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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「弱いつながり 検索ワードを探す旅」

2015-07-03 09:02:15 | Book
東浩紀著「弱いつながり 検索ワードを探す旅」を読了。
同著者の「一般意志2.0」も読みましたが、この本はそれとは違って、すごく読みやすい。電子書籍で読んだのですが、全部で90ページ弱、もう終わりっていう感じでした。
紀伊國屋じんぶん大賞2015の受賞作品でもありますが、この読みやすさが受賞に貢献しているのかなあと思いました。
強いつながりより、偶然から起こる弱いつながりに注目していて、旅に出て自らを違う環境に置くことで偶然に目にする事柄や会う人が異なり、それを起点として新しい世界が広がる。
確かに、今の若い人たちは小中学校に友人ともFACEBOOKやLINEなどで、ずっとつながりができていて、その絆を強くするために日夜FACEBOOKやラインに明け暮れる。強いつながりを作って、どこかの村(グループ)の住人となり、そこに相応しいように振る舞い続けるよりも、弱いつながりに触発されながらいろいろな村を観光する旅人的視点を持ったほうがいいのではないかということです。
本の中で紹介されている「Hans Rosling's 200 Countries, 200 Years, 4 Minutes - The Joy of Stats - BBC Four」という世界がこの200年でどれだけ豊かになったというYOUTUBEのビデオを見ましたが、確かに、平均寿命と収入において、世界じゅうが向上しているのがわかります。しかし、寿命が伸びるということは人口爆発の問題があり、収入が増える一方で、先進国都市層とそれ以外の差の拡大、資本主義経済の行方などの問題もあり、一筋縄に豊かになったよかったというわけには行かないでしょう。
あと、人間にはルソー的な憐れみと「性」の欲望があるために、ときどき非合理的な行動をとり、だからこそ社会を作ることができると書かれています。「国民と国民は言葉を介してすれちがうことしかできないけれど、個人と個人は「憐れみ」で弱く繋がることができる。」ともあります。
いろいろと示唆に富む内容が入っており、読んで面白かったし良かったです。
体調は良好です。





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