*** june typhoon tokyo ***

〈UNDERPASS〉@CIRCUS TOKYO




 “LOVE & GIRLS”で締め括った、ラフェイス・アイドルの2020年ラスト・ステージ。

 年の瀬押し迫る2020年の最後の日曜の昼、渋谷にあるエンターテイメントスペース「Circus Tokyo」にて、“日本を代表するモデルを輩出する!”を目標に矢部美幸(“やべっち”ことナインティナインの矢部浩之の実兄)が設立したモデルエージェンシー「LAUGHFACE」(ラフェイス)所属タレントによるライヴ・イヴェント〈LAUGHFACE Presents“UNDERPASS”〉が開催。福岡・久留米発のぴーぴるとれーゆるによる高校生2人組ご当地アイドル“963”(くるみ)と、あおぎとえりによる“フューチャーテニスアイコン”ユニット“彼女のサーブ&レシーブ”による2020年最後のライヴ・イヴェントに足を運ぶ。ソーシャルディスタンスを保つ入場制限はあったが、チケットは前日までにソールドアウト。クラブ・イヴェント・スタイルの納会というようなアットホームな雰囲気のなか、1年を振り返りながらの2020年のライヴ納めとなった。

 まずは、963と彼女のサーブ&レシーブの2組全員が登壇し、“2020年を振り返って”というテーマによるトークセッションでイヴェントが開演。彼女のサーブ&レシーブ(以下“カノサレ”)のえりは、まずは20歳を迎えたこと。そして、お歳暮などで酒を貰うことが多くなり、家にワインやシャンパンなどが増え、その流れもあって、酒を覚えたこと。特にビールが飲めるようになったことを挙げ、元バンドマンの父と元ヤンの母(笑)が常に冷えたグラスを用意し、スッと出してきて「お前も飲めよ」という無言の圧力があったこともあり、嗜むように。

 カノサレのあおぎは、矢口真里と岡野陽一がMCを務めるABEMAのトークバラエティ番組『火曜The NIGHT』に出演したことを2020年の一番の思い出にピックアップ。カノサレとして番組に出演した際、いつもパートナーのえりへ「好き」という感情を伝えているのだが、出演時は緊張と興奮からかハイテンションになり、その愛情表現の過剰度が思いのほかMC陣にウケて、マシンガントークが炸裂。えりいわく「ステージでは急にしおらしくなってしまいがち」だったのだが、この番組出演を機にステージでのMCでも話せるようになった“成長”を語っていた(同番組を観た母からは“気持ち悪かった”とめちゃくちゃ怒られたとのこと)。


 963のれーゆるは、悔しかったこととして、『週刊ヤングジャンプ』における誌上オーディション「制コレ'20」にファイナリストとして選出されたものの、結果落選となったことを一番の思い出に。トーク、外見、表情すべてにおいてもっと勉強しなければいけないと痛感したと語っているところに、パートナーのぴーぴるが「近くにお手本いるよ?」とツッコミ。ぴーぴるは、講談社『週刊少年マガジン』『ヤングマガジン』主催のグラビアミスコンテスト「ミスマガジン」の2019年度読者特別賞を受賞し、同誌にて表紙を飾っている“先輩”ゆえ、れーゆるは「誌面では尊敬してます……」とたじろぎながらリアクション。

 れーゆるのトークの番に“誌面の先輩”風を吹かして自身のグラビアの宣伝や出来の良さをあれやこれやぶち込んだぴーぴるは、最後のセンター試験受験の際に“頭のいい人はガムを食べる”という話を聞いたらしく、ガムを口から出し忘れて試験を受けてしまい、噛み過ぎて口の中で分離したことに意識が傾いて、いままでで一番低い自己採点となってしまったという受験時の思い出を語っていた。

 “2021年の目標”というテーマでは、カノサレとしては楽曲に振り付けがついたこともあり、遠征や地方に行き、いろんな人に見て欲しいとのこと。えりは、ミュージカルなど舞台の楽しさを知ったので、ステージで演じたい。あおぎは、MV(ミュージック・ヴィデオ)を撮りたいので、MVを撮りたいと思わせるくらいのヴィジュアルに仕上げたい。個人では舞台や誌面に出たい、ほぼ更新されていないYouTubeを稼働させたいとの抱負を。

 963としては、れーゆるは「ライヴの曲をただ歌うだけではなく、理解して歌うようにしたい、表現力を高めたい」との目標を。個人としてはグラビアオーディションへのリヴェンジと、仙台へ人気漫画『ハイキュー!!』の聖地巡りをしたいとのこと。ぴーぴるはもっと可愛くなりたい、誌面やTVに出たいのほか、20歳になるので泡盛、テキーラ、レモンサワー(ファンに「シャンパンタワー楽しみにしてるんで」とおねだり)など酒に特化した希望を連呼。ただ、童顔なので酒を買う際に止められそうになりそうだから、堂々と「20歳ですけど」とドヤ顔で身分証明を出したいとも。東京へ出てくる地方代表としてドヤ顔で“イキッていきたい”とざっくばらんに語り、約25分のトークセッションは終了した。

◇◇◇


 ライヴ・セクションの一番手は、彼女のサーブ&レシーブ。“フューチャーテニスアイコン”のユニット・アンセムともいえる「Racket Love」を皮切りに、先日(12月12日)リリースした、前作『SERVICE ACE』に続いて元インスタントシトロンの松尾宗能がサウンドプロデュースを手掛けたアルバム『kanosare』の楽曲を中心に6曲を披露。リズミカルなギターポップ・マナーの「Dance Floor!」や、ニューウェイヴやテクノポップの薫りもチラつかせたダンサブルなファンシー・ポップ「ドキドキ♡エデンの恋ひらり」とともに『kanosare』からセレクトしたのは、晴天の広がりをも想起させるUK系ロック・テイストが滲む「one」を挟んでからの「STILL BE SHINE」。

