て、いかにいい音楽を伝えられるかということに主眼を置いて久しい久保田。25周年という節目の時を眼前に控える今だからこそ、特別なことではなく、改めて“聴いて、感じて……心から楽しめる”音楽を常に追求していきたいという意志が伝わってきた。
彼自身が“Timeless Fly”＝時間を超えたクールな存在になったと思えるその時は、意外と早く到達するかもしれない。むろん、ファンはすでにその存在たる人物だと認識しているが。
“止まらない雨が 恋が降らせた雨が／ふたりを 昨日へ 帰さない……”とは「LOVE RAIN～恋の雨～」のコーラス・パートだが、この日を体感したファンにとっては、“止まらないグルーヴが 久保田が降らせたグルーヴが／ファンキーな世界から 帰さない”といったところだろうか。
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＜SET LIST＞
01 Keep it Rock
02 ダイヤモンドの犬たち
03 TOMORROW WALTZ
04 雨音
05 Is It Over?
06 the Sound of Carnival
07 Nyte Flyte
08 LA・LA・LA LOVESONG
09 Back Singers' Medley
Right Here（Original by SWV）
Human Nature（Original by Michael Jackson）
Right Here
10 Rock with you（Original by Michael Jackson）
11 The Other Half
12 Missing
13 Indigo Waltz
14 STAR LIGHT
15 You were mine（Including phrase of“Another Star”by Stevie Wonder）
16 Soul Mate～君がいるから～
≪ENCORE≫
17 Oh,What A Night!
18 LOVE RAIN ～恋の雨～
19 Cymbals
≪ENCORE #2≫
20 海へ来なさい（Acoustic Ver.）（Original by Yosui Inoue）
＜MEMBER＞
久保田利伸（Vo）
大西雄介（G）
Carlos Henderson（B）
Ralph Rolle（Dr）
柿崎洋一郎（Key）
Philip Woo（key）
DJ MASS（TurnTable)
Olivia Burrell（Cho）
吉田博（Cho）
YURI（Cho）
MASAKO（Dancer)
NAO（Dancer)
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井上陽水 - 海へ来なさい
当日、久保田が披露した井上陽水の曲がこれ。
こういう詞を書けるアーティストがもっといれば、日本の音楽シーンも変わっていたかもしれない。