 ラウンジ感が漂う渋谷系マナーのサウンドを緩めのヴォーカルで歌うという、特有のファジーなモンド・スタイルというカノサレの魅力を特に描出させたのが、このインスタントシトロンのカヴァー「STILL BE SHINE」で、ビタースウィートなメロディラインが耳を惹くセンチメンタルなポップは、本人たちもお気に入りのよう。前述のトークでもあおぎがMVを撮りたいといった一番手に挙がったのも納得の、甘酸っぱさを湛えた楽曲だ。今後はハモリや表現力に工夫を凝らしながら、カノサレの代表曲の一つとして質を高めてもらいたいところだ。


 続いて、963が登場。963は、2017年7月に中目黒solfaでの主催イヴェント〈今日も963と…〉や本公演同様に2020年3月のCIRCUS Tokyoにて行なわれた彼女のサーブ&レシーブあおぎのバースデイライヴ(記事はこちら→「彼女のサーブ&レシーブあおぎ Birthday Live@渋谷CIRCUS Tokyo」)にてライヴを観ているが、聴いたことがあるのはラストに演じた「再逢い」くらい。冒頭の「GAME」とラストの「再逢い」は今夏8月にリリースしたアルバム『tick tock』に収録されているが、それ以外は1stアルバム『963』収録の「ろすとぷらねっと」を除けば、カヴァー3曲というラインナップ。前日にカノサレとの合同リリースイヴェントでオリジナル曲を多く披露したのだろうか、連日来場するファンを考慮してのスペシャルなセットリストにした模様。

 あまり楽曲を聴いてない自分としては、963に対してはジャジィ・テイストにややナーヴァスなムードで緩めのラップを繰り出すというイメージが強かったゆえ、「CURRY RAP ~作れマハラジャ~」「Nice & Sweets」などはそれに当たらないハッピー&キュートなキッズ・ソング風な味付け(ティーンエイジャーがキュートなアイドル・ポップ然するというそのまんまなアイドル・ラップ)が逆に新鮮。しかしながら、ESNO(西原健一郎のプロジェクト)がロリータウィスパーヴォイスを駆使するボンジュール鈴木をフィーチャーした「21時のクラゲと月」のカヴァーは、個人的に2015年リリース当初にオリジナルをチェックしていた記憶があり、この選曲に「オッ」となった。仏在住経験があり仏語が堪能なボンジュール鈴木ほどの世界観構築まではさすがに至らないが、なかなか963に合うカヴァーではないかと感じた。
 それにしても、楽曲に入る前の「さんのーがーはい」(東京などでは「いっせーのーせっ」「いちにーのーさん」に当たる方言)の掛け声は、東京出身の自分にしてみると、それで何故タイミングが合うのかが不思議で仕方ない(しかも、同じ九州発のカノサレは「せーの」という掛け声だったからなおさら)。

 “最後の曲”と告げた「再逢い」を終えるも、ぴーぴるが「こんなところで私達は終わらない!」としてカノサレを呼び込むと、「最後は、久しぶりに4人揃ったことですし、あの曲を」とえりが促して、2018年末に解散したラフェイス所属のラフ☆ちっくの楽曲「LOVE & GIRLS」へ。モーニング娘。「LOVEマシーン」的なビート感溢れるアレンジ(ダンス☆マン調ともいう)がアクセントとなったダンサブルなナンバーで、派手やか&キュートにエンディング。12月30日で963加入3年目となるれーゆるへの花束を贈るメモリアルな演出と、それを祝すファンからの拍手が生み出したハッピーなヴァイブスにフロアが包まれながら、2020年のステージを締めくくった。


◇◇◇

<SET LIST>
≪TALK SECTION≫
00 Looking back on 2020 TALK SESSION

≪彼女のサーブ&レシーブ≫
01 Racket Love
02 A Hungry Girl
03 Dance Floor!
04 ドキドキ♡エデンの恋ひらり
05 One
06 STILL BE SHINE

≪963≫
01 GAME
02 CURRY RAP ~作れマハラジャ~(Original by スパイシー丸山)
03 Nice & Sweets(Original by NEW TOWN REVUE loves 963)
04 21時のクラゲと月(Original by ESNO feat. ボンジュール鈴木)
05 ろすとぷらねっと 
06 再逢い

≪彼女のサーブ&レシーブ + 963≫
01 LOVE & GIRLS(Original by ラフ☆ちっく)


<MEMBER>
彼女のサーブ&レシーブ / HER SERVE & RECEIVE are:
あおぎ(安達葵袖)a.k.a. 彼女のサーブ
えり a.k.a. 彼女のレシーブ

963 / KURUMI are:
ぴーぴる
れーゆる

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【「彼女のサーブ&レシーブ」「963」に関する記事】
2018/05/30 MILLI MILLI BAR@六本木VARIT.
2019/03/01 LOOKS GOOD! SOUNDS GOOD! @北参道ストロボカフェ
2020/03/12 彼女のサーブ&レシーブあおぎ Birthday Live@渋谷CIRCUS Tokyo
2020/12/27 〈UNDERPASS〉@CIRCUS TOKYO(本記事)

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